許可要件

産業廃棄物収集運搬は赤字・債務超過でも許可を取れる?

2026年9月15日

産業廃棄物収集運搬業の許可を申請・更新したいものの、会社が赤字や債務超過の状態で「許可を取れるのだろうか」と不安に感じる方は多いです。

結論からいうと、赤字や債務超過だからといって、直ちに不許可になるわけではありません。ただし、赤字なのか債務超過なのかによって審査時の確認内容や必要書類が異なります。

この記事では、赤字と債務超過の違いや確認方法、許可への影響、追加で必要となる書類について解説します。申請前に自社の状況を確認したい方は、ぜひ参考にしてください。

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この記事を書いた人

長島 雄太

NAGASHIMA行政書士事務所

NAGASHIMA行政書士代表。日本行政書士連合会 第20260604号。産廃業に強い行政書士。産廃業の許可に関するメディアサイト「産廃業許可ナビ」を運営しており、産廃業許可の取得率100%。詳しいプロフィールはこちら → [運営者情報]

産業廃棄物収集運搬業は赤字・債務超過でも許可を取得・更新できる

産業廃棄物収集運搬業は、赤字や債務超過であることだけを理由に、直ちに不許可になるわけではありません。

許可審査では、貸借対照表や損益計算書、法人税の納付状況などから、今後も安定して事業を続けられるだけの財務状況にあるかを確認されます。

特に重要なのが、単なる赤字なのか、それとも債務超過までしているのかという点です。

赤字でも純資産がプラスで債務超過していない会社と、純資産がマイナスになっている会社では、審査時の扱いが異なります。

赤字でも債務超過でない場合

直近の決算が赤字でも、債務超過でなければ許可を取得・更新できる可能性は高いです。

大阪府の産業廃棄物収集運搬の手引きでは、経理的基礎について「少なくとも債務超過の状態でなく、持続的な経営の見込みまたは経営改善の見込みがあること」を基準の一つとしています。

たとえば、今期は赤字でも、会社全体としては債務超過ではなく、今後も事業を続けられる見込みがあるケースです。

東京都でも、直近の決算が赤字であっても、法人税の納税額が1円以上あり、3年間未納がない場合には追加書類が不要とされています(東京都環境局|よくある質問)。

つまり、赤字だからといって、それだけで産廃許可を取得・更新できなくなるわけではありません。

ただし、赤字の程度や財務状況、申請先の自治体によっては追加書類を求められる場合があります。

債務超過している場合

債務超過している場合でも、産業廃棄物収集運搬業の許可を取得・更新できる可能性はあります。

ただし、赤字でも債務超過ではない場合と比べると、財務状況をより詳しく確認されます。

また、債務超過になった原因や今後の改善策、債務超過を解消できる見込みなどを説明する追加書類を求められる場合があります。

必要となる書類や審査上の取扱いは自治体によって異なるため、債務超過の状態で申請する場合は、事前に管轄の窓口へ相談しておくのがおすすめです。

産業廃棄物収集運搬業における赤字と債務超過の違い

赤字と債務超過は混同されやすいですが、意味は大きく異なります。

赤字とは、その年の収入よりも費用の方が多く、最終的に損失が出ている状態をいいます。一方、債務超過は、会社の持っている資産より借金などの負債が多い状態です。

赤字債務超過
確認する書類損益計算書貸借対照表
確認するポイントその年に損失が出ているか純資産がマイナスになっているか

たとえば、今期は赤字でも、それまでに蓄積した利益などによって純資産がプラスであれば、債務超過ではありません。

反対に、今期は黒字でも、過去の赤字が積み重なって純資産がマイナスになっていれば、債務超過している場合があります。

産業廃棄物収集運搬業の許可への影響を確認する際は、赤字かどうかだけで判断せず、債務超過になっていないかもあわせて確認しましょう。

赤字かどうかは損益計算書で確認する

赤字かどうかは、決算書の損益計算書で確認します。

損益計算書とは、1年間でどれだけ売上があり、どれだけ費用がかかり、最終的に利益が出たのか損失が出たのかを確認するための書類です。

確認するのは、損益計算書の下の方にある「当期純利益」または「当期純損失」の欄です。

「当期純利益」がプラスであれば黒字です。反対に、「当期純利益」が「▲100万円」「△100万円」「-100万円」などのマイナス表示になっている場合や、「当期純損失100万円」と記載されている場合は赤字です。

