許可要件

産業廃棄物の収集運搬は白ナンバーでできる?違法になるケースも解説

産業廃棄物を運ぶ際、白ナンバーで問題ないのか、2026年の法改正で扱いが変わったのか気になる方は多いです。自社で出した産業廃棄物を運ぶ方も、他社から依頼を受けて産業廃棄物を収集運搬する方も、白ナンバーを使えるのか判断に迷っていませんか?

結論を先に言うと、産業廃棄物の収集運搬は、2026年の法改正後も従来どおり白ナンバーで運べます。ただし、運搬の内容によっては、例外的に白ナンバーでは運べないケースもあります。

この記事では、白ナンバーで運べるケースや緑ナンバー・黒ナンバーが必要なケース、2026年法改正後の扱い、罰則について解説します。

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この記事を書いた人

長島 雄太

NAGASHIMA行政書士事務所

NAGASHIMA行政書士代表。日本行政書士連合会 第20260604号。産廃業に強い行政書士。産廃業の許可に関するメディアサイト「産廃業許可ナビ」を運営しており、産廃業許可の取得率100%。詳しいプロフィールはこちら → [運営者情報]

産業廃棄物の収集運搬は白ナンバーでできる

産業廃棄物の収集運搬は、原則として白ナンバーで行えます。白ナンバーで産業廃棄物を運んでいるからといって、必ず違法になるわけではありません。

2026年3月16日の環境省及び国土交通省の事務連絡では、産廃業者が排出事業者から収集や処分までまとめて依頼を受け、その仕事の一部として産業廃棄物を運ぶ場合は、貨物運送を別の事業として行っているとは扱わないと示されています。

つまり、産廃処理の仕事の一部として運んでいるのであれば、貨物運送事業として緑ナンバー(又は黒ナンバー)を取得する必要はなく、白ナンバーで運べるということです。

産業廃棄物の収集運搬で必要な許可と白ナンバー・緑ナンバー

産廃収集運搬業許可と、白ナンバー・緑ナンバーは別の制度です。産廃収集運搬業許可が必要かどうかと、白ナンバー・緑ナンバーのどちらを使うかは、それぞれ別の基準で判断します。

産廃収集運搬業許可は、他社の産業廃棄物を収集・運搬するための許可です。一方、貨物自動車運送事業の許可は、他人の依頼を受けて有償で貨物を運ぶための許可です。

貨物自動車運送事業の許可が必要な場合は、普通・小型トラックなどでは緑ナンバーを使用します。

運搬ケース産廃収集運搬業許可貨物自動車運送事業許可ナンバー
自社の産廃を自ら運搬原則不要不要白ナンバー
他社の産廃を産廃処理業務として収集運搬原則必要不要白ナンバー
産廃処理とは別に産廃を有償運送原則必要必要緑ナンバー・黒ナンバー

自社の産廃は産廃許可なしで白ナンバー運搬できる

自社の事業で発生した産業廃棄物を自ら運ぶ場合は、産廃収集運搬業許可を取得する必要はありません。また、白ナンバー車で運搬できます。

産廃収集運搬業許可は、他人の産業廃棄物を業として収集・運搬する場合に原則として必要な許可です。自社で出した産業廃棄物を自社で運ぶ場合は、他社から収集運搬を依頼されるケースとは異なります。

たとえば、自社工場で発生した廃プラスチック類を自社トラックで処理施設まで運ぶケースです。建設会社が自社の工事で発生した産業廃棄物を自社車両で運ぶ場合も、自社運搬に該当します。

他社の産廃は産廃収集運搬業許可を取得して白ナンバーで運べる

他社が排出した産業廃棄物を収集運搬する場合は、原則として産廃収集運搬業許可が必要です。また、産廃処理業務の一環として運ぶ場合は、白ナンバー車を使用できます。

たとえば、排出事業者から産業廃棄物の収集運搬を依頼された業者が、排出場所で産業廃棄物を収集して処理施設まで運ぶケースです。

ただし、産廃収集運搬業許可を持っていれば、すべての運搬を白ナンバーで行えるわけではありません。契約内容や実際の業務を確認し、産業廃棄物処理業務の一環として行う運搬かどうかを判断する必要があります。

