古物商の疑問

古物商はfreeeで本当に取れる?向いている人・向かない人を解説

2025年7月12日

必要事項を入力するだけで申請書が自動作成できる「freee許認可」。

このサービスは古物商許可にも対応しており、「本当にfreeeで古物商許可が取れるの?」と疑問に思っている方も少なくありません。

実際に、古物商の専門家である行政書士がfreee許認可を試してみたところ、結論としてfreeeを使って古物商の取得は可能です。

ただし、すべての人におすすめできるわけではなく、利用に向いている人と、そうでない人がはっきり分かれるサービスだと感じました。

しかも、利用するうえで注意すべき点もあるため、事前にきちんと理解しておかないと、「こんなはずじゃなかったのに…」と後悔してしまう可能性もあります。

そこで本記事では、「freeeで本当に古物商が取れるのか?」という疑問に答えるとともに、freeeを使うのに向いている人・向いていない人の特徴についても詳しく解説します。

この記事を書いた人

長島 雄太

NAGASHIMA行政書士事務所

NAGASHIMA行政書士代表。古物商専門の行政書士。古物商の許可に関するメディアサイト「古物商許可ナビ」を運営しており、古物商の許可取得実績500件以上。古物商許可の取得率100%。詳しいプロフィールはこちら → [運営者情報]

freee許認可で古物商は本当に取れる?

freee許認可を使って古物商の許可を取得することは可能です。

実際に、ネット上ではfreee許認可を使って古物商の許可を取得したという方もおられます。

例えば、個人事業主が店舗だけで中古品を販売するようなシンプルな内容の申請であれば、申請書の作成から提出までをスムーズに進めているケースもあります。

ただし注意が必要なのは、申請内容によっては警察署から修正を求められたり、場合によっては意図せず法律違反となってしまう可能性がある点です。

詳細は記事後半の「freee許認可で古物商を取得する上での注意点|」で詳しく解説しています。

freee許認可で古物商を取得する流れ

freee許認可の公式サイトでは「古物商の許認可申請がスマホ・パソコンで簡単に」と紹介されていますが、freee許認可でできることは書類データの作成のみです。

そのため、ネットだけで古物商の許可が取得できるというわけではなく、それ以外にもいろいろな手続きが必要となります。

具体的には、freee許認可で古物商の許可を取得する場合、以下のような流れとなります。

freee許認可で古物商を取得する流れ

  • STEP1:freeeでアカウント作成
  • STEP2:必要事項を記入する
  • STEP3:書類をプリントアウトする
  • STEP4:警察署に申請書を提出する
  • STEP5:申請手数料を支払う
  • STEP6:許可証を受取る

