古物商取得後の手続

古物商許可に更新や有効期限はある?必要な手続きや注意点を解説

古物商許可に更新や有効期限はあるの?

更新に必要な手続きや注意点が知りたい…

といった疑問を持っている方も多いのではないでしょうか?

結論を先にいうと、古物商許可には有効期限や更新はありません。

そのため、一度取得すればずっと使い続けることが可能なのですが、古物商許可を取得したら、その後は何の手続きも不要と誤解している方も多いです。

そこで、この記事では古物商の更新についてや、取得後に必要な手続き、古物商の再取得が必要となるケースについて分かりやすく解説します。

\まずはお気軽にご相談下さい/

古物商代行の料金・サービスを見る

▶古物商許可ナビ代行の料金・サポート詳細ページに遷移します。

この記事を書いた人

長島 雄太

NAGASHIMA行政書士事務所

NAGASHIMA行政書士代表。古物商専門の行政書士。古物商の許可に関するメディアサイト「古物商許可ナビ」を運営しており、古物商の許可取得実績500件以上。古物商許可の取得率100%。詳しいプロフィールはこちら → [運営者情報]

古物商許可に有効期限はなく更新手続も不要

古物商許可は原則として更新手続きは不要です。

古物商許可には自動車の運転免許証のような有効期間というものは存在しないからです。

1度取得してしまえば、年会費などの維持費もかからないので無料でずっと使い続けることができます。

ただし、これはあくまで許可内容に変更がない場合に限られます。

古物商許可証に更新はないが変更があれば変更手続きが必要

古物商許可を取得した際の情報から変更があった場合には、古物商変更手続きが必要です。

古物商許可の変更手続きには「書換申請」と「変更届」の2種類があります。

  • 書換申請・・・古物商許可証の記載内容を書き換える手続き
  • 変更届・・・古物商許可証に記載されている情報以外を変更する手続き

\変更書類の作成9,800円~/

料金・サポート内容を見る

▶変更申請の料金・サポート詳細ページに遷移します。

「書換申請」が必要になる3つのケース

「書換申請」とは、古物商許可証の内容に変更があり、その情報を新しい情報に書き換える必要がある場合に行う手続きです。

古物商許可証は公安委員会が発行する正式な証明書であるため、常に最新かつ正確な情報が記載しなければならないからです。

書換申請の基本情報

  • 申請手数料:1,500円
  • 必要書類:古物商許可証、書換申請書、住民票、登記事項全部証明書など
  • 申請先:主たる営業所を管轄する警察署
  • 申請期限:変更の日から14日以内(法人の場合で登記事項証明書を添付する変更については20日以内)

具体的には、許可証に記載されている重要な情報が変わる次の3つのケースでは書換申請の対象となります。

個人の名前や住所を変更する場合

結婚などで氏名を変更した場合や、自宅を引っ越した場合には、「書換申請」の手続きが必要です。

個人の古物商許可において、氏名や住所は、古物商許可証に直接記載されている最も基本的な情報です。

そのため、これらの情報に変更が生じた場合は、警察署で新しい情報に書き換えてもらう必要があります。

具体例

  • 個人事業主が結婚により名前が変わった場合
  • 個人事業主が引っ越しをして住所が変わった場合

法人の住所や代表者を変更する場合

法人が主たる営業所の所在地を変更した場合や、代表取締役などが交代した場合は、古物商許可証の「書換申請」が必要です。

法人の古物商許可において、名称、所在地、代表者の氏名は、古物商許可証に直接記載されている最も基本的な情報です。

そのため、これらの情報に変更が生じた場合には、法務局での登記変更手続きを済ませた後、警察署への古物商許可の書換申請手続きが必要です。

具体例

  • 法人の代表取締役が結婚により名前が変わった場合
  • 代表取締役が引っ越しをして住所が変わった場合
  • 法人の本店所在地が引っ越しをして変わった場合
  • 代表取締役が別の役員に交代した場合

行商をするかどうかの区分を変更する場合

古物商の許可を申請する際には、「行商をする」か「しない」かを選択しますが、この区分を変更する場合にも「書換申請」が必要です。

行商とは、古物商が自分の営業所以外の場所で、中古品の販売や買取などの取引を行うことです。

「行商をする」か「しない」のどちらを選択したかは、古物商許可証にも記載されています。

そのため、営業形態の変更に伴い、行商区分を変える必要が生じた場合は、許可証を新しい内容に書き換える手続きを行わなければなりません。

具体例

  • 行商をしないを選択したが行商をしたい場合
  • 行商をしていたが行商しなくなった場合

「変更届出」が必要になる3つのケース

変更届出は、古物商許可証に記載されている内容には直接影響しないものの、公安委員会に登録している情報に変更があった場合に行う手続きです。

「書換申請」とは異なり、古物商許可証の提出は不要です。

書換申請の基本情報

  • 申請手数料:0円
  • 必要書類:変更届、住民票、登記事項証明書など
  • 申請先:主たる営業所を管轄する警察署
  • 申請期限:営業所の移転・増設・廃止については変更の3日前まで、それ以外は変更の日から14日以内(法人の場合で登記事項証明書を添付する変更については20日以内)

