基礎知識

産廃の自社運搬に許可は必要?不要でも守るべき3つのルール

2026年9月21日

産廃を自社で運びたいものの、収集運搬業の許可が必要なのか迷う方もいるかもしれません。製造業の自社運搬だけでなく、建設現場で下請け業者が運ぶ場合など、産業廃棄物収集運搬の許可が必要かどうかの判断は難しいです。

結論を先に言うと、自社で排出した産廃を自ら運ぶ場合、収集運搬業の許可は原則不要です。ただし、車両表示や書面携帯などのルールは守らなければならない点は注意が必要です。

記事では、自社運搬の許可要否からマニフェスト、罰則、判断に迷った場合の対処法まで解説します。自社の運搬方法に問題がないか確認したい方は、参考にしてください。

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この記事を書いた人

長島 雄太

NAGASHIMA行政書士事務所

NAGASHIMA行政書士代表。日本行政書士連合会 第20260604号。産廃業に強い行政書士。産廃業の許可に関するメディアサイト「産廃業許可ナビ」を運営しており、産廃業許可の取得率100%。詳しいプロフィールはこちら → [運営者情報]

産廃の自社運搬に許可は必要?

自社で排出した産業廃棄物を自社で運ぶ場合、収集運搬業の許可は原則として不要です。

廃棄物処理法では、事業者が自社から出た産業廃棄物を自ら処理することを原則としています。自社で産業廃棄物を運ぶ行為も、自ら処理する行為の一部にあたるため、収集運搬業の許可は必要ありません。

一方、自社以外の産業廃棄物の運搬をする場合は、原則として産業廃棄物の収集運搬業許可が必要です。

たとえば、製造業の工場から出た金属くずや廃プラスチックを、自社のトラックで処理施設まで運ぶ場合は自社運搬にあたります。運搬先が県外で複数の都道府県をまたぐ場合でも、自社運搬の要件を満たしていれば各自治体の収集運搬業の許可は不要です。

下請け業者が現場の産廃を運ぶ場合は許可が必要

建設現場で出たゴミを下請け業者が運ぶ場合は、原則として収集運搬業の許可が必要です。

廃棄物処理法第21条の3第1項では、建設工事で出た廃棄物の排出事業者は元請け業者と位置づけられています。つまり、下請け業者が現場のゴミを自社の車で運搬する行為は、他人の廃棄物を運ぶことになるため、原則として許可が必要です。

例外として、請負代金500万円以下などの要件を満たす小規模な維持修繕工事では、下請け業者を排出事業者とみなす特例があります。ただし、条件は厳格に定められているため、自己判断で特例を使うのは避けてください。

現場ごとに特例へ当てはまるかを判断するのは難しいため、許可が必要な場面が多い事業者の方は、行政書士へ許可取得を相談するのがおすすめです。許可を取得すれば、下請けとして受けた現場の運搬も自社で行えるため、外注費の削減にもつながります。

産廃の自社運搬で許可不要でも守るべきルール3つ

産業廃棄物を自社で運搬する場合、収集運搬業の許可が不要でも、自由に運べるわけではありません。

自社運搬でも、廃棄物処理法に基づくルールを守る必要があります。ルールを知らずに運搬すると義務違反となる可能性があるため、運搬前に必要な対応を確認してください。

運搬車両への表示義務

産業廃棄物を自社で運搬する場合、使用する車両の両側面に必要事項を表示しなければなりません。

表示するのは、産業廃棄物収集運搬車である旨と、氏名または名称の2点です。文字の大きさにも決まりがあり、産業廃棄物収集運搬車は140ポイント以上、氏名または名称は90ポイント以上で表示します。

表示は、マグネットシートなどの着脱式でも問題ありません。

たとえば、運搬に使う車両ごとにステッカーやマグネットシートを用意しておけば、必要なときに取り付けて運搬できます。

必要事項を記載した書面の携帯義務

産業廃棄物を自社で運搬する際は、誰が・何を・どこへ運んでいるのかを確認できる書面を携帯する必要があります。

書面に記載する項目は、次の4つです。

  • 氏名または名称および住所
  • 産業廃棄物の種類と数量
  • 積載した日と場所
  • 運搬先の名称、所在地、連絡先

決められた書式はありませんが、必要な項目を漏れなく記載してください。

飛散や悪臭を防ぐ収集運搬基準の遵守

産業廃棄物を運ぶときは、廃棄物の飛散・流出や悪臭の漏れを防ぐための対策が必要です。

粉状や軽い廃棄物を運ぶ場合は、荷台にシートをかけます。液状の廃棄物を運ぶ場合は、ドラム缶などの密閉できる容器を使用してください。

運ぶ廃棄物の性質に合わせて、適切な方法を選ぶ必要があります。

産廃を自社運搬する際の許可とマニフェストの取り扱い

産業廃棄物を自社で運搬しても、他社の処分場へ持ち込み、処分を委託する場合はマニフェスト(産業廃棄物管理票)が必要です。

マニフェストは、産業廃棄物の処理を他人へ委託する際に使用する制度です(廃棄物処理法第12条の3)。

たとえば、製造業の工場から出た廃プラスチックを自社のトラックで処分場まで運び、処分業者へ引き渡す場合が該当します。

一方、自社で運搬し、自社の処理施設で処分まで行う場合は、他社へ処分を委託しないため、マニフェストの交付は不要です。

産廃の自社運搬で基準違反・無許可運搬に該当した場合の罰則リスク

区分無許可運搬の罰則
個人5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金など
法人最大3億円の罰金

産業廃棄物を無許可で運搬した場合、罰則の対象となります。

たとえば、建設現場で下請け業者が必要な許可を持たずに産廃を運搬した場合は、無許可運搬に該当する可能性があります。

注意点としては、無許可運搬では、実際に運んだ業者だけが処罰対象になるわけではありません。無許可業者へ運搬を委託した排出事業者も、委託基準違反として罰則の対象となります。

また、自社運搬の場合も、車両への表示や必要書面の携帯など、定められた基準を守らなかった場合には、行政処分などの対象になる場合があります。

産廃の自社運搬ルールや許可取得に迷った場合の対処法

自社運搬の方法に不安がある場合や、下請け工事などで収集運搬業の許可が必要になりそうな場合は、行政書士へ相談するのがおすすめです。

行政書士に相談すると、次のようなサポートを受けられます。

  • 自社運搬が適法かどうかの確認
  • 車両表示や書面など、社内ルールの整備
  • 収集運搬業許可の要件確認や書類作成

建設業では、元請けと下請けの関係によって、誰が排出事業者にあたるのか判断が難しいケースがあります。自社運搬のつもりでも、無許可営業と判断される可能性があるため注意が必要です。

許可の要否は事業内容や契約関係によって異なるため、判断に迷う場合は行政書士へ相談してください。

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まとめ

産廃を自社で運搬する場合、収集運搬業の許可は原則不要ですが、車両表示や書面の携帯などのルールを守る必要があります。下請け業者が運搬する場合や、他社へ処分を委託する場合は、許可やマニフェストの取り扱いにも注意が必要です。

判断を誤ると、無許可運搬や委託基準違反につながるおそれがあります。自社運搬に該当するか、許可が必要か迷う場合は、早めに行政書士へ相談してください。産廃業許可ナビでは許可取得のサポートに対応しているので、是非お気軽にご相談ください。

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