STEP1:freeeでアカウント作成

まずは、freeeでアカウントを作成する必要があります。

メールアドレスを登録するだけで簡単にアカウントの作成が可能です。

STEP2:必要事項を記入する

案内に従って古物商の必要事項を入力していきます。

注意書きなどを確認しながら入力するようにしてください。

入力した内容がそのまま申請書として出力される為、入力内容に誤りがある場合には、提出後に修正が必要となるので注意が必要です。

所要時間に関しては、大体15~20分程度で入力が可能です。

STEP3:書類をプリントアウトする

freee許認可で作成したデータをプリントアウトします。

自宅や事務所にプリンターがない場合には、コンビニなどのプリンターでスマホからでもプリントアウトが可能です。

ただし、このプリントアウトはfreee会計を契約するか5,500円を支払った場合にのみ、プリントアウトが可能となります。

STEP4:警察署に申請書を提出する

古物商の営業所の管轄となる警察署にプリントアウトした書類を警察署に提出します。

担当者が不在のケースも多い為、事前に管轄の警察署に電話をして予約をしておくことをおすすめします。

また、この際にfreeeで古物商の申請書を作成したことを伝えておいた方がいいかもしれません。

なぜなら、都道府県によって申請書が異なり、freeeで作成したものと県の書式が違う場合があるからです。

この点についても、詳しくは「freee許認可で古物商を取得する上での注意点⑤」で解説します。

STEP5:申請手数料を支払う

freee許認可で作成した申請書に問題がなければ、警察署に申請手数料の19,000円を支払います。

ただし、万が一申請が不許可になった場合に、申請手数料の19,000円は返金されない点は注意が必要です。

freee許認可のサービス内でも、欠格事由に関する項目の説明は記載されていますが、基本ときには法律がそのまま記載されており、詳しい説明はありません。

また、営業所に関する要件の確認もないので、この点についてはサービス利用前に自分でしっかりと要件をみたしているか確認しておく必要があります。

詳しくは「freee許認可で古物商を取得する上での注意点①」をご確認ください。

STEP6:許可証を受取る

申請書を提出してから40日ほどで、古物商の許可の連絡が警察署から入ります。

その後は、管轄の警察署に古物商の許可証を受取りに行けば、古物商の許可取得は完了です。

freee許認可で古物商を取得する上での注意点

freee許認可で古物商の申請書を作成しようと検討している場合には、以下の5つの点に注意が必要です。

freee許認可の注意点

  • 古物商に関する一定の基礎知識は必要
  • 役員や営業所が複数ある場合の対応は不可
  • 警察署ごとに事ある書類に対応はできない
  • ネットで売買する場合の違法性のリスク
  • 申請書の際に修正を求められる可能性が高い

①古物商に関する一定の基礎知識は必要

古物商を取得するには、古物商の要件を満たさなければなりません。

確かに、freee許認可でも欠格事由についての説明はありますが、あくまでも法律の文章をそのまま記載しているだけで、初心者の方には欠格事由の内容を理解するのが難しいです。

また、freee許認可では営業所の要件に関しては一切触れられていない為、古物商の営業所として相応しくない場所で申請したしてしまう可能性もあります。

そして、もし、古物商の要件を満たさない状態で申請した場合、不許可となってしまい申請手数料の19,000円は返金されません。

そのため、最低でも古物商の欠格事由や古物商の営業所の要件などの一定の基礎知識については身に付けておく必要があると感じました。

②役員や営業所が複数ある場合の対応は不可

freee許認可では、以下の2つの場合の申請に関しては対応ができません。

  • 法人に複数の役員がいる場合
  • 営業所が複数ある場合

これは、サービスのシステム上、対応が出来ないとのことなので、上記に該当する方は注意が必要です。

③警察署ごとに求められる書類に対応はできない

freee許認可で作成できるのは以下の書類です。

  • 古物商許可申請書
  • 誓約書
  • 略歴書

これらの書類は、全国のどこの警察署でも共通して必要となる最低限の書類です。

一方で、古物商申請では、管轄する警察署や申請者の状況によって、上記の書類に+αで書類を求められるケースも多いです。

例えば、賃貸物件の場合の使用承諾書や営業所の見取り図、車やバイク等の事業内容を説明する確認書などです。

これらの、ケース別の書類が必要かどうかについては、管轄の警察署に自分で確認して作成する必要があります。

④ネットで売買する場合の違法性のリスク

最近ではメルカリやヤフオクなどのネットを使って中古品を売買する方も多いと思いますが、そのような方はfreee許認可での申請は注意が必要です。

なぜなら、freee許認可で申請した場合に、違法性のリスクが発生してしまう可能性があるです。

例えば、freee許認可ではメルカリやヤフオクを使用する場合には「事業者用の固有のページがないためURLの入力は不要」と説明されており、URLの届出をしない形で申請します。

しかし、実際に管轄の警察署に確認してもらえれば分かりますが、メルカリやヤフオクでもURLの届出が必要です。

そして、URLの届出が必要なのにも関わらず、URLを届出ずに営業した場合、標識掲示義務違反として10万円以下の罰金に処される可能性があります。(古物営業法第35条2項)

そのため、freee許認可では「事業者用の固有のページがないためURLの入力は不要」と記載されていますが、必ず、事前に管轄の警察署に確認するようにしましょう。

⑤申請書の際に修正を求められる可能性が高い

freee許認可で作成される申請書は、自分が入力した内容がそのまま反映される仕組みです。

そのため、入力ミスや項目の選び方を間違えていた場合には、警察署で修正を求められることがあります。

さらに、都道府県によって申請書の様式が異なるケースもあり、freeeで書類を作成したけど様式異なり、結局ゼロから手書きで作り直したという声もあります。

これは、freee許認可が全国どこでも使えるように設計されている一方で、地域ごとの細かな違いには対応していないためです。

freee許認可で古物商を取得が向いてる人・向かない人

確かに、freee許認可で古物商の許可を取得することは可能です。

これは間違いありません。

しかし、ここまででも解説したように、freee許認可は注意しなければいけない点も多く、また、古物商の許可を取りたい全ての人が、freee許認可で古物商の許可を取れるわけでもありません。

