酒類販売免許の変更

酒類販売免許の代表者や役員の変更手続きガイド|必要書類や注意点も解説

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代表取締役が変わったけど、酒類販売免許って何か手続きが必要なの?

役員が変わったけど、税務署に届出は必要?

こうした疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?

酒類販売免許を持っている会社の代表者や役員が変更になった場合、税務署へ「異動申告書」を提出する必要があります。

この記事では、法人の代表取締役や役員が変更した場合の異動申告書の書き方や記入例、注意点についてわかりやすく解説します。

この記事を書いた人

長島 雄太

NAGASHIMA行政書士事務所

NAGASHIMA行政書士代表。酒類免許専門の行政書士。酒類許可に関するメディアサイト「酒類許可ナビ」を運営しており、酒類免許の相談実績1000件以上。酒類許可の取得率100%。詳しいプロフィールはこちら → [運営者情報]

代表者や役員が変わったら変更届が必要

酒類販売免許を取得した法人の代表取締役や役員が変更された場合は、税務署へ変更届を提出する必要があります。

なぜなら、酒類販売免許に関する以下の内容に変更が立った場合には所轄税務署長に申告しなければならないと酒税法施行令(第54条)に定められているからです。

  • 住所又は所在地が変更になった場合
  • 相続した場合
  • 法人の合併・分離・分割、営業の承継・譲受など組織再編をする場合
  • 法人の名称を変更した場合
  • 法人の組織変更(注2)をした場合
  • 代表取締役及び法人の役員が変わった場合
  • 製造(販売)場を他の場所へ移転する場合
  • 製造(販売)場所在地の町名等が変わった場合
  • 製造(販売)場の名称が変わった場合
  • 酒類の製造又は酒類販売業を休止・再開する場合
  • 酒類の製造又は酒類販売業を廃止する場合

因みに、酒類販売免許で変更事項が生じた際に提出する書類のことを異動申告書といいます。

そのため、以降は変更届ではななく異動申告書と記載して説明します。

個人事業主は酒類販売免許の代表者変更ができない

一方で、個人事業主は酒類販売免許の代表者変更を行うことができません。

なぜなら、酒類販売免許は、「事業者本人」に対して付与されるものであり、法人のように代表者を変更して引き継ぐことができないためです。

法人の場合は、会社自体が事業者であり、代表者が交代しても会社の継続性が認められるため免許の変更が可能ですが、個人事業主の場合は、「事業者=本人」であるため、別の人に免許を引き継ぐことはできません。

そのため、個人事業主が酒類販売業を他の人に引き継ぐ場合は、引き継ぐ人が新規で酒類販売免許を取得する必要があります。

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酒類販売免許の代表者・役員変更の手続きの流れ

酒類販売業を取得している法人の代表取締役や役員が交代した場合は、「異動申告書」を税務署に提出する必要があります。

ここでは、酒類販売免許における代表取締役及び役員変更の手続きの流れについて詳しく解説します。

具体的には以下のステップで代表者取締役・役員変更の手続きを行います。

手続の流れ

  • 通常の法人変更手続を完了させる
  • 異動申告書の作成する
  • 必要な添付書類を準備する
  • 異動申告書を提出する

①通常の法人変更手続を完了させる

酒類販売免許の代表取締役や役員の変更を手続きを行う前に、法人で求められる通常の変更手続きを完了させてください。

例えば、法人の登記簿謄本の変更登記はもちろんのこと、酒類販売免許とは別で、代表取締役に変更があった場合には所轄の税務署に異動届出書を提出しなければなりません。

詳しくは、国税庁の異動事項に関する届出をご確認ください。

因みに、役員の変更のみの場合には上記の異動届出の提出は不要です。

②異動申告書を作成する

通常の法人の代表取締役変更や役員変更手続きが完了したら、酒類販売免許用の異動申告書を作成します。

異動申告書の詳しい書き方については、次の「酒類販売免許の異動申告書の書き方と記載例」で詳しく解説するのでそちらをご確認ください。

③添付書類の確認

基本的に、代表取締役や役員の異動申告書には添付書類は必要ありません。

なぜなら、①通常の法人変更手続で、所轄の税務署に変更後の法人登記簿を提出しているため、登記簿等などを提出しなくても変更内容が確認できるからです。

ただし、法人の変更登記が終わって間もない場合や、税務署への届出を忘れていた場合、①で異動届出書を提出してまだ間もない場合には、税務署で変更内容を確認できない可能性があるので、登記簿謄本の提出を求められる可能性があります。

