
石綿含有産業廃棄物を運ぶには、特別な許可が必要なのか悩んでいませんか。これから産廃収集運搬業を始める方だけでなく、すでに許可を持っていて石綿含有産業廃棄物を扱いたい方もいるかもしれません。
石綿含有産業廃棄物は、通常の産廃収集運搬業許可で運べます。ただし、許可証の事業範囲に石綿含有産業廃棄物が含まれている必要があります。
この記事では、石綿含有産業廃棄物を運ぶために必要な許可の要件や運搬基準、必要書類、申請の流れ、無許可運搬の罰則まで解説します。新規申請や事業範囲の変更を検討している方は、参考にしてください。
\専門家が産廃許可を取得できるか5分で診断/
▶産廃業許可ナビ代行の料金・サポート詳細ページに遷移します。
この記事を書いた人
NAGASHIMA行政書士代表。日本行政書士連合会 第20260604号。産廃業に強い行政書士。産廃業の許可に関するメディアサイト「産廃業許可ナビ」を運営しており、産廃業許可の取得率100%。詳しいプロフィールはこちら → [運営者情報]
石綿含有産業廃棄物の収集運搬許可とは?
石綿含有産業廃棄物の収集運搬許可とは、産業廃棄物収集運搬業許可のうち、石綿(アスベスト)を含む産業廃棄物を運ぶことが認められた許可のことです。
別に取得する特別な許可ではなく、許可証に書かれた運べる廃棄物の範囲(事業範囲)に石綿含有産業廃棄物が入っているかどうかで、運べるかどうかが決まります。
石綿を含む廃棄物には、通常の産廃にはない運び方のルールが定められており、ルールを守れる体制が整っていなければ許可を取得できません。
許可証の事業の範囲欄には、石綿含有産業廃棄物を「含む」か「含まない」かが書かれています。「含む」と書かれていれば運べますが、「含まない」と書かれている場合は運べません。
石綿含有産業廃棄物の定義と主な対象物
石綿含有産業廃棄物とは、建物などの新築、改築、解体で出た産業廃棄物のうち、石綿(アスベスト)が重さの0.1%を超えて含まれているもののことです。
法律上の定義には新築も含まれますが、石綿を使った建材は現在使われていないため、実際に出るのは、石綿が使われていた古い建物の解体や改修の現場がほとんどです。
解体現場では、次の品目として出ることが多いといえます。
- がれき類
- ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず
- 廃プラスチック類
飛び散りやすい廃石綿等は、特別管理産業廃棄物という別の区分になり、石綿含有産業廃棄物とは扱いが異なります。間違えないように注意してください。
通常の産廃収集運搬業許可との違い
通常の許可との一番の違いは、運べる廃棄物の範囲です。
許可証に「石綿含有産業廃棄物を含む」と書かれていなければ、通常の産廃収集運搬業許可を持っていても石綿含有産業廃棄物は運べません。
名称はどちらも産業廃棄物収集運搬業許可で、別の名前の許可があるわけではありません。
| 項目 | 通常の許可 | 石綿含有産業廃棄物を含む許可 |
|---|---|---|
| 許可の種類 | 産業廃棄物収集運搬業許可 | 産業廃棄物収集運搬業許可 |
| 許可証の記載 | 石綿含有産業廃棄物を「含まない」 | 石綿含有産業廃棄物を「含む」 |
| 通常の産業廃棄物の運搬 | 許可証に書かれた品目なら運べる | 許可証に書かれた品目なら運べ |
| 石綿含有産業廃棄物の運搬 | 運べない | 運べる |
石綿含有産業廃棄物収集運搬業許可の取得要件
石綿含有産業廃棄物の収集運搬業許可を取得するには、通常の産業廃棄物収集運搬業許可の要件を満たす必要があります。加えて、石綿が飛び散らないように運搬できる設備も必要です。
通常の要件には、欠格要件や経理的基礎、講習会の修了証などがあります。詳しくは、産業廃棄物収集運搬業許可の取得要件をご覧ください。
申請時には、主に次の設備を写真などで提出し、石綿が飛び散らないように運搬できる設備が用意されているかどうかが確認されます。
必要な設備が整っていない場合、許可を受けられません。石綿含有産業廃棄物を運搬するのであれば、申請前に、容器と運搬車を事前に用意しておく必要があります。
石綿含有産業廃棄物収集運搬許可で遵守すべき基準
石綿含有産業廃棄物は、他の廃棄物と分けて、砕いたり切ったりせずに、飛び散りや流れ出しを防ぐ方法で運ばなければなりません。
通常の産廃で求められる車への表示や書類を持ち歩く義務に加えて、石綿には特有の運び方の収集運搬基準が定められています。
具体的には、次のような対応が求められます。
積み込むときに、袋の破れや荷台のシートのすき間がないかを確認しておくと安心です。
また、包み方の細かな決まりは自治体ごとに違うケースもあるため、必ず運搬地域の各自治体の手引きも確認してください。
