
過去に逮捕されたことがあるけど、古物商許可は取れるのだろうか...
罰金刑を受けたことがバレたら、申請を断られるのでは...
このような不安を抱えている方は少なくありません。
結論から言えば、前科があっても古物商許可を取得できるケースはあります。
ただし、「犯罪の種類」や「刑が確定してからの経過期間」によっては取得できません。
古物営業法では欠格事由が定められており、この基準に該当する場合は許可をしてはならないと法律で定められているためです。
この記事では、取得できるケース・できないケースや、執行猶予・不起訴など判断に迷いやすいケースを詳しく解説します。
19,000円の申請手数料を無駄にしないためにも、自分のケースが欠格事由に該当するか正確に把握しましょう。
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この記事を書いた人
前科や犯罪歴で古物商許可は取得できるケース・できないケース

「前科がある=絶対に取得できない」というわけではありません。
犯罪の種類と、刑の確定からの経過期間によって古物商許可が取得できるかどうかが異なります。
古物営業法第4条では「欠格事由」が定められており、欠格事由に該当する場合には許可をしてはいけないと定められています。
つまり、どんなケースで取得できて、どんなケースで取得できないのかを正確に把握すれば、自分が申請できるかどうかを事前に判断できるというわけです。
以下で、前科や犯罪歴がある場合で取得できるケースとできないケースの具体例を紹介します。
前科や犯罪歴で古物商許可は取得できないケース
「拘禁刑以上の刑」を受けた場合、または「窃盗・背任・遺失物横領・盗品等有償譲受け」等の罪で「罰金刑」を受けた場合、5年間は取得できません。
古物商が盗品などの不正な品物の流通を防ぐ役割を持っているため、特に財産に関する犯罪歴がある場合に古物商許可の取得を制限しています。
例えば、万引きで罰金刑を受けてから3年しか経っていない場合は、5年の欠格期間中のため、古物商許可申請をしても不許可になります。
前科や犯罪歴で古物商許可は取得できるケース
以下のようなケースでは取得可能です。
- 拘禁刑以上の刑の執行が終わってから5年が経過している
- 窃盗・背任・遺失物横領で罰金刑を受けてから5年を経過している
- それ以外の罰金刑を受けている
欠格事由では、「拘禁刑」や「特定の犯罪による罰金刑」が対象となっており、それ以外の罰金刑や、一定の期間が経過した場合には対象外となります。
たとえば、殺人や傷害などで懲役刑を受けた場合でも、出所から5年が経過すれば古物商許可を取得できます。
また、暴行罪や名誉毀損罪などは、古物営業法で定める財産に関連する犯罪に該当しないため、5年の経過を待たずにすぐに古物商許可の取得が可能です。
前科や犯罪歴がある場合で判断に迷いやすい4つのケース

「逮捕=前科」といった誤解や、執行猶予の扱いなど、一般の方では判断を誤りやすいケースも多いです。
もし、自分で間違った判断をして、申請が不許可になると19,000円の申請手数料は返金されません。
そのため、事前に正しい情報を確認し、不安な点があれば専門家に相談することをおすすめします。
ここでは、執行猶予期間中の扱いや逮捕後の不起訴処分の扱いなど、判断に迷いやすい4つのケースを紹介します。
①執行猶予期間中は古物商許可を取得できない
執行猶予期間中は「刑罰を受けている状態」とみなされるため、古物商の許可を取得することはできません。
執行猶予も有罪判決のひとつであり、猶予期間が続く間は欠格事由に該当する状態が続きます。
「執行猶予がつけば前科にならない」と誤解されがちですが、法律上は前科として扱われます。
たとえば、「懲役1年・執行猶予3年」という判決を受けた場合、判決が確定した日から3年間は許可の申請ができません。
ただし、3年間を問題なく過ごせば、その翌日から古物商許可の取得が可能になります。
実際に刑務所に入った場合は、出所から5年間を待たなければなりませんが、執行猶予の場合は猶予期間が終わればすぐに申請できる点が大きな違いです。
②逮捕後に不起訴の場合は古物商許可を取得できる
逮捕された過去があっても、最終的に「不起訴処分」で終わっている場合は、前科ではないため古物商許可を取得できます。
欠格事由となるのは、裁判で有罪が確定して刑罰を受けた場合だけです。
逮捕されただけでは古物商の欠格事由には該当しません。
「逮捕=犯罪者」という誤解が多いですが、法律上は全く別のものです。
たとえば、喧嘩で警察に逮捕されたものの、被害者と示談が成立して起訴されずに釈放されたケースでは、すぐに古物商許可の取得が可能です。
また、万引きの疑いで逮捕されたけど、誤認逮捕で不起訴になった場合も同様です。
③交通違反の青切符や罰金でも古物商許可を取得できる
スピード違反などの「青切符(反則金)」や、一般的な交通違反の「赤切符(罰金刑)」であれば、原則として古物商許可を取得できます。
道路交通法違反の罰金は、古物営業法が制限している犯罪には含まれないためです。
たとえば、30kmオーバーの速度違反で罰金を払った場合でも、問題なく古物商許可の取得が可能です。
ただし、飲酒運転などで拘禁刑になった場合は話が別です。
飲酒運転で拘禁刑に処された場合には、刑の執行が終わってから5年間は古物商許可を取得できません。
前科以外の古物商許可が取れない5つの欠格事由

