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産業廃棄物収集運搬の再委託とは?条件・手続き・罰則を解説

産業廃棄物の運搬を別の業者に依頼したいけれど、「再委託しても問題ないのか」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

運搬車両の故障などで対応が難しくなった収集運搬業者だけでなく、再委託の相談を受けた排出事業者も、判断に迷うことがあります。

産業廃棄物収集運搬の再委託は原則禁止ですが、排出事業者の事前承諾など、法令で定められた基準を満たせば例外的に認められます。

この記事では、再委託が認められる条件や必要書類、手続き、マニフェストの記載方法、違反した場合の罰則を解説します。

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この記事を書いた人

長島 雄太

NAGASHIMA行政書士事務所

NAGASHIMA行政書士代表。日本行政書士連合会 第20260604号。産廃業に強い行政書士。産廃業の許可に関するメディアサイト「産廃業許可ナビ」を運営しており、産廃業許可の取得率100%。詳しいプロフィールはこちら → [運営者情報]

産業廃棄物収集運搬の再委託とは?

産業廃棄物収集運搬の再委託とは、排出事業者から運搬を引き受けた収集運搬業者が、その業務の全部または一部を別の業者へ委託することです。

例えば、排出事業者がA社に運搬を依頼し、A社が引き受けた運搬をB社へ依頼する場合が再委託に該当します。

再委託は、廃棄物処理法第14条第16項によって原則禁止されています。

再委託が繰り返されると、廃棄物の処理について誰が責任を負うのか不明確になり、不法投棄などの不適正処理につながるおそれがあるためです。

ただし、運搬車両の故障などで他社への依頼が必要になった場合は、法令で定められた基準に従うことで例外的に再委託が認められます。

産業廃棄物収集運搬の再委託が認められる条件

産業廃棄物収集運搬の再委託は、法令で定められた条件を満たす場合に限り認められます。

具体的には、排出事業者から事前に書面で承諾を得ることや、再委託先が適法に運搬できる業者であることなどが必要です。

また、再委託先との書面による契約や、廃棄物を引き渡す際の必要書類の交付なども求められます。排出事業者の承諾があれば、無条件に再委託できるわけではありません。

排出事業者から事前に書面で承諾を得る

産業廃棄物の収集運搬を再委託する場合は、排出事業者から事前に書面で承諾を得る必要があります(廃棄物処理法施行令第6条の12)。

再委託する業者は、再委託先の名称や、再委託が法令上の委託基準を満たしていることを排出事業者に伝えなければなりません。

例えば、A社の運搬車両が故障し、B社へ運搬を依頼する場合は、B社の情報や許可内容などを排出事業者へ提示し、再委託する前に承諾を得ます。

電話や口頭で承諾を得ただけでは、再委託の条件を満たしません。また、再委託した後に書面で承諾を得ても、事前承諾の要件を満たしたことにはならないため注意してください。

再委託先が必要な許可を取得している

再委託先は、原則として、委託する産業廃棄物を収集運搬できる許可を取得している必要があります(廃棄物処理法施行令第6条の2第1号 )。

具体的には、次の4点を確認します。

  • 産業廃棄物の種類: 運搬する廃棄物が許可品目に含まれているか
  • 許可区域: 積込み地と荷降ろし地で必要な許可があるか
  • 積替え保管: 積替え保管を行う場合、許可範囲に含まれているか
  • 有効期限: 許可が失効していないか

例えば、廃プラスチック類を再委託する場合は、再委託先の許可品目に廃プラスチック類が含まれている必要があります。

産業廃棄物収集運搬の再委託の手続きの流れと必要書類

産業廃棄物収集運搬の再委託は、再委託先の許可を確認したうえで、排出事業者の承諾を得てから契約を締結します。

具体的な手続きの流れは、次のとおりです。

流れ

  • 再委託先の許可を確認する
  • 排出事業者から承諾を得る
  • 再委託先と契約を締結する
  • 必要書類を交付する

再委託に必要な書類は承諾書・契約書など

産業廃棄物収集運搬の再委託に必要な主な書類は、次の4つです。

必要書類主な記載事項・内容作成者・交付者受領者
再委託承諾書廃棄物の種類・数量、委託先・再委託先の名称や許可番号、承諾年月日など排出事業者当初の受託者
再委託契約書廃棄物の種類・数量、運搬先、契約期間、料金など当初の受託者と再委託先契約当事者双方
許可証の写し再委託先の許可内容や有効期限再委託先当初の受託者
再委託先への交付文書廃棄物の種類・数量、運搬先など当初の受託者再委託先

