産廃許可の基礎知識

産業廃棄物収集運搬に必要な容器とは?9種類の特徴と使用例を解説

産業廃棄物収集運搬の容器って何?

産業廃棄物収集運搬の容器は何を使えばいいの?

と悩む方は少なくありません。

産業廃棄物収集運搬に必要な容器とは、廃棄物の性質に応じて飛散・流出・悪臭を防ぐ構造を持つ容器のことです。

新規で許可を取る場合でも、品目を追加する変更申請の場合でも、容器は審査で必ずチェックされる重要なポイントです。

廃棄物処理法で適切な防止措置が義務として定められているため、液状や泥状、固形といった性質ごとに、適切な防止措置ができる容器を選ばなければなりません。

この記事では、現場で実際に使い分けられている9種類の容器の特徴と、20品目それぞれに適した容器の組み合わせを具体例とともに解説します。

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この記事を書いた人

長島 雄太

NAGASHIMA行政書士事務所

NAGASHIMA行政書士代表。産廃業専門の行政書士。産廃業の許可に関するメディアサイト「産廃業許可ナビ」を運営しており、産廃業許可の取得率100%。許可の取得実績500件以上。詳しいプロフィールはこちら → [運営者情報]

産業廃棄物の収集運搬に容器が必要な理由

産業廃棄物を運搬する際は、廃棄物の性質に合った運搬車両または容器を使わなければなりません。

廃棄物処理法の収集運搬基準により、飛散・流出・悪臭の漏れを防ぐ措置が義務付けられているためです(廃棄物処理法施行令第6条)。

飛散・流出・悪臭の漏れを防げない運搬方法は、周囲の生活環境を汚染するおそれがあり、法令違反として行政処分の対象となります。

許可取得を目指す方も、既存の運搬業者も、運搬する廃棄物に適した運搬手段を選択するようにしてください。

許可申請で認められる容器の基準

産業廃棄物収集運搬業許可の審査では、飛散・流出・悪臭の漏れを防ぐ構造を持ち、廃棄物の性質に適した材質・強度の容器かどうかが厳しくチェックされます。

たとえば、液体系の廃棄物にはドラム缶やポリタンクなどの密閉容器、粉状のものには防じん性のあるフレコンバッグや密閉コンテナが適しているといえます。

一方、廃油のような液体を蓋のない容器で運搬する申請や、腐食性のある廃酸・廃アルカリを鉄製のドラム缶で運搬するような申請は許可が下りません。

産業廃棄物収集運搬に使われる9種類の容器

産業廃棄物の状態は固形・泥状・液状など様々で、それぞれに適した容器が異なります。

現場で使い分けられている容器は主に9種類あり、素材(金属・プラスチック・布)や密閉性が大きく異なるため、運搬する廃棄物の性質に合わせた選択が必要です。

以下で、ひとつずつわかりやすく解説します。

クローズドラム缶

天板が取り外せない密閉性の高い金属製ドラム缶で、液状の廃棄物を運ぶのに最も適した容器です。

注ぎ口のみが開く構造のため、横に倒れても中身がこぼれにくく、中身が蒸発して漏れることも防げます。

引火性が高く漏れると危険な廃油や廃溶剤(シンナーなど)の運搬に使用されるのが一般的です。

液状廃棄物を扱う予定がある方は、まず押さえておきたい基本の容器といえます。

オープンドラム缶

天板全体を取り外せる金属製のドラム缶で、固形物や粘り気のある泥状の廃棄物を出し入れするのに適した容器です。

開口部が大きいため、スコップなどでかき出す必要のある廃棄物や、かさばる固形物の収納・排出作業がスムーズに行えます。

ドロドロの汚泥や固まった廃塗料、細かな金属くずなどの運搬に使用されます。

クローズケミカルドラム

内側がプラスチック等の樹脂でコーティングされた密閉ドラム缶です。

強い酸やアルカリの液状廃棄物を運ぶ際に必須です。

普通の金属製ドラム缶では、酸やアルカリによって金属が腐食し、穴が空いて有害物質が漏れ出す危険があります。

硫酸・塩酸などの廃酸や、強いアルカリ性を持つ廃アルカリなど、金属を溶かす性質のある液状廃棄物に使用される容器です。

蓋付きオープンケミカルドラム

天板が開閉でき、かつ薬品に強い樹脂製のドラム缶です。

オープンドラムの出し入れのしやすさと、ケミカルドラムの耐薬品性を兼ね備えた容器で、金属を腐食させる泥状・固形の廃棄物に適しています。

強い酸性・アルカリ性を持つドロドロの汚泥や、腐食性の薬品が付着した固形廃棄物などの運搬に使用される容器です。

ポリタンク

軽量で持ち運びしやすいプラスチック製の容器で、少量から中量の液状廃棄物を運ぶのによく使われます。

水や薬品に強く、ドラム缶(約200L)ほどの容量を必要としない現場で活躍する容器です。

