古物商の疑問

【2025年最新版】メルカリ規約変更で個人の事業者はどうなる?

2025年9月27日

メルカリの規約変更で何が変わるの?

個人の事業者は今後メルカリは使えなくなるの?

2025年9月22日にメルカリの利用規約が改訂され、2025年10月22日(水)からメルカリの個人アカウントを事業者が使えなくなります。

そのため、メルカリで転売やせどりなどの物販ビジネスをしている個人の方は、今後、メルカリShopsに移行しなければなりません。

しかし、実際にどんな場合に事業として見なされるのかや、どんな取引ができないのか分からないという方も多いです。

そこで、この記事ではメルカリの利用規約の改定内容や、個人で事業している人は今後どうすれば良いのか、メルカリShopsに移行する上での注意点をわかりやすく解説します。

この記事を書いた人

長島 雄太

NAGASHIMA行政書士事務所

NAGASHIMA行政書士代表。古物商専門の行政書士。古物商の許可に関するメディアサイト「古物商許可ナビ」を運営しており、古物商の許可取得実績500件以上。古物商許可の取得率100%。詳しいプロフィールはこちら → [運営者情報]

規定変更で事業者の個人アカウント利用が明確に禁止に

2025年9月22日にメルカリの利用規約が改定され、今まではグレーゾーンとされてきた「事業者」による個人アカウントの利用が明確に禁止されました。

規約改定の内容は以下の通りです。

2025年10月22日(水)付で、メルカリ利用規約を以下のとおり改定いたします。

改定日以降にメルカリをご利用いただいた場合、利用規約の変更にご同意いただいたものとみなします。

■改定する利用規約
https://static.jp.mercari.com/tos

■改定事項
メルカリ利用規約:第 4 条 ユーザー登録及びアカウント情報

■改定内容の内容
3.事業者による登録の禁止(新設)
弊社が指定した法人以外の事業者はユーザー登録及び本サービスの利用はできないものとします。当該事業者はメルカリShops加盟店規約へ同意の上、メルカリShopsの登録の申し込みを行ってください。
※以下、項番号を繰り下げ

今後とも、メルカリをよろしくお願いいたします。
引用:メルカリ利用規約改定のお知らせ

つまり、これまでは不用品販売の範囲を超えて、せどりや転売などを個人アカウントで取引していた事業者は今後は規制の対象となります。

そもそもメルカリは、せどりや転売があまりにも多すぎて忘れられがちですが、個人間の取引を目的としたフリーマーケットアプリです。

本来は事業(ビジネス)をする場所ではありません。

その点が今回の規約変更で改めて明確化され、以下のようなケースでは個人アカウントでの販売が禁止されたというわけです。

今後個人アカウントで規制される取引

  • 新品や中古品の転売
  • 新品や中古品せどり
  • ハンドメイド作品の継続的な販売
  • 輸入商品の販売
  • オリジナル商品やOEM商品の販売

要するに、本業か副業かにかかわらず、事業(ビジネス)であればメルカリの個人アカウントは使えないということです。

一方で、以下のような本来のフリマアプリとしての用途であれば引き続き個人アカウントでの取引が利用可能です。

個人アカウントでも可能な取引

  • 着なくなった服を売る
  • 使わなくなったカバンを売る
  • 読まなくなった本を売る
  • 家の不用品を売る

不用品を売っていることにすればいいのでは?

自分の不要品を売る場合には個人アカウントを継続して使えるなら・・・

「自分の持ち物を不用品として出品しているだけ」と言えば、個人アカウントを使い続けられるのでは?

と思う方もいるかもしれません。

ですが、実際にはそう単純ではありません。

なぜなら、事業かどうかは本人の主観ではなく実際の取引内容が重視される可能性が高いからです。

たとえば、次のような場合には、「不用品を売っている」と主張しても、第三者からは事業と受け取られてしまうかもしれません。

事業と見なされる可能性が高いケース

  • 同じ商品や型番を複数点まとめて出品している
  • 同じ商品を何度も出品している
  • 短い期間に大量出品している
  • 大量の在庫を抱えて販売している
  • 高頻度で商品を販売し続けている
  • サイズ違い・色違いなど豊富な種類を販売している
  • アカウント名がお店の名前(屋号)

実際、インターネット・オークションにおける「販売業者」に係るガイドラインでも、以下のような場合には、たとえ販売者は自分の不要品を出品していると主張しても、販売業者に該当すると考えられています。