具体的には、次の3つのケースで古物商許可の変更届が必要です。

古物の品目を追加または変更する場合

取り扱う古物の品目を追加したり、主として取り扱う品目を変更したりする場合には、「変更届出」の手続きが必要です。

古物商許可は、13種類の品目の中から申請時に選択した区分のみが取り扱えることになっているからです。

そのため、許可を受けている品目以外の古物を取り扱う場合には、変更届を出なければなりません。

具体例

  • 「書籍類」のみを専門に扱っていたが、新たに「道具類」の取り扱いを開始する場合
  • メインで取り扱っていた品目が「自動車」から「自動二輪車及び原動機付自転車」に変わった場合

法人役員や管理者を変更する場合

法人の代表者以外の役員が交代した場合や、役員の住所に変更があった場合には「変更届出」が必要です。

また、法人役員と同じく、営業所の管理者を変更する場合や管理者の住所が変わった場合にも変更届を提出します。

具体例

  • 取締役や監査役が新たに就任、または退任した場合
  • 役員が引っ越しをして住所が変わった場合
  • 管理者が退職しため新たに管理者を選任した場合
  • 管理者が引っ越しをして住所が変わった場合

営業所を新設したり、移転・廃止したりする場合

営業所を新たに追加する場合や、既存の営業所を別の場所に移転したり、閉鎖したりする場合には、「変更届出」が必要です。

また、営業所に関する変更については、他の変更手続きとは異なり変更の3日前までに届出を提出しなければならない点は注意が必要です。

具体例

  • 2店舗目を新たにオープンした場合
  • 店舗を引っ越しした場合
  • 2店舗あるうちの1店舗を閉店した場合

変更届出や書換申請を怠ると罰則や許可取消しを受ける3つのリスク

古物商許可に関する変更届出や書換申請を怠ることは、単なる手続きミスではなく、古物営業法に違反する重大な行為です。

法律で明確な罰則が定められており、「知らなかった」「うっかりしていた」では済まされない可能性があります。

こうした手続きを怠ることで、罰金だけでなく、営業停止や許可の取り消しといった、事業に大きな影響を与える重い処分を受けるおそれもあります。

以下では、想定される2つのリスクについて詳しく解説します。

①10万円以下の罰金が処される可能性がある

正当な理由なく、定められた期間内に変更届出や書換申請を行わなかった場合、10万円以下の罰金を科される可能性があります(古物営業法35条1項)

古物商には、許可を受けた際の情報から変更が生じた場合に、警察署に届出する義務があり、その義務違反に該当するからです(古物営業法第7条)。

たとえば、営業所を移転したにもかかわらず届出をしていなかったり、役員が変更になったのにそのままにしていた場合には罰金の対象です。

とはいえ、数日程度の遅れでいきなり罰金が科されることはほとんどありません。

もし手続きをうっかり忘れてしまい期限を過ぎてしまった場合でも、そのまま放置せず、できるだけ早く届け出を行うようにしましょう。

\変更書類の作成9,800円~/

料金・サポート内容を見る

▶変更申請の料金・サポート詳細ページに遷移します。

②簡易取消し制度により古物商許可を取り消される可能性がある

変更届出や書換申請を怠ると、簡易取消し制度によって古物商許可を取り消される可能性があります。

この制度は、2018年10月24日の法改正で導入されたもので、公安委員会が古物商の居場所を確認できない場合に、正式な呼び出しなどを行わずに許可を取り消せる仕組みです。

たとえば、営業所を移転したのに主たる営業所の届出をしていなかった場合などは、本人が気づかないうちに許可が取り消されてしまう可能性もあります。

こうした事態を防ぐためにも、住所や営業内容に変更があったときは、決められた期間内にしっかりと手続きを行うようにしまよう。

古物商許可を再取得する必要がある3つのケース

古物商許可は一度取得すれば、基本的にはずっと使い続けることができますが、特定の場合に許可を再取得しなければならないケースがあります。

具体的には、以下の3つのケースでは古物商を再取得する必要があります。

  • 個人事業主から法人化した場合
  • 主たる営業所の届出を2020年4月1日までに行っていない場合
  • 古物商許可が取り消された場合

個人事業主から法人化した場合

個人事業主として古物商許可を取得して事業を行っていた方が、法人を設立(法人成り)した場合、改めて法人として古物商許可を再取得する必要があります。

これは、法律上、個人と法人は別人格として扱われるため、個人で取得した許可を法人に引き継ぐことは認められていないためです。

例えば、個人名義でリサイクルショップを運営していた方が、事業拡大のために「株式会社ABC」を設立したとします。

この場合、個人の許可のまま「株式会社ABC」として古物営業を続けることはできず、「株式会社ABC」の名義で新たに古物商許可の申請を行い、取得し直さなければなりません。