たとえば、当期純利益が「▲100万円」となっていれば、その事業年度は100万円の赤字と判断できます。

ただし、赤字だからといって債務超過とは限りません。債務超過かどうかは、損益計算書ではなく貸借対照表で確認します。

債務超過かどうかは貸借対照表で確認する

債務超過かどうかは、決算書の貸借対照表で確認します。

貸借対照表は、会社がどれだけ資産を持ち、どれだけ負債を抱えているのかを確認するための書類です。

確認するのは、貸借対照表の下の方にある「純資産合計」の欄です。

純資産合計がプラスであれば債務超過ではありません。反対に、「▲200万円」「△200万円」「-200万円」などのマイナス表示になっている場合は、債務超過です。

たとえば、資産が1,000万円、負債が1,200万円の場合、純資産はマイナス200万円となるため、債務超過と判断できます。

ただし、今期が黒字だからといって、債務超過ではないとは限りません。今期に利益が出ていても、過去の赤字が積み重なり、純資産合計がマイナスになっていれば債務超過です。

産業廃棄物収集運搬業で赤字・債務超過の場合に必要な追加書類

赤字や債務超過の場合は、通常の申請書類に加えて、財務状況を説明するための追加書類を求められるケースが少なくありません。

特に債務超過している場合は、債務超過になった原因や今後の改善策、解消の見込みなどを説明する資料が必要です。

必要書類は自治体によって異なり、申立書を提出するケースもあれば、中小企業診断士や税理士などの専門家が作成した書類を求められるケースもあります。

申請者自身が作成する申立書

自治体によっては、債務超過している場合に、申請者自身が債務超過となった原因や今後の改善見込みを説明する書類を作成しなければなりません。

たとえば大阪府では、「経理的基礎に関する申立書」を提出し、債務超過となった理由や今後の改善策、債務超過を解消できる見込みなどを記載します。

改善策については、売上の増加や経費の削減など、債務超過をどのように解消していくのか具体的に記載します。

中小企業診断士などの専門家が作成する説明書

自治体によっては、債務超過など一定の条件に該当する場合に、中小企業診断士や公認会計士、税理士などの専門家が作成する書類を求められることがあります。

たとえば東京都の「経理的基礎を有することの説明書」は、中小企業診断士・公認会計士・税理士が作成する書類です。

説明書には、債務超過となった理由や具体的な改善策、その対策によって見込まれる利益、債務超過を解消できる会計年度などを記載します。

ただし、専門家が作成する書類が必要となる条件は自治体によって異なります。債務超過だからといって必ず専門家への依頼が必要になるわけではありません

自治体ごとに必要となるその他の書類

赤字や債務超過の場合は、申立書や専門家が作成する説明書以外にも、自治体ごとに追加書類を求められることがあります。

たとえば、今後の収支見込みを示す計画書や、財務状況を補足するための書類などです。どのような書類が必要になるかは自治体によって異なるため、申請前に管轄の窓口へ確認してください。

赤字・債務超過での産業廃棄物収集運搬業許可は行政書士への相談がおすすめ

赤字や債務超過の状態で産業廃棄物収集運搬業の許可を申請する場合は、事前に行政書士へ相談するのがおすすめです。

通常の申請よりも、決算内容の確認や追加書類の準備、自治体ごとの取扱いの確認など、事前に確認しなければならないことが多いためです。

行政書士へ依頼すれば、財務状況を確認したうえで必要書類を整理し、申請先への事前確認から許可申請書類の作成・提出まで任せられます。

また、自治体によっては、中小企業診断士・公認会計士・税理士などが作成する説明書を求められる場合があります。

このような場合でも、行政書士へ相談すれば、必要な専門家を紹介してもらったり、専門家と連携しながら申請を進めてもらったりすることができます。

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まとめ

産業廃棄物収集運搬業は、赤字や債務超過の状態でも許可を取得・更新できる可能性があります。ただし、赤字なのか債務超過なのかによって確認される内容や必要書類が異なり、自治体によっても取扱いに違いがあります。

特に債務超過している場合は、申立書や専門家が作成する説明書など、追加書類が必要になることもあります。

必要となる追加書類は財務状況や自治体によって異なるため、自社で判断が難しい場合は早めに行政書士へ相談するのがおすすめです。産廃業許可ナビでも産業廃棄物収集運搬業の申請相談を受け付けていますので、お気軽にご相談ください。

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