そのため、自分がfreee許認可で古物商を取得するのに向いているかどうかを事前にしっかりと確認した上で利用することをおすすめします。

freee許認可で古物商の取得が向いてる人

向いてる人

  • 費用を抑えて申請したい人
  • 時間や手間にある程度余裕がある人
  • 申請要件を事前に理解しており、自己判断できる人
  • 申請内容がシンプルな人
  • パソコンやオンライン操作に慣れている人

freee許認可は、特に、「費用を抑えたい」「申請内容がシンプル」という方にはおすすめのサービスです。

というのも、freee許認可は5,500円という低価格で、パソコンやスマホから簡単に書類を作成できるからです。

ただし、作成した書類が一発で受理されるとは限らず、警察署で修正を求められる前提で考えておいた方がいいです。

そのため、時間や手間に余裕がない方には不向きで、場合によっては何度も警察署に足を運ぶ必要が出てくる可能性もある点は注意が必要です。

freee許認可で古物商の取得が向いてる人

向かない人

  • 法律トラブルを絶対に避けたい人
  • 申請内容がイレギュラーな人
  • 急いで許可を取りたい人
  • 不許可のリスクが心配な人
  • 警察署とのやりとりに不安がある人
  • 法人の役員が複数いる人
  • 営業所が複数ある人
  • 許可取得後も継続的にサポートを受けたい人
  • 申請者や法人の役員に外国人がいる人

というのも、freee許認可は「誰でも簡単に使えること」「低価格」を重視したサービス設計となっており、個別の事情や複雑なケースへの対応までは想定されていないからです。

言い換えれば、freee許認可は「最低限の書類作成機能」に特化したシステムであり、トラブル対応や個別サポートを求める方には不向きです。

そのため、こうしたケースでは、行政書士への依頼を検討した方が安心です。

freee許認可と行政書士に依頼した場合の違い

古物商の許可はfreee許認可で取得することもできますが、専門家である行政書士に依頼して取得することも出来ます。

以下は、freee許認可と行政書士に依頼して古物商を申請する場合の料金と内容を比較した表です。

freee許認可行政書士に
書類の作成を依頼
行政書士に
書類の作成+提出を依頼
警察署との打合せ
申請書の作成
申請書の提出
返金保証
アフターサービス
申請手数料19,000円19,000円19,000円
報酬相場5,500円25,000円~35,000円45,000~55,000円
合計費用24,500円44,000円~54,000円64,000円~74,000円

注意点としては、行政書士に依頼する場合、事務所によって費用はもちろん、サービス内容も全く異なる点です。

そのため、古物商の申請を行政書士に依頼する場合でも、色々な行政書士事務所の料金やサービス内容を比較検討した上で選ぶことをおすすめします。

また、どのようにして行政書士事務所を選べばいいか分からないという方は「古物商の行政書士の費用相場と失敗しないおすすめの事務所の選び方」でおすすめの行政書士事務所の選び方を解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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警察署との打合せ
申請書の作成
申請書の提出
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特典2:開業後サポートマニュアル
特典3:古物台帳データ
特典4:売買契約書のひな型
特典5:変更申請5,000円OFFクーポン
特典6:無料法律サポート(1年間)
特典7:融資・補助金の無料相談
申請手数料19,000円19,000円
報酬相場個人:25,850円 法人:34,650円個人:43,780円 法人:54,780円
合計費用個人:44,850円 法人:53,650円個人:62,780円 法人:73,780円

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まとめ

この記事のまとめ

  • freeeで古物商の許可は取れる
  • freeeで古物商の取得する場合には注意が必要
  • できるだけ費用を抑えたい方・申請内容がシンプルな方に向いてる
  • 法律に不安がある方や申請内容が複雑な方には向かない