再委託承諾書の写しは、排出事業者が承諾した日から5年間保存する必要があります。

また、再委託する収集運搬業者は、再委託契約書と再委託先の許可証の写しなどを、契約終了日から5年間保存しなければなりません。

なお、特別管理産業廃棄物を再委託する場合は、廃棄物の性状や取扱い上の注意事項などを記載した文書による事前通知も必要です。

再委託した場合のマニフェストの記載方法

産業廃棄物の収集運搬を再委託した場合も、マニフェストは排出事業者が交付します。

例えば、建設系マニフェストでは、原則として次のように記載します。

  • 運搬受託者欄: 実際に運搬する再委託先の名称
  • 追加記載事項欄: 当初の受託者の名称

ただし、運搬受託者欄に当初の受託者名が印字されている場合は、追加記載事項欄に再委託先の名称を記載する方法も認められています。

また、運搬終了時には、実際に運搬した業者が必要事項を記入します。

なお、記載方法はマニフェストの様式によって異なるため、使用する様式の記載要領を確認してください。

【注意】産業廃棄物収集運搬の継続的な再委託は原則認められない

産業廃棄物の収集運搬を他社へ継続的に依頼する場合は、排出事業者が実際に運搬する業者と直接契約する必要があります。

再委託は、運搬車両の故障など、やむを得ない事情が生じた場合に例外的に認められるものです。

例えば、A社が車両不足を補うため、毎週B社へ運搬を依頼している場合は、排出事業者とB社が直接委託契約を締結しなければなりません。

排出事業者から書面で承諾を得ていても、継続的な再委託が無条件で認められるわけではないので注意してください。

再委託先から別の業者への再々委託は禁止

再委託を受けた業者が、さらに別の業者へ産業廃棄物の収集運搬を委託する「再々委託」は禁止されています(環境省|廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の一部を改正する法律等の施行について)。

その結果、実際に誰が運搬するのか、廃棄物がどのように扱われるのかを把握しにくくなり、不法投棄などの不適正処理につながるおそれが高まるためです。

例えば、排出事業者がA社に運搬を委託し、A社がB社へ再委託した後、B社がさらにC社へ運搬を依頼するケースが該当します。

複数の業者に運搬を依頼する必要がある場合は、排出事業者が各業者と直接契約する方法で対応してください。

産業廃棄物収集運搬の再委託基準に違反した場合の罰則

産業廃棄物の再委託禁止規定に違反すると、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその両方が科される可能性があります(廃棄物処理法第26条第1号)。

また、法人の代表者や従業員が業務に関して違反した場合は、法人にも300万円以下の罰金が科される可能性があります。

さらに、違反内容によっては、事業停止や産業廃棄物収集運搬業許可の取消しなどの行政処分を受ける場合もあります。

例えば、次のような行為が違反の対象となります。

違反の具体例

  • 排出事業者から事前に書面で承諾を得ずに再委託する
  • 必要な許可を持たない業者へ運搬を再委託する
  • 再委託先と書面で契約せず、口頭だけで運搬を依頼する
  • 元の委託契約の必要事項を記載した文書を交付せずに、廃棄物を引き渡す
  • 再委託を受けた業者が、さらに別の業者へ運搬を再々委託する
  • 特別管理産業廃棄物の性状や取扱い上の注意事項を文書で通知せずに再委託する

再委託する際は、排出事業者の書面による承諾や再委託先の許可を確認し、契約締結や必要書類の交付など、法令で定められた手続きを守ってください。

まとめ

産業廃棄物収集運搬の再委託は原則禁止されていますが、排出事業者の事前承諾など、法令で定められた条件を満たせば例外的に認められます。

再委託する際は、再委託先の許可内容を確認し、契約書の締結や必要書類の交付など、適切な手続きを行う必要があります。

また、再委託の基準に違反すると、罰金や許可取消しなどの対象となる可能性があるため注意してください。

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