そのため、もし、不安であれば事前に税務署に添付書類が必要か確認しておくことをおすすめします。

④異動申告書を提出する

書類が完成したら酒類販売場を管轄する税務署に異動申告書を提出します。

異動申告書の作成提出方法については、e-Taxソフトで申告書を作成し、提出することが可能です。(詳しくはe-Taxホームページの「e-Taxソフトについて」をご確認ください。)

また、書類を作成して直接税務署に提出に行っても、郵送で送っても問題ありません。

代表者・役員変更の異動申告書の書き方と記載例

代表取締役の変更があった場合と、役員の変更があった場合では異動申告書の書き方が若干異なります。

そこで、以下ではそれぞれについて、酒類販売免許の異動申告書の書き方と記載例を紹介します。

①代表取締役が変更の場合書き方と記載例

概要

書き方と注意点

  • 申請書の提出日と提出先の税務署を記入
    ⇒提出先の税務署は酒類販売場の所在地を所轄する税務署を記載します。法人の本店で酒類販売免許を取得していない場合は間違えないように注意してください。
  • 法人の本店所在地を記入
    ⇒法人の登記事項証明書に記載されている通りに記載するようにしてください。
  • 法人の本店の電話番号を記入
    ⇒法人の電話番号とは別に酒類販売店の電話番号がある場合には、法人の電話番号を記載します。
  • 法人名と代表取締役の名前を記入
    ⇒記載する代表取締役は変更後の代表取締役の名前を記載して下さい。
  • 法人番号を記入
    ⇒13桁の法人番号を記載します。12桁の会社法人番号と異なる点には注意が必要です。法人番号がわからない場合には国税庁法人番号公表サイトで確認が可能です。
  • 変更前の代表取締役の名前を記入
  • 変更後の代表取締役の名前を記入
  • 異動理由を記入
    ⇒異動理由については「代表取締役の交替に伴う異動のため」と記載すれば問題ありません。
  • 摘要を記入
    ⇒代表取締役の変更があった日付を記入します。法人の登記事項証明書に記載されている登記年月日を記載して下さい。
  • 販売場の有無を選択
    ⇒法人の本店所在地を管轄する税務署の管轄内に、酒類を販売する営業所があるかを選択します。例えば、東京都渋谷区に本社があり、渋谷区内に酒類販売の店舗がある → 「あり」。東京都渋谷区に本社があるが、酒類販売は神奈川県の店舗のみで行っている → 「なし」を選択。

