【記載例あり】古物商の変更届で提出する遅延理由書の書き方

こんな不安や疑問があってこの記事にたどり着いたのだと思います。

安心してください。

遅延理由書の作成自体は、実はそれほど難しいものではありません。

実際、この記事でも理由書の記載例や書式のテンプレートも紹介しているので、最後まで読めば自分で作成できると思います。

ただ、本当に注意が必要なのは「変更届」の方なんです。

なぜなら、古物商の変更届は一見簡単そうに見えて、実は細かいルール多く複雑で、間違った手続きをすると後々トラブルになることもあるからです。

この記事では遅延理由書とは何かや、どう書けばいいのか、変更届のよくある間違いについて分かりやすく解説します。

 

古物商の変更届で求められる遅延理由書とは？

遅延理由書とは、わかりやすくいうと「古物商の変更届を期限内に提出できなかった理由を警察署に説明するための書類」のことです。

期限内に変更届を提出する場合には不要ですが、期限を過ぎて提出する場合に警察署から求められることがよくあります。

なぜ遅延理由書の提出が必要なのか？

遅延理由書が求められる理由は、期限が過ぎている変更届を例外的に受理してもらうためです。

古物商の許可を受けた人は、届出の内容に変更があった場合、期限内に警察署に変更届を提出しなければならないと法律で定められています。(古物営業法第7条)

そして、もし、変更期限内に届出を提出しなかった場合、古物商の法律違反となり10万円以下の罰金や、許可を取り消されてしまう可能性があるます。(古物営業法第35条)

つまり、本来であれば期限を過ぎたら法律違反に該当するので、変更届を受理してもらう事ができません。

しかし、変更届の提出期限は早いものだと変更の日から3日前まで、遅いものでも変更の日から14日以内と決して届出期限は長くはありません。

中には、色々な理由で期限内に変更届を提出できないという方もいるでしょう。

そのような人のために、期限を過ぎた過ぎた場合でも、遅れた理由を説明することを条件として例外的に変更届を受理してくれるわけです。

遅延理由書があれば罰則は受けない？

わざと変更届を提出していなかったような悪質な場合を除き、基本的には遅延理由書を提出すれば罰則を受けることなく変更できるのが一般的です。

ただ、遅延理由書で変更届を受理してもらえるのはあくまでも例外的措置です。

何度も何度も変更届の期限を過ぎて提出する場合には、そもそも古物商の義務を守る意思がないと判断され、遅延理由書を添付しても受け付けて貰えず、罰則を受ける可能性もあります。

そのため、遅延理由書を提出すれば変更届が遅れても大丈夫と安易に考えず、まずは変更届の期限を守るように努めて下さい。

変更届の提出が遅れた場合の流れ

もし、変更届を提出する期限が過ぎてしまっている場合、先に遅延理由書を作成するのではなく、まずは、警察署に相談して下さい。

具体的には

「古物商の変更届出の提出期限が過ぎてしまっているのですが、遅延理由書を作成して併わせて提出した方がよろしいでしょうか？」

と確認すると良いです。

すると、警察署によっては「遅延理由書はいらないのですぐに変更届を提出してください」や「遅延理由書を作成して一緒に提出してください」といったように指示をもらえるので、その指示に従いましょう。

因みに、警察署に変更届の期限を過ぎていることを伝えると、「いつ変更があったの？」などと変更時期を確認されるケースも少なくないので、事前に変更した日にち等をメモしておくと良いです。

変更届の提出が遅れたら警察に怒られる？

管轄の警察署や担当者によっても個人差はありますが、警察署から怒られることも少なくありません。

というのも、期限内に変更届を提出することは法律で定められた義務であり、それを守らなくても、注意すらされないのであれば誰も守らなくなるからです。

実際、依頼者様の中にも「変更届が遅れて怒られた…」「怒られはしなかったけど高圧的な口調で厳しく注意された…」という方は多いです。

ただ、警察に怒られるのが嫌だからという理由で、そのまま変更届の提出を放置するのは絶対にやめましょう。

なぜなら、放置すると警察から怒られるだけでは済まず、罰則や許可の取消になってしまう可能性もあるからです。

なので、もし、そういった心配がある場合には行政書士に相談するのもアリです。

古物商の専門家である行政書士に相談することで、警察署とのやり取りや変更届の作成を代行してもらう事ができるからです。

古物商の遅延理由書の記載例と書き方

警察署から遅延理由書の提出を求められた場合でも、どのように変更理由書を記載すればいいのかの説明は警察からはありません。

なぜなら、遅延理由書には決まった書式はないからです。

そのため、どのように記載すればいいのかわからないという場合には、以下の記載例を参考にして作成してみてください。

古物商遅延理由書の記載例

❶宛名を記載する

古物商の変更届は主たる営業所がある管轄の警察署に提出します。

なので、例えば、大阪府に主たる営業所がある場合には「大阪府公安委員会」、愛知県に主たる営業所がある場合には「愛知県県公安委員会」と、県名＋公安委員会殿と記載すれば問題ありません。