法人成りについて詳しくは古物商の個人から法人成をご確認下さい。

主たる営業所の届出を2020年4月1日までに行っていない場合

2020年4月1日までに主たる営業所の届出を管轄の警察署に届出していない場合、古物商許可を再取得する必要があります。

2020年4月1日に施行された改正古物営業法により、それ以前から許可を得ていた全ての古物商は、主たる営業所を管轄の警察署へ届け出る必要がありました。

主たる営業所の届出を2020年3月31日までに行わなかった場合、取得していた古物商許可は失効しているからです。


例えば、2020年4月1日以前に許可を取得したけど、法改正の情報を知らずに届出を行わないまま事業を継続していると、意図せず無許可営業の状態になってしまっている可能性があります。

そのため、主たる営業所の届出を行った覚えがない場合には、古物商許可の有効性を確認し、失効している場合には再取得しましょう。

詳しくは、古物商 失効で解説しているんで気になる方はチェックしてみてください。

古物商許可が取り消された場合

古物営業法違反などの理由で公安委員会から許可の取り消し処分を受けた場合、その許可は完全に失効します

そのため、再び古物営業を行うためには、一から許可を再取得する手続きが必要です。

ただし、取消処分を受けると古物商の欠格事由に該当するため、原則として許可を取り消された日から5年間は、新たに許可を取得することができません。

例えば、盗品と知りながら買い取るなどの悪質な行為によって許可が取り消された場合、事業を再開したくても5年間は申請すらできないことになります。

そのため、古物商許可の取消により許可を失った場合には、取消いから5年経過後に再取得の申請をしましょう。

一方、自己都合で古物商許可を返納した場合には、取り消し処分のような制限がないので、再取得したい時にすぐに申請が可能です。

\まずはお気軽にご相談下さい/

古物商代行の料金・サービスを見る

▶古物商許可ナビ代行の料金・サポート詳細ページに遷移します。

古物商許可を取得するなら古物商許可ナビ代行

\最短3日で申請可能/

電話で相談する(06-7222-1535)

※初回無料相談・全国対応。受付時間9:00~18:00(土日祝日も対応可!)

5秒で気軽に相談/

LINEで相談する

※初回相談無料・全国対応・土日OK!

1分でかんたん入力

メールで相談する

※初回相談無料・全国対応・土日OK!

古物商許可に関するよくある質問5選

古物商許可については、変更手続きや許可が失効した場合の対応、個人事業主から法人へ切り替える際の注意点など、いろいろな疑問が生じます。
ここでは、そうした特に多く寄せられる質問と、それに対する明確な回答をまとめました。

古物商許可証の住所変更はどこで行いますか?

古物商の主たる営業所を管轄する警察署の生活安全課で住所変更が可能です。

古物商許可が失効していた場合は場合、どうなりますか?

古物商許可が失効している場合、そのまま古物営業を続けると無許可営業となり、3年以下の拘禁刑・100万円以下の罰金に処される可能性があります。

古物商が失効している場合には、必ず新たに古物商許可を取り直すようにしましょう。

個人事業主から法人に切り替える際の注意点は何ですか?

個人事業主が法人に切り替える(法人成りする)場合、個人としての古物商許可は法人には引き継げません。

法律上、個人と法人は別人格として扱われるためです。

そのため、個人の許可証を返納して新たに法人で古物商許可を取得する必要があります。

変更届出や書換申請にかかる費用はどのくらいですか?

「変更届出」には基本的に手数料はかかりません。一方、「書換申請」については、1,500円の申請手数料が必要です。

営業所を廃止した場合、どのような手続きが必要ですか?

複数店舗あるうちの1店舗のみを閉店する場合には、閉店の3日前までに変更届の提出が必要です。一方、全ての営業所を閉店する場合には古物商許可の返納手続きが必要です。

まとめ

この記事のまとめ

  • 古物商許可に有効期限はないので更新は不要
  • 古物商許可に変更があれば変更手続きは必要
  • 変更手続きを怠ると罰則のリスクがある
  • 古物商許可が失効している場合には再取得が必要