石綿含有産業廃棄物収集運搬許可における委託契約書とマニフェストの記載ルール
委託契約書とマニフェスト(産業廃棄物管理票)には、石綿含有産業廃棄物が含まれる旨を書く必要があります。運搬業者は、仕事を受ける前に、石綿含有産業廃棄物の記載漏れがないかを確認しておきましょう。
契約書への記載は、廃棄物を出す会社(排出事業者)が廃棄物処理法施行規則第8条の4の2に基づいて行いますが、実際に運ぶのは運搬業者です。
石綿が含まれると知らされないまま引き受けると、飛び散りを防ぐ梱包や運搬車を準備できず、運搬基準に沿って運べません。
例えば、解体工事で出たスレート板の運搬を受ける場合は、まず契約書を確認します。契約書に、石綿含有産業廃棄物が含まれると書かれているかを、契約前に見ておきましょう。
併せて、排出事業者から受け取るマニフェストにも、種類欄にがれき類に加えて石綿含有産業廃棄物が含まれる旨があるか、石綿含有産業廃棄物の数量が書かれているか確認してください。
記載がなければ、運ぶ前に、排出事業者に記載の追加を依頼しましょう。
石綿含有産業廃棄物収集運搬許可の申請の流れ
申請は、事前準備と講習会の受講から始まり、管轄窓口への予約、申請書類の提出、審査を経て、許可証が交付されます。
審査にかかる標準的な期間は自治体によって異なりますが、おおむね60日程度です。
全体の流れは、次のとおりです。
講習会は予約が埋まりやすく、希望の日程で受けられないことが多いため、できるだけ早めに予約しておくのがおすすめです。
因みに、すでに通常の許可を持っている会社が石綿含有産業廃棄物を加えるときは、変更届ではなく、変更許可申請手続きが必要です。
石綿含有産業廃棄物収集運搬許可の申請に必要な書類
石綿含有産業廃棄物収集運搬許可の申請に必要な主な書類は、次のとおりです。
通常の産廃の許可申請と石綿含有産業廃棄物を含む申請では、必要書類がほぼ同じです。
ただし、石綿含有産業廃棄物の場合は、通常の運搬車両や容器の写真に加え、石綿が飛び散らないように対応していることが確認できる、容器や運搬車両の写真の提出も必要です。
自治体によっては、独自の追加書類を求められるケースもあります。
例えば和歌山県では、石綿含有産業廃棄物である汚泥を新規で申請する場合に、予定している運搬先の処分場の許可証の提出が必要です。
そのため、必要書類については管轄する役所の手引きを事前に必ず確認してください。
石綿含有産業廃棄物収集運搬許可を持たない無許可運搬に対する罰則
無許可で石綿含有産業廃棄物を運ぶと、5年以下の懲役か1,000万円以下の罰金、もしくはその両方が科される可能性があります。
通常の産廃許可を持っていても、許可証に石綿含有産業廃棄物が含まれていなければ、無許可運搬として罰則を受ける可能性があるので注意してください。
すでに産廃の許可を持っている会社では、罰則を受けたあとに許可が取り消されるおそれもあります。許可を取り消されると、5年間は新しい許可を取れず、産業廃棄物収集運搬業を続けられなくなってしまいます。
もし、許可証に石綿含有産業廃棄物が含まれていないのであれば、必ず変更許可申請手続きを行ってください。
石綿含有産業廃棄物収集運搬許可の取得は産廃業許可ナビ
石綿含有産業廃棄物の収集運搬許可は、新規申請でも事業範囲の変更でも、産廃許可に詳しい行政書士への依頼がおすすめです。
申請には、書類作成だけでなく、運搬車両や梱包資材が審査基準を満たしているかの確認も必要です。自社で対応すると想像以上に手間がかかり、不備があれば修正によって事業開始が遅れるかもしれません。
産廃業許可ナビでは、新規申請と変更申請のどちらにも対応しています。自社に必要な手続きを確認したうえで安心して手続きを申請を進めたい方は、まずはお気軽にご相談下さい。
\専門家が産廃許可を取得できるか5分で診断/
▶産廃業許可ナビ代行の料金・サポート詳細ページに遷移します。
まとめ
石綿含有産業廃棄物を運ぶには、許可証の事業範囲に含まれていることに加え、飛散を防ぐ設備を用意し、定められた運搬基準を守る必要があります。すでに産廃収集運搬業許可を持っている場合でも、事業範囲に含まれていなければ変更許可申請が必要です。
無許可で運搬すると罰則や許可取消しにつながるおそれがあるため、手続きに迷った段階で行政書士へ相談するのがおすすめです。産廃業許可ナビでは新規申請と変更許可申請のどちらにも対応しているため、石綿含有産業廃棄物の収集運搬を検討している方はご相談下さい。
\大阪・京都・兵庫・滋賀・奈良・和歌山対応/
※受付時間9時~18時(土日祝対応可)
\1分でかんたん入力/
※関西2府4県に対応!24時間受付中!
長島 雄太
NAGASHIMA行政書士事務所