❷見出しを記載する

書類の見出しに「遅延理由書」と記載して下さい。

❸変更する内容を記載する

まずは、変更する内容を記載します。

例えば、営業所の変更であれば「営業所の住所変更に関する届出」、代表者の住所変更であれば「古物商許可者の住所変更に関する届出」と記載ます。

❹変更期限を記載する

変更する届出の変更期限を記載して下さい。

また、もし変更する期限の詳細がわからない場合にはには「定められた期限内」と記載しても問題ありません。

❺遅延理由を記載する

今回、変更届出を提出することができなかった理由を記載します。

忙しくて忘れていたり、体調不良で入院していたり、変更届の提出が必要だと知らなかったなど、正直に記載することをおすすめします。

因みに、理由の文章としては「業務の多忙により失念していたため」や「体調不良により長期病気療養中だったため」「変更の届出は不要であると誤解していたため」など、ご自身の状況に合わせた理由を記載すれば大丈夫です。

❻反省と対策を記載する。

反省しており、今回は大目に見てもらえるようにお願いします。

その際に、今後は変更届出を期限内に提出することや、遅延しない為の対策などを記載しておくと尚良いです。

❻日付け・住所・氏名を記入

書類を作成した日付と、申請者の住所、申請者の氏名を記載します。

又、法人の場合には法人名、法人住所、代表取締役の氏名を記載して下さい。

押印については特に定められていないので、認印でも大丈夫ですし、印鑑を押さなくても大丈夫です。

ただ、印鑑を押しておいた方が遅延理由書の見栄えとしては良いので、受け取る警察官の印象も少しはよくなるかと思います。

遅延理由書をダウンロードする

古物商の変更手続きでよくある間違い

ここまで記事を読んだのであれば、遅延理由書の作成は問題なさそうですね。

ただ、むしろ私が心配なのは、遅延理由書と合わせて提出する変更届が本当に正しく作成されているかです。

あなたが提出しないといけない書類は本当に「変更届」であってますか？「書換申請書」ではないですか？

そう思ったあなたは要注意です。

なぜなら、作成している書類が間違っている可能性があるからです。

例えば、住所の変更手続きと一言で言っても、変更内容によって作成する書類が以下のように異なります。

しかも、変更内容によっては提出する変更届出の順番が違ったり、提出する場所が変わったりします。

例えば、個人で古物商の許可を持っていて、自宅を営業所にしていて、自宅を引っ越したとします。

この場合、どんな手続きが必要だと思いますか？

「今の住所の管轄の警察署に変更届を提出すればいいのでは？」と思いませんでしたか？

ですが、実際には違います。

このケースでは、以下の順番での手続きが必要となります。

変更内容	書類の種類	提出先
①営業所の住所変更	変更届	旧住所の管轄警察署
②代表者の住所変更	書換申請書	新住所の管轄警察署
③管理者の住所変更	変更届	新住所の管轄警察署

このように、古物商の変更届は簡単に見えて、細かな決まりがあるのでかなり複雑です。

不安な場合には行政書士に依頼

と心配や不安がある方は、行政書士に依頼すると良いです。

なぜなら、書類の作成や警察署との打合せなど、面倒な手続きを代行してくれるだけでなく、手続きの間違いによるトラブルも未然に防げるからです。

というのも、実際に、、、

「自分でやろうと思って変更届を提出したけど、期限が過ぎている上に変更内容が間違っていると注意された…」

「今まで自分で何となく変更届を提出していたけど、必要な変更ができておらず、後になって警察署からかなり怒られた…」

という方がかなり多いです。

また、提出期限を過ぎた変更届は、出すタイミングが遅れるほど対応が厳しくなることもあるので、変更届を提出する前の今このタイミングで、一度専門家に相談してみませんか？

まとめ