販売業者に該当するとされる例

  • 過去1ヶ月で200点以上、または一時に100点以上を出品
  • 過去1ヶ月の落札総額が100万円以上
  • 過去1年間の落札総額が1,000万円以上
  • 自動車・二輪車の部品等を一時点で3点以上出品
  • CD・DVD・パソコンソフト等を一時点で同一商品を3点以上出品
  • ブランド品、インクカートリッジ、健康食品、チケット類を一時点で20点以上出品

そのため、「不用品扱いにすれば大丈夫」という逃げ道は通用しない、という前提で考えておくのが安全です。

事業者とは?事業者かどうかの判断基準

ただ、今回の規約変更で気になるのが、「そもそも事業者とは?どこからが事業者?」という点ではないでしょうか。

事業者とは、事業(ビジネス)を行う人のことで、本業か、副業かは関係ありません。

ただ、明確な定義がなければ、自分の取引が事業に該当するかどうか判断できず、不安になる方も多いと思います。

メルカリの規約にも「月○万円以上は事業者」といった数値的なルールが書かれているわけではありません。

そこで参考になるのが、先ほども紹介したインターネット・オークションにおける「販売業者」に係るガイドライン」です。

このガイドラインは、消費者庁が消費者トラブルを防ぐための具体的な指針や基準を示したもので、事業者を以下のように定義しています。

営利の意思を持って反復継続して販売を行う場合は、法人・個人を問わず事業者に該当

引用:インターネット・オークションにおける「販売業者」に係るガイドライン

営利の意思とはお金などの金銭を稼ぐ目的のことで、反復継続とは何回も繰り返し一定期間取引を行うことです。

つまり、事業かどうかの判断基準はお金を稼ぐ目的で継続的に商品を売り買いしているかどうかです。

なお、古物営業法においても、中古品の販売を「営業(事業)」とみなすかどうかは、この営利目的と反復継続の意思があるかどうかで判断されます(裁判例|古物営業法違反)。

そのため、ガイドラインだけでなく、一般的にも「営利目的で繰り返し継続して行うかどうか」が事業性を判断する基準とされているといえます。

メルカリの規約違反をした場合の5つのペナルティー

もしメルカリで「事業」とみなされる取引を個人アカウントで続けてしまった場合、利用規約に違反したと判断され、アカウントに対してペナルティが科される可能性があります。

ペナルティーの内容は違反の程度によって異なりますが、メルカリの代表的なペナルティーは以下の5つです。

ペナルティー説明
警告出品や検索のときに「この出品は規約違反の可能性があります」といった警告メッセージが表示されます。
出品の一時停止・削除規約に違反していると判断された商品は、一時的に停止されたり、強制的に削除されたりします。
段階的な利用停止違反の内容に応じて、数日間アカウントの一部または全部の機能が使えなくなります。
無制限の利用停止重大な違反や繰り返しの違反があった場合、アカウントが永久に利用できなくなります。
強制退会通常の無期限利用停止より厳しく、その後は新しいアカウントを作り直すこともできません。

このように、軽い違反から始まっても繰り返せば厳しい処分へと進み、最終的には二度とメルカリを使えなくなるリスクがあります。

そのため、メルカリの規約をしっかりと守って取引するようにしましょう。

メルカリで物販を続けるならメルカリShopsに移行

今回の規約変更でも「当該事業者はメルカリShops加盟店規約へ同意の上、メルカリShopsの登録の申し込みを行ってください。」と明記されています。

つまり、個人アカウントで物販を続けることはできず、事業として販売を行う場合は必ずメルカリShopsへ移行する必要があります。

メルカリShopsは事業者向けに提供されているサービスで、在庫管理やSNS連携、スタッフアカウントの追加といった機能があり、個人アカウントにはない便利な機能も整っています。

そのめ、これまで個人アカウントでせどりや転売を行っていた方は、メルカリshopsを登録して移行することで規約違反を避け、安心して物販ビジネスを続けることができます。

メルカリShopsは事業実績がないと申込できない

メルカリの個人アカウントは誰でも簡単に作れますが、メルカリShopsは誰でもすぐに始められるわけではなく、開設には審査があります。

そして、事業の実態が不明確だったり、販売禁止商品を扱おうとしていたりすると、審査に落ちてショップを開設できません。

特に個人事業主で申し込む場合には、「過去2年以内の所得税青色申告決算書」や「他販路での販売実績」の提出が必須とされており、それらの提出ができない場合には申込できません。

