

賃貸で古物層を申請する時に使用承諾書は必要?
古物商の使用承諾書を断られたけど、何か対処法はある?

古物商を賃貸物件で申請する場合、基本的には使用承諾書は不要です。
ただし、例外的に警察署によって使用承諾書の添付を求められるケースがあります。
しかも、多くの賃貸物件では残念ながら、ほとんどの場合で使用承諾書は断られてしまします。
その理由は、使用承諾書にサインをすることで大家さんや管理会社にリスクが生じるからです。
ただし、1度、使用承諾書を断られてしまったとしても、古物商を取得する方法も実はあります。
そこで、この記事では、古物商の使用承諾書を断られてしまった場合に、どのような対処法があるのかについて、これまでに600件以上の古物商を取得してきた古物商専門の行政書士が解説します。
この記事を書いた人
原則として古物商の申請に使用承諾書はいらない

まず大前提として、古物商許可の申請において「使用承諾書」は原則いらないです。
というのも、使用承諾書は法律で提出が義務づけられた「法定書類」ではないからです。
古物商の申請に必要な書類には、法律で定められた「法定書類」と、そうでない「任意書類」があります。
許可を取得するためには、当然ながら法定書類はすべて提出する必要があります。
たとえば、古物営業法施行規則の第1条の3では、申請時に添付すべき書類が明記されています。
この中に「使用承諾書」は含まれていません。
つまり、原則として使用承諾書がなくても古物商許可は取得可能できるというわけです。
使用承諾書を取得した方がいいのは確か
ただ、使用承諾書がなくても古物商の許可は取得できますが、古物商許可の申請をする際に、大家さんや管理会社から使用承諾書を取得しておいた方が良いのは確かです。
なぜなら、マンションやアパートなどの賃貸物件の場合、古物営業を行う事は契約違反に該当するケースが多いからです。
たとえば、賃貸契約書には「使用目的:住居用」と記載されていることがほとんどです。
このような場合、古物商許可を取得して事業を行うことは、「住居用」という契約内容に反する行為、つまり契約違反にあたります。
そのため、警察署に提出しなくても使用承諾書を事前に取得しておくことで、こうした契約上のトラブルを未然に防ぐことができるというわけです。
警察署によっては使用承諾書を強く求められるケースもある

警察署ではこうした、取得後のトラブルを未然に防ぐ為、地域によっては使用承諾書の提出を強く求めるケースもあります。
というのも、古物商の古物商許可申請は、主たる営業所を管轄する警察署に申請するのですが、その警察署ごとに独自ルール(ローカルルール)が設けられていることも珍しくないからです。
実際に、古物商の必要書類に法定書類以外の書類が記載されている警察署HPもあります。
記載されていなくても求められるケースも
上記で紹介した都道府県以外では、県警のHPの必要書類の欄に使用承諾書の記載はありません。
ただし、警察署のHPに記載がないからと言って、それ以外の全ての警察署では使用承諾書を求められないというわけではありません。
実際には、管轄の警察署によって求められるケースと求められないケースがあります。
たとえば、大阪府や茨城県などでは県警HPの必要書類に使用承諾書の記載はありませんが、警察署によっては使用承諾書を求められることがあります。
そのため、古物商の申請をする前に事前に、管轄の警察署に使用承諾書が必要かどうかを確認することをおすすめします。
古物商の使用承諾書を断られた時の4つの対処法