前科や犯罪歴の有無にかかわらず、「破産手続き中」「住所不定」「暴力団関係」など、古物商の申請が却下される5つの要件があります。
古物営業法では、犯罪歴がなくても適正に営業を行えないと判断される場合には、許可が下りません。
これらは前科や犯罪歴とは関係ありませんが、ひとつでも当てはまると確実に不許可となるため、十分な注意が必要です。
以下の前科以外の5つ欠格事由を紹介します。
前科や犯罪歴を隠して古物商許可を申請するリスク

前科を隠して申請しても、警察の許可申請の調査で必ず発覚するので絶対にやめましょう。
申請手数料が無駄になるだけでなく、虚偽申請として罰則を科される可能性もあります。
警察は申請時に提出される身分証明書や犯罪歴のデータベースを確認します。
身分証明書には破産歴や成年後見の有無が記載されており、犯罪歴も警察のシステムで照合されるため、隠すことはできません。
たとえば、前科を隠して申請した場合、不許可になると19,000円の申請手数料は一切返金されません。
さらに虚偽申請の記録が残るため、将来欠格期間が過ぎて再申請する際に警察の信用を失い、審査が厳しくなります。
本来なら5年経過後に正直に申請すれば通るはずが、過去の嘘が原因で不利になる可能性があるのです。
「どうせバレない」と考えず、前科や犯罪歴で許可を取得できない場合は、必ず期間経過後に古物商許可の申請をするようにしましょう。
前科や逮捕歴があるなら行政書士に依頼

前科や逮捕歴に不安がある場合は、申請前に古物商に詳しい行政書士へ相談するのがおすすめです。
専門家であれば、前科の内容が欠格事由に該当するかどうかを正確に判断できます。
また、警察署との事前のやり取りや必要書類の準備も任せられるため、手続きがスムーズに進みます。
たとえば「自分が受けた罰金刑が欠格事由にあたるのか分からない」といった場合でも、行政書士が状況を丁寧に聞き取り、申請できるかどうかを診断してくれます。
自己判断で申請し、不許可になるリスクを考えると、専門家に任せる方が確実で安心です。
行政書士に依頼する費用は3万円〜5万円ほどが一般的ですが、不許可によって申請手数料の19,000円を失ったり、再申請の手間がかかることを考えれば、決して高くはありません。
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古物商の前科や犯罪歴に関するよくある質問

古物商許可と前科や犯罪歴について、多くの方が同じような不安や疑問を抱えています。
ここでは、実際によく寄せられる質問とその回答をまとめました。
自分のケースに当てはまるものがないか確認してみてください。
刑の執行を終えてから5年経過していないのですが、古物商許可を取得する何か良い方法はありますか?
残念ながら、5年の欠格期間を短縮する方法はありません。
欠格事由は法律で明確に定められており、警察署の独自の判断で許可を出すことはできない仕組みになっています。
そのため、5年が経過するまで待つしかないのが現実です。
ただし、執行猶予の場合は猶予期間が満了すればすぐに申請できます。
実刑とは異なり、5年待つ必要はありません。
自分は前科や犯罪歴で古物商許可を取得できないので、妻や家族、友人に代わりに取得してもらっても良いですか?
家族や友人が古物商許可を取得すること自体は可能ですが、実質的にあなたが営業を行う場合は違法です。
古物営業法では「名義貸し」が禁止されており、許可を受けた本人以外が実質的に営業することは認められていません。
発覚すれば許可取り消しや罰則の対象となります。
配偶者が実際に営業を行い、あなたが従業員として手伝うのであれば問題ありませんが、名義だけ借りて自分が営業するのは絶対に避けてください。
というのも、罰則を受けるのはあなただけではないからです。
あなたは無許可営業として罰則を受け、あなたの家族や友人も名義貸しとして罰則を受けます。
古物商許可の取得後に前科がついたら、古物商許可は取り消されますか?
許可取得後に欠格事由に該当する前科がつくと、許可は取り消されます。
古物営業法では、許可を受けた後でも欠格事由に該当した場合は許可を取り消すと定められているからです。
特に窃盗や背任などの財産犯で有罪になった場合は、確実に取り消し対象です。
そのため、すでに古物商として営業している方は、法律を守って誠実な営業を心がけるようにしましょう。
窃盗の前科があるのですが古物商許可を取得できますか?
窃盗の前科がある場合、罰金を払ってから5年経過していなければ古物商を取得できません。
これは、窃盗罪での罰金刑が古物商の欠格事由に該当するからです。
ただし、5年が経過すれば申請可能です。
また、万引きなどの軽い窃盗であれば通常は罰金刑ですが、常習性がある場合や被害額が大きい場合は拘禁刑になることもあります。
拘禁刑の場合は、刑の執行が終わってから5年、執行猶予の場合は猶予期間が満了してから取得が可能です。
まとめ
この記事のまとめ
- 前科や犯罪歴があっても古物商許可を取れる可能性がある
- 刑の執行が終わって5年が経過している場合は取れる
- 執行猶予中は古物商許可は取れない
- 交通違反の罰金刑を受けても古物商許可はとれる
長島 雄太
NAGASHIMA行政書士事務所