実際、メルカリに以下の2点について問い合わせをしたところ、次のような回答がありました。

事業実績がまだない新規の事業者でも、メルカリShopsの申込ができる方法はありますか?
もし申込が可能な場合、実績書類の代わりに提出できる書類があれば具体的に教えてください。
(例:税務署に提出した「開業届」の控えや、警察署で取得した「古物商許可証」などで代替できるかどうか)

個人事業主の場合、青色申告の事業者さまのみ、お申し込みいただけます。
個人事業主の方は、お申し込みの際、以下2点の書類をご提出ください。

《ご提出いただく書類 2点》
・過去2年以内の所得税青色申告決算書
・確定申告書の税務署への提出を証明できるスクリーンショット

恐れ入りますが、上記書類のご用意ができない期間(開業前・開業初年度の決算前)はお申し込みいただけません。
なお、白色申告の事業者さまをはじめ、青色申告お事業者さまであっても、以下の書類ではお申し込みいただけません。

《受付できない書類の例》
・開業届
・確定申告書
・確定申告書の控え
・所得税青色申告承認申請書

お申し込み時にご用意いただくものなど、ご不明な点がございましたら、まずは以下のガイドをご参照いただけますと幸いです。

・ショップ開設に必要な情報や準備するもの
https://support.mercari-shops.com/hc/ja/articles/900005383446

つまり、メルカリShopsは実際に物販事業を行ってきて、青色申告で決算を出している人しか申込できないというわけです。

【ケース別】メルカリShopsへの移行の流れ

メルカリShopsへの移行を考えたとき、どのような手順で進めればよいのかわからないという方も多いです。

そこで、ここではメルカリShopsに移行す流れを簡単に解説します。

移行の流れは、販売する商品が「新品のみ」なのか「中古品を含む」のかによって若干異なります。

ケース1:新品のみを販売する場合

ハンドメイドや仕入れた新品だけを売るなら、移行手続きは簡単です。

アプリからShops開設を申込み、事業者区分・氏名住所・連絡先・書類の提出・振込口座を入力し、本人確認を完了します。

審査通過後、ショップ名やロゴ、送料・発送方法、返品方針を設定し、商品登録で販売開始できます。

ただし、新品の場合でも以下の商品を取扱う場合には、その商品を販売するための許可を取得しなければならない点は注意が必要です。

新品でも許可がないと売れない商品

  • 食品
  • お酒
  • 美容・医療機器
  • 衛生日用品・医薬部外品
  • 化粧品・化粧小物

ケース2:中古品を販売する場合

 一方、メルカリShopsで中古品を売るなら、まず警察署で古物商許可を取得する必要があります。

古物商とは、中古品を事業として販売する人のことで、中古品販売事業をするには古物商許可が必要です。

そして、古物商許可を取得したら、メルカリアプリからメルカリShopsの登録を行います。

その際に、許可番号と許可証画像を提出します。

その後、メルカリShopsの審査が通った後は、メルカリShopsのURLを警察署へ届出する必要があります。

なぜなら、古物営業法では、インターネット上で中古品を販売する場合には、利用するサイトのURLを警察署に届け出ることが義務付けられているからです。(古物営業法第10条3項)

今まで古物商許可なしで中古品を販売していた場合は注意

今まで古物商許可を取らずに中古品を仕入れて販売していた方は注意が必要です。

なぜなら、無許可で中古品を事業として販売する行為は、メルカリ規約の変更にかかわらず、古物営業法違反にあたり、法律で厳しく罰せられる可能性があるからです。

具体的には、「3年以下の懲役」』または「100万円以下の罰金」、あるいはその両方が科されることもあります(古物営業法31条1項)。

特にメルカリでは、個人アカウントを使って無許可で中古品販売を続けていた人も少なくありません。

ところが今回の規約変更によって、無許可でメルカリ上で中古品販売を続けることは実質できなくなったといえます。

そのため、今後メルカリで中古品せどりや中古品転売を行う場合には、必ず古物商許可を取得したうえでメルカリShopsを利用するようにしましょう。

無許可営業していても今から古物商許可の取得は可能

無許可営業してたけど古物商許可は今からでも取れるの・・・?