産廃処理とは別に有償運送する場合は産廃許可に加えて緑ナンバーが必要

産廃処理の一環ではなく、他人の産廃を運ぶ仕事だけを有償で請け負う場合は、原則として産廃収集運搬業許可に加えて貨物自動車運送事業の許可等も必要です。

普通・小型トラックなどを使用する場合は緑ナンバー、軽自動車を使用する場合は黒ナンバーとなります。

産廃収集運搬と、産廃の運搬だけを有償で請け負うケースは、どちらも産業廃棄物を車で運ぶ点では同じです。違いは、産業廃棄物の収集または処分と運搬を一体で請け負っているのか、産業廃棄物を運ぶ部分だけを仕事として請け負っているのかという点です。

たとえば、収集や処分を伴わず、産業廃棄物の運搬だけを有償で請け負うケースとして、A地点にある産業廃棄物をB地点まで運ぶ業務だけを別の事業者へ依頼する場合が挙げられます。

依頼を受けた事業者は収集や処分を担当せず、A地点からB地点まで産業廃棄物を運ぶ業務だけを請け負います。

一方、排出事業者から産業廃棄物の収集運搬を依頼され、排出場所で産業廃棄物を収集して処理施設まで運ぶ場合は、収集と運搬を一体で行うケースといえます。

前者のように運搬行為だけを有償で請け負う場合は、貨物自動車運送事業の許可等が必要になります。また、他人の産業廃棄物を業として運搬するため、産廃収集運搬業許可も原則として必要です。

2026年法改正と通知で産業廃棄物の収集運搬と白ナンバーの扱いはどうなった?

2026年4月の法改正で変わったのは、違法な白トラを利用する荷主等への規制です。産業廃棄物の収集運搬で白ナンバーを使える従来のルールまで変更されたわけではありません。

項目法改正後の扱い
違法な白トラを利用する荷主等新たに規制対象になった
産廃収集運搬で白ナンバーを使用従来どおり使用できる
産廃の運搬だけを有償で行う場合従来どおり事業用ナンバーが必要

違法な白トラを利用した荷主も規制対象になった

2026年4月1日から、違法な白トラへ運送を委託した荷主等も規制対象になりました。

違法な白トラとは、必要な貨物自動車運送事業の許可等を受けず、白ナンバー車で有償運送を行うことです。

法改正前も違法な白トラによる運送行為は規制されていましたが、法改正後は、違法な白トラへ運送を委託する側にも規制が及びます。

産廃収集運搬で白ナンバーを使える従来の扱いは変わらない

法改正後も、産廃収集運搬で白ナンバーを使える従来の扱いは変わっていません。

産廃収集運搬として行う運搬は貨物自動車運送事業に当たらないため、従来どおり白ナンバーで運搬できます。

すでに白ナンバーで適法に産廃収集運搬を行っている事業者であれば、法改正を理由に緑ナンバーへ変更する必要はありません。従来どおり産廃の運搬を続けられます。

産廃の運搬だけを有償で行う場合の事業用ナンバーも従来どおり必要

産廃の運搬だけを有償で請け負う場合に、事業用ナンバーが必要となる扱いは2026年の法改正後も変わっていません。

2026年3月16日の環境省及び国土交通省の事務連絡では、「貨物自動車運送事業に係る許可等に関する従前の取扱いを変更するものではありません 。」とはっきりと記載されています。

つまり、法改正によって新たに事業用ナンバーが必要になったわけではなく、従来どおり緑ナンバーや黒ナンバーが必要です。

産業廃棄物の収集運搬で白ナンバーを使う場合の罰則と注意点

白ナンバーで産業廃棄物を運ぶこと自体に罰則があるわけではありません。問題になるのは、必要な許可を取らずに収集運搬や有償運送を行った場合です。

また、自社の産廃を運ぶ場合でも、車両表示や書面の備え付けなどのルールは守る必要があります。

無許可の産廃収集運搬には刑事罰がある

産廃収集運搬業許可が必要なのに、無許可で産業廃棄物の収集や運搬を行うと刑事罰の対象になります。

廃棄物処理法では、無許可で産業廃棄物の収集または運搬を業として行った場合、5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、または両方が科されます(廃棄物処理法第25条第1項第1号)。

