
産業廃棄物収集運搬業の許可を受けたあと、役員や車両の変更、取扱品目の追加などが生じると、「変更届」と「変更許可申請」のどちらが必要か迷う方は多いです。
結論を先に言うと、基本情報の変更は「変更届」、許可の事業範囲を広げる場合は「変更許可申請」が必要です。
この記事では、変更届と変更許可申請の違いに加え、対象となる変更内容、提出期限、手数料、罰則までわかりやすく解説します。
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この記事を書いた人
NAGASHIMA行政書士代表。日本行政書士連合会 第20260604号。産廃業に強い行政書士。産廃業の許可に関するメディアサイト「産廃業許可ナビ」を運営しており、産廃業許可の取得率100%。詳しいプロフィールはこちら → [運営者情報]
産業廃棄物収集運搬業の「変更届」と「変更許可申請」の違い
変更届と変更許可申請の違いは、変更する内容が事業の基本情報か、事業範囲かという点です。
産業廃棄物収集運搬業者が役員や所在地、車両などの基本情報を変更する場合は、変更届の対象になります。
一方、許可品目や処分方法などの事業範囲を拡大する場合は、変更許可申請が必要です。
| 項目 | 変更届 | 変更許可申請 |
|---|---|---|
| 変更の内容 | 許可の基本情報 | 許可の事業範囲 |
| 手続きのタイミング | 変更後10日以内 | 変更前に申請 |
| 手数料 | 無料 | 71,000円 |
変更届や変更許可申請が必要なケースで手続きをしないと罰則の対象になるおそれがあります。
変更内容を確認し、変更届と変更許可申請のどちらの手続きが必要かを正しく判断してください。
「変更届」が必要なケースと・提出期限・罰則
「変更届」は、許可を受けている業務の内容は変わらず、役員や車両などの基本情報に変更があった場合に提出する手続きです。
変更が生じたあと、決められた期限内に届出を行う必要があります。
変更届の対象となる変更内容
変更届が必要になるのは、産業廃棄物収集運搬業の許可を受けたあとに、会社情報や施設などに変更があった場合です。
主な変更内容は、以下のとおりです(廃棄物処理法施行規則第10条の10)。
- 氏名または法人名
- 法定代理人
- 役員
- 5%以上の株式を持つ株主や出資者
- 政令で定める使用人
- 事務所や事業場の所在地
- 運搬車両など事業に使用する施設
- 積替え・保管場所の所在地や面積
- 積替え・保管する産業廃棄物の種類
- 積替え・保管場所の保管上限など
- 管轄区域内での積替え許可の有無
たとえば、役員が交代した場合や、運搬車両を入れ替えた場合などは変更届の対象になります。
変更届の手続きは変更後10日以内
変更届は、変更が生じた日から原則10日以内に、許可を受けた都道府県又は政令市などの担当窓口へ提出する必要があります。
ただし、法人で登記事項証明書の添付が必要な変更については、変更後30日以内が期限です。主に、以下のような変更が該当します。
- 法人名を変更した場合
- 代表取締役や取締役などの役員を変更した場合
- 法人である株主や出資者の変更により、登記事項証明書の添付が必要になる場合
登記事項証明書が必要な場合は、取得までに1~2週間程度かかるため、余裕をもって手続きを進めましょう。
変更届の提出に手数料はかかりません。
また、複数の自治体で許可を受けている場合は、すべての自治体に届出を行う必要がある点は注意が必要です。
未提出や遅延は届出義務違反で罰則の対象
変更届が必要な変更があったにもかかわらず、変更届を提出しなかった場合は、30万円以下の罰金が科される可能性があります(廃棄物処理法第30条第2号)。
ただし、提出期限を過ぎたからといって、すぐに罰金が科されるわけではありません。期限を過ぎた場合でも、自治体によっては遅延理由書などを添えて提出することで、変更届を受理してもらえるケースが多いです。
変更届を出していないことに気づいたら、そのまま放置せず、許可を受けた自治体の担当窓口に相談してください。
「変更許可申請」が必要なケースと提出期限・罰則
「変更許可申請」は、役員や車両などの基本情報ではなく、許可の事業範囲を広げる場合に行う手続きです。
事業範囲を変更する前に、あらかじめ申請して許可を受ける必要があります。
変更許可申請の対象となる変更内容
変更許可申請が必要になるのは、産業廃棄物収集運搬業の許可を受けたあとに、許可の事業範囲を広げる場合です。
主な変更内容は、以下のとおりです(廃棄物処理法第14条の2第1項)。
- 取り扱う産業廃棄物の種類を追加する
- 「石綿含有産業廃棄物を除く」から「含む」へ変更する
- 「水銀使用製品産業廃棄物を除く」から「含む」へ変更する
- 「水銀含有ばいじん等を除く」から「含む」へ変更する
- 積替え・保管を含まない許可から、積替え・保管を含む許可へ変更する
たとえば、廃プラスチック類のみを取り扱っていた業者が、新たに金属くずも運搬する場合などは変更許可申請の対象になります。
なお、取り扱う品目を減らすなど、事業の一部を廃止する場合は変更許可申請ではなく、事業の一部を廃止した旨の届出が必要です。
変更許可申請の手続きは変更前が必須
変更許可申請は、変更後の内容で事業を行う前に申請し、あらかじめ許可を受ける必要があります。変更後の事後報告では認められません。
審査手数料は、収集運搬業の場合1件71,000円で、審査期間は約60日程度が目安です。
また、複数の自治体で許可を受けている場合は、自治体ごとに申請が必要です。手数料も自治体ごとに発生します。
事前の許可がないと無許可変更で罰則の対象
変更許可を受けずに許可の事業範囲を変更し、産業廃棄物の収集・運搬を行った場合は、無許可変更として罰則の対象になります(廃棄物処理法第25条第1項第3号)。
違反した場合には、5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方が科される可能性があるため注意してください。
たとえば、許可を受けずに取り扱う産業廃棄物の種類を追加した場合や、積替え・保管を含まない許可のまま積替え・保管を行った場合などが該当します。
複数自治体への煩雑な手続きは産廃業許可ナビへ
複数の自治体にまたがる変更手続きや、自社で判断するのが難しい場合は、産廃業許可ナビへ相談するのがおすすめです。
変更手続きは、許可を受けている都道府県などに対して、それぞれ期限内に行う必要があります。複数の自治体で許可を受けている場合には、必要書類の確認や窓口対応、申請手続は想像以上に時間と手間がかかります。
産廃業許可ナビでは、専門の行政書士が産業廃棄物収集運搬業の変更届や変更許可申請をサポートします。複数自治体への手続きにも対応しており、自治体ごとに異なる必要書類やローカルルールの確認、平日日中の窓口対応まで全て任せられます。
無料相談に対応しており、変更手続きにかかる負担を減らしたい場合は、産廃業許可ナビへ相談してみてください。
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まとめ
産業廃棄物収集運搬業では、役員や車両などの基本情報を変更する場合は変更届、許可の事業範囲を広げる場合は変更許可申請が必要です。手続きの種類によって提出時期や手数料、罰則も異なるため、必要な手続きを正しく判断しなければなりません。
特に複数自治体で許可を受けている場合は、自治体ごとに手続きが必要となり、確認や準備にも手間がかかります。手続き漏れや期限遅れを防ぐためにも、判断に迷った段階ではやめに行政書士へ相談しておくと安心です。
変更届や変更許可申請で迷っている方は、産廃業許可ナビにご相談ください。
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長島 雄太
NAGASHIMA行政書士事務所