と不安に思っている方も多いと思います。

ただ、結論を先にいうと、すでに古物商許可を取らずに中古品販売を始めてしまった方でも、今から許可を申請することは可能です。

「無許可営業が発覚したら逮捕されるのでは?」と心配になるかと思いますが、古物商を後から申請の記事でも解説している通り、多くのケースでは後から申請したとしても処分を受けることはほぼありません。

ただし、長期間にわたり大量に取引していた場合には、悪質と判断されて注意や指導を受ける可能性もあります。

とわいえ、無許可で中古品販売事業を続けて罰則や逮捕されることを考えると、今からでも古物商許可を取得した方が良いのは間違いないです。

古物商許可の取得が不安な方は行政書士に相談

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既に古物商許可を持っている人も変更手続きが必要

すでに古物商許可を持っている方でも、メルカリShopsで中古品の販売を始める場合には「古物商の変更届出」を提出する必要があります。

なぜなら、古物営業法では、インターネット上で中古品を販売する際に利用するサイトのURLを警察署に届け出ることが義務付けられているからです。(古物営業法第10条3項)

つまり、新たにメルカリShopsで中古品を販売するのであれば、そのショップURLを追加で届出しなければいけないというわけです。

たとえば、古物商許可を持っていたけど、これまでメルカリの個人アカウントのURLを登録していなかった人はもちろん。

すでに個人アカウントのメルカリURLを登録していた場合でも、個人アカウントとURLが異なるため、メルカリShopsへ移行する際には新たに変更届が必要となります。

そして、もしこの手続きを怠ったまま中古品販売を始めてしまうと、古物営業法違反として20万円以下の罰金に処される可能性があります。(古物営業法第34条2項)

古物商許可の取得・変更は古物商許可ナビ代行

ここまで解説してきた通り、メルカリの規約改定によって「古物商許可の取得」や「URLの変更届」は避けて通れません。

もし手続きを怠れば、知らないうちに規約違反や古物営業法違反となり、最悪の場合は罰則を受けるリスクすらあります。

実際、「自分は大丈夫だろう」と思って後回しにした結果、警察から指導を受けてしまったというケースも少なくありません。

とはいえ、古物商許可の申請や変更は書類が多く、専門用語も多いため、慣れていない方にとっては大きな負担です。

特に、URLの届出などは複雑で、自分でやろうとして申請が止まってしまう人も多いのが実情です。

そこでおすすめなのが「古物商許可ナビ代行」です。

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メルカリの規約変更に関するよくある質問

個人アカウントとメルカリShopsで同じ電話番号を登録すると複垢と見なされますか?

いいえ、複垢とは見なされません。なぜなら、メルカリShopsでショップを開設する際のアカウントとフリマアプリ「メルカリ」用の個人アカウントは別と見なされるからです(メルカリ公式|メルカリShopsのアカウントはメルカリとは別になるの?)。

ハンドメイド商品の出品者も事業者の扱いになりますか?

はい、継続的に収益目的でハンドメイド商品を販売しているのであれば事業者としての扱いになります。

メルカリの利用規約が改訂されましたが、個人で利用する人については関係ありませんか?

はい、これまで不用品や使わなくなったモノをメルカリで販売していた個人の方には今回の規約改定は関係ありません。一方、個人でも事業(本業だけでなく、副業やお小遣い稼ぎも含む)としてメルカリで売買している人は規制の対象となります。

売上が少ない場合には事業者扱いになりませんか?

いいえ、「月○万円以上は事業者」「年間〇万円以上は事業者」など、売上金額で事業者かどうかが判断されるわけではありません。あくまでも、売上が少なくても事業としてやっているのであれば事業者扱いになります。

今年からメルカリで副業を始めたのですが、青色申告がないのでメルカリShopsは申請できませんか?

はい、残念ながら開業初年度の決算前で、青色申告をしていない方は申込できません。現状では別の書類(開業届、古物商許可証)を提出して申し込みが例外的に認められるという対応もないようです。

自分の物をメルカリで売る場合でも古物商の許可は必要ですか?

いいえ、古物商許可はあくまでも中古品を事業として販売する場合に必要となる許可です。そのため、自分の不要になったモノを販売する場合、仮に中古品でも古物商の許可は不要です。詳しくは自分のものを売るだけでも古物商許可は必要?をご確認ください。

まとめ

この記事のまとめ

  • 2025年9月22日にメルカリの利用規約改定があった
  • 今後は事業者は個人アカウントで取引できない
  • 事業者がメルカリで取引するにはメルカリShopsへの移行が必要
  • メルカリShopsは一定の事業実績がないと申込できない
  • メルカリShopsで中古品を販売する場合には古物商許可が必要