たとえば、他社から依頼を受けて産廃を継続的に収集運搬しているにもかかわらず、必要な産廃収集運搬業許可を取得していないケースです。

一方、自社で排出した産廃を自ら運ぶ場合や、専ら再生利用の目的となる産業廃棄物のみを扱う場合など、もともと許可が不要なケースまで無許可営業になるわけではありません。

無許可の貨物運送にも刑事罰がある

貨物自動車運送事業の許可や届出が必要な運送を、必要な手続きをせずに行うと刑事罰の対象になります。

普通・小型トラックなどで一般貨物自動車運送事業を無許可で経営した場合は、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、または両方が科されます(貨物自動車運送事業法第70条第1号)。

また、軽自動車の場合は、一般貨物自動車運送事業の許可ではなく、貨物軽自動車運送事業の届出が必要です。届出をせずに貨物軽自動車運送事業を経営した場合は、100万円以下の罰金が科されます(貨物自動車運送事業法第75条第11号)。

自社運搬でも車両表示や書面携帯が必要

産廃収集運搬業許可が不要な自己運搬でも、車両表示と書面の備え付けが必要です。

車両の両側面には、産業廃棄物の収集または運搬に使用する車両である旨と事業者名を表示します。また、車内には、事業者の名称や住所、産廃の種類・数量、積載日、積載場所、運搬先などを記載した書面を備え付けなければなりません。

義務を怠ると、都道府県知事から改善命令を受ける可能性があります。改善命令に違反した場合は、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、または両方が科されます(廃棄物処理法第26条第2号)。

ただし、車両表示や書面に不備があっただけで、すぐに同じ刑事罰が科されるわけではありません。改善命令が出された場合には、内容を確認して速やかに従いましょう。

産業廃棄物の収集運搬で白ナンバーを使えるか迷ったときの確認方法

白ナンバーで産業廃棄物を運べるか判断できない場合は、産廃収集運搬業許可と貨物自動車運送事業の許可等を分けて確認する必要があります。

産廃収集運搬業許可の要否は、事業を行う区域を管轄する都道府県や政令市などへ確認してください。

一方、白ナンバーで運搬できるか、貨物自動車運送事業の許可等が必要か判断できない場合は、主たる事務所を管轄する地方運輸局等へ確認します。

確認したい内容確認先
産廃収集運搬業許可が必要か管轄する都道府県や政令市など
白ナンバーで運搬できるか主たる事務所を管轄する地方運輸局等
貨物自動車運送事業の許可等が必要か主たる事務所を管轄する地方運輸局等

相談するときは、自社の産廃か他社の産廃か、誰から依頼を受けるのか、収集や処分を伴うのか、運搬だけを請け負うのかを整理しておくと確認しやすくなります。契約内容だけでなく、実際の業務内容まで説明できるようにしておきましょう。

産廃収集運搬業許可の取得を検討している方は産廃業許可ナビへ

白ナンバーで産業廃棄物を運べる場合でも、他社から依頼を受けて産廃を収集運搬するには、原則として産廃収集運搬業許可が必要です。

これから産廃収集運搬業を始める場合は、必要な許可を確認したうえで申請手続きを進めることになります。申請では必要書類の準備や申請先の確認なども必要になるため、手続きに不安がある方は専門家への相談も選択肢のひとつです。

産廃業許可ナビでは、産廃収集運搬業許可の取得をサポートしています。自分で申請するのが難しい方や、手続きをスムーズに進めたい方は、産廃業許可ナビをご相談ください。

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産業廃棄物の収集運搬と白ナンバーのまとめ

産業廃棄物の収集運搬は、2026年の法改正後も従来どおり白ナンバーで可能です。ただし、産廃処理とは別に運搬だけを有償で請け負う場合は、緑ナンバーや黒ナンバーが必要です。

また、他社の産廃を収集運搬する場合は、原則として産廃収集運搬業許可も必要になります。許可やナンバーの判断を誤ると無許可営業につながるおそれがあるため、判断に迷う場合は早めに行政書士へ相談するしましょう。

産廃収集運搬業許可の取得を検討している方は、必要な手続きや申請先を確認するためにも、産廃業許可ナビへ相談してみてください。

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