古物商許可の申請で使用承諾書を断られてしまった場合の主な対処法は以下の4つです。
再度交渉する
賃貸物件で使用承諾書を断られる最大の理由は、周りの住民に迷惑が掛かったりトラブルになる可能性があるから。
また、古物商で取得したいと言われても、どんなビジネスなのかもわからないため、取りあえず断っておいた方が無難という感じで断っているケースも多いです。
そのため、交渉の仕方次第では、使用承諾書を書いてもらえる可能性はあります。
実際、依頼者様の中には弊所のアドバイスに従って再交渉したら、使用承諾書をもらえたというケースもあります。
では、どのように再交渉すればいいかというと具体的には以下のポイントを説明してお願いします。
上記のような内容をしっかりと説明できれば、一度断られたケースでも、使用承諾書を記載してもらえるケースはあります。
ただし、もちろん、それでも再度断られるケースも多いです。
レンタルオフィスを活用する
使用承諾書を断られてしまった場合の、一番現実的な対処法がレンタルオフィスを活用する対処法です。
古物商許可はバーチャルオフィスを営業所とすることはできませんが、レンタルオフィスについては営業所とできるケースもあります。
しかも、レンタルオフィスであれば、場所によっては3万円以下で借りることもできるので、一般的な店舗や事務所よりかなり安く借りることが可能です。
ただし、レンタルオフィスに種類によっては古物商の許可が取得できないケースもあるので注意が必要です。
詳しくは「バーチャルオフィスやレンタルオフィスで古物商は取れない?」の記事をご確認ください。
実家を活用する
どれだけ安いと言ってもレンタルオフィスを借りる場合、月に最低でも2~3万円程度の家賃が掛かります。
そのため、できるだけ費用を抑えて古物商を取得したい場合には、実家を営業所として申請することも可能です。
ただし、注意点としては実家の住所だけを借りて古物商許可を取得することはできず、あくまでも営業所としての実態が実家になければなりません。
たとえば、本当は家で中古品の売買をするにも関わらず、実家を営業所として申請することはできません。
このように、実際とは違う内容で古物商を申請した場合、不正取得(古物営業法第31条2項)で3年以下の懲役又は100万円以下の罰金や、虚偽申請(古物営業法第34条1項)で20万円以下の罰金が科されてしまう可能性があるので絶対に辞めましょう。
また、自宅と実家の距離があまりにも離れている場合には、営業所として認められないケースもあります。
行政書士を活用する
使用承諾書を断られてしまった場合の最終手段は、古物商の専門家である行政書士を活用することです。
古物商許可は地域や申請者の状況によって、最善策が異なります。
そのため、古物商専門の行政書士に相談することで、あなたに最適な解決策を見つけてくれる可能性があります。
実際に弊所へも、使用承諾書を断られて古物商の取得ができないと悩んでいた方からたくさんご相談を頂き、実際にその方たちの古物商許可取得をサポートしてきました。
次では、実際に弊所がサポートさせて頂いたご依頼者様の実例をご紹介します。
使用承諾書を断られたけど古物商許可を取得できた事例

古物商許可ナビを運営するNAGASHIMA行政書士事務所では、これまでに全国の古物商許可申請を600件以上行ってきました。
そして、中にはマンションやアパートの大家さんから使用承諾書を断られてしまし、どうしたらいいか分からないと相談頂いたケースも多いです。
そんな、数あるご相談の中から、実際に古物商の許可を取得できたケースをご紹介します。
レンタルオフィスを借りて取得したケース
依頼者様の状況を伺ったところ、自宅の近くに実家などはなく、また、できるだけトラブルのリスクを避けたいとのご要望でした。
そのため、自宅近くで安く借りられるレンタルオフィスでの取得を提案。
どのようなレンタルオフィスなら古物商の許可が取得できるかなど、実際の物件情報を弊所が確認し、レンタルオフィスを契約。
無事に、そのレンタルオフィスで古物商の許可を取得することができました。
近くの実家で取得できたケース
これから副業で転売ビジネスをはじめるため、できるだけ費用を掛けずに古物商許可を取得したいとのご要望でした。
依頼者様の状況を伺うと、自宅の近くに両親の持ち家である一軒家があり、しかも、その一室が空いているとの事で、実家を営業所として申請することを提案。
実家で申請する際の注意点を事前に依頼者様に説明した上で申請し、無事に実家で古物商の許可を取得することができました。
賃貸マンションでそのまま取得したケース
賃貸マンションに住んでおり、レンタルオフィスも検討しているが、賃貸マンションで取る方法はないかとご相談を頂きました。
ご依頼者様の状況を色々お伺いした上で、自宅の賃貸マンションで取得できるなら取得したいとのご要望。
まずは、弊所が管轄の警察署に連絡し、説明及び交渉を行った結果、何とか使用承諾書なしでも申請できるように調整することができました。
その後、申請書と合わせて弊所が使用承諾書に代わる書類を作成し、無事に賃貸マンションで古物商を取得することができました。
依頼者様は月3~5万円程度のレンタルオフィスの賃料を覚悟していたとの事で、その費用が浮いてたとかなり喜んで頂けました。

自分の場合はどの対処法がいいんだろう…
警察署とのやり取りもしてくれるなら任せたいかも…

という方は、ぜひ、古物商許可ナビ代行にご相談下さい。
古物商許可ナビ代行では、賃貸物件で使用承諾書が断られたケースでも無事に古物商許可を取得できています。
\まずはお気軽にご相談下さい/
▶古物商許可ナビ代行の料金・サポート詳細ページに遷移します。
まとめ
この記事のまとめ
- 古物商許可の申請に使用承諾書が必ず必要というわけではない
- 再交渉する場合は相手の不安やリスクを取り除く
- トラブルを回避したい場合はレンタルオフィスがおすすめ
- 近くに一軒家の実家があれば実家を営業所にすることも
- 最終手段として専門家に相談してみるのも
長島 雄太
NAGASHIMA行政書士事務所