人力で運べるサイズ感のため、小回りが利くのがメリットといえます。

自動車整備工場から出る少量の廃油や、病院・写真館から出る少量の廃液(廃酸・廃アルカリ)などの運搬に使用される容器です。

フレコンバッグ

丈夫な化学繊維で編まれた超大型の袋で、大量の固形廃棄物や粉状の廃棄物を運ぶのに適した容器です。

使わないときはコンパクトに折りたたんで保管でき、運搬時はフォークリフトやクレーンで吊り上げて一度に大量の積み下ろしが可能です。

建設現場や工場から出る廃プラスチック類、紙くず、木くずのほか、粉状で飛び散りやすいばいじん(粉じん)の運搬にも使用される容器です。

コンテナ

トラックの荷台に直接積み込める金属製の大きな箱型容器です。大量の固形廃棄物を一度に効率よく運搬できます。

頑丈で大容量のため、建設現場や工場に長期間設置しておき、廃棄物が溜まったらアームロール車(脱着装置付きトラック)で箱ごと引き上げて運ぶ使い方が一般的です。

解体現場から大量に出るがれき類、コンクリートくず、ガラス・陶磁器くず、金属くずなどの運搬に使用される容器です。

石油缶

通称「一斗缶(いっとかん)」と呼ばれる容量約18リットルの金属製角型容器です。

少量の液状・泥状廃棄物の運搬に適しています。

ドラム缶よりかなり小さく、人力で簡単に持ち運びできます。

四角い形状のため、トラックの荷台に隙間なく積み重ねて効率よく積載できるのもメリットといえます。

塗装現場で余った少量の廃塗料や廃溶剤、飲食店の厨房から出る少量の廃油などの運搬に使用される容器です。

感染性廃棄物容器

医療機関などから出る人に感染するおそれがある廃棄物を安全に運ぶための専用容器です。

極めて高い密閉性と頑丈さが求められます。

廃棄物処理法における特別管理産業廃棄物の厳格な基準により、中身の血液が漏れず、注射針などが貫通しない安全な構造が義務付けられています。

使用済みの注射針やメスを入れるための耐貫通性のあるプラスチック製ペール缶や、血液の付いたガーゼを入れるバイオハザードマーク付き段ボールなどが代表的です。

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産業廃棄物収集運搬に使用する容器の例

産業廃棄物収集運搬許可の申請では、どの産業廃棄物をどの容器で運ぶかという組み合わせを正しく記載しなければなりません。

品目と容器の組み合わせが不適切だと、役所から書類の修正を求められたり、最悪の場合には不許可になったりするケースも考えられます。

申請書には、たとえば以下のような適切な組み合わせを記載し、実際の容器の写真を添付して提出する必要があります。

産業廃棄物の種類容器なしクローズドラム缶オープンドラム缶クローズケミカルドラム蓋付きオープンケミカルドラムポリタンクフレコンバッグコンテナ石油缶感染性廃棄物容器
燃え殻
汚泥
廃油
廃酸
廃アルカリ
廃プラスチック類
紙くず
木くず
繊維くず
動植物性残さ
ゴムくず
金属くず
ガラスくず・コンクリートくず 及び陶磁器くず
鉱さい
がれき類
動物のふん尿
動物の死体
ばいじん
石綿含有産業廃棄物
感染性廃棄物

ポイントは、液体なのに隙間がある容器、腐食性があるのに金属製容器といった不適切な組み合わせを避けることです。

どの品目にどの容器を使うかに不安がある場合には、役所や行政書士などに専門家に相談することをおすすめします。

産業廃棄物収集運搬の容器が不要な場合でも飛散防止措置は必須

大きな固形廃棄物をダンプカーの荷台に直接積む場合、容器は不要です。

ただし、容器を使わない場合でも、飛散防止措置が必須です。

廃棄物処理法の基準では、容器を使用しない場合であっても、道路への落下や土埃の飛散を防ぐための飛散・流出防止措置が義務付けられています。

たとえば、大きなコンクリート片(がれき類)や土砂をダンプで運ぶ場合は、荷台に直接積載したうえで、上から隙間なく防水・防じんシートを被せ、ロープ等でしっかり固定するのが一般的です。

飛散防止措置が不十分だと、走行中の飛散事故につながるだけでなく、行政指導や行政処分の対象にもなりかねません。

容器不要だからといって対策も不要というわけではない点に、十分注意してください。

まとめ

この記事のまとめ

  • 産業廃棄物収集運搬には飛散・流出・悪臭の漏れを防ぐ容器が必要
  • 産業廃棄物収集運搬の容器は廃棄物の性質に適した材質・強度の容器を選ぶ
  • 産業廃棄物収集運搬の容器が不要な場合でも飛散防止措置は必須

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