②役員が変更の場合の書き方と記載例

概要

書き方と注意点

  • 申請書の提出日と提出先の税務署を記入
    ⇒提出先の税務署は酒類販売場の所在地を所轄する税務署を記載します。法人の本店で酒類販売免許を取得していない場合は間違えないように注意してください。
  • 法人の本店所在地を記入
    ⇒法人の登記事項証明書に記載されている通りに記載するようにしてください。
  • 法人の本店の電話番号を記入
    ⇒法人の電話番号とは別に酒類販売店の電話番号がある場合には、法人の電話番号を記載します。
  • 法人名と代表取締役の名前を記入
    ⇒記載する代表取締役は変更後の代表取締役の名前を記載して下さい。
  • 法人番号を記入
    ⇒13桁の法人番号を記載します。12桁の会社法人番号と異なる点には注意が必要です。法人番号がわからない場合には国税庁法人番号公表サイトで確認が可能です。
  • 変更前の取締役の名前を記入
    ⇒変更前の全ての取締役の名前を記入します。
  • 変更後の代表取締役の名前を記入
    ⇒変更後の全ての取締役の名前を記入します。
  • 異動理由を記入
    ⇒異動理由については「取締役の交替に伴う異動のため」と記載すれば問題ありません。
  • 摘要を記入
    ⇒取締役の変更があった日付を記入します。法人の登記事項証明書に記載されている登記年月日を記載して下さい。
  • 販売場の有無を選択
    ⇒法人の本店所在地を管轄する税務署の管轄内に、酒類を販売する営業所があるかを選択します。例えば、東京都渋谷区に本社があり、渋谷区内に酒類販売の店舗がある → 「あり」。東京都渋谷区に本社があるが、酒類販売は神奈川県の店舗のみで行っている → 「なし」を選択。

酒類販売免許の代表者・役員変更の注意点

ここまで、酒類販売免許の代表者や役員の変更に関する異動申告書について解説してきましたが、上記以外にも変更に関して注意しなければならない点がいくつかあります。

そのため、酒類販売免許の代表者や役員を変更する場合には以下の点も合わせて確認するようにしてください。

代表者・役員変更の注意点

  • 新しい代表取締役や役員が酒類販売免許の欠格事由に該当しないか
  • 個人事業主から法人成りして免許を引き継ぐことはできない
  • 旧代表者や旧役員が管理者だった場合は管理者の変更が必要
  • 異動申告を怠った場合には行政指導などの可能性がある

新しい代表取締役や役員が酒類販売免許の欠格事由に該当しないか

酒類販売免許の代表者や役員を変更する場合、新しく就任する役員が酒類販売業免許の欠格事由に該当しない必要があります。

具体的には、新しく就任する代表者や役員が以下に該当しないかを確認してください。

酒類販売免許の欠格事由

  • 過去に酒類販売やアルコール事業の免許を取り消されたことがある
  • 2年以内に税金の滞納処分を受けたことがある
  • 過去3年以内に税金や酒類販売に関する法律違反で罰金を受けた
  • 20歳未満にお酒を提供したり、暴力行為で罰金を受けた
  • 過去3年以内に禁錮以上の刑を受けた

個人事業主から法人成りして免許を引き継ぐことはできない

冒頭で、個人事業主の代表者は変更できないと解説しましたが、個人事業主が法人成りした場合にも免許を引き継ぐことはできません。

理由は同じで、酒類販売免許は「事業者本人」に対して付与されるものであり、設立する法人とは別の事業者として扱われてしまうからです。

そのため、個人から法人成する場合には、新設する法人で新たに酒類販売免許を取得しなければなりません。

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旧代表者や旧役員が管理者だった場合は管理者の変更が必要

酒類小売業免許の販売場には、必ず酒類販売管理者を置かなければなりません。

そして、もし旧代表取締役や旧役員が酒類販売管理者を兼任していた場合、酒類販売管理者がいなくなってしまいます。

そのため、新たに酒類販売管理者を選任し、管理者の変更手続きも行わなければなりません。

因みに、旧代表取締役や旧役員が酒類販売管理者が役員を退任するだけで、従業員として残る場合には管理者の変更は不要です。

異動申告を怠った場合には行政指導などの可能性がある

代表取締役や役員の変更があった場合には、「直ちに」異動申告書を提出しなければなりません。

ただし、「〇日以内に提出」などの明確な期限は決められていないので、異動申告書の提出が後回しになってしまうケースが多いです。

異動申告書の提出が遅れたり怠った場合、明確な罰則などは定められていませんが、税務署から注意や行政指導が行われる可能性はあります。

そのため、仮に変更からかなり時間が経過してしまっていた場合でも、異動申告書を提出するようにしましょう。

まとめ

この記事のまとめ

  • 代表取締役・役員の変更は異動申告書の提出が必要
  • 個人事業主の代表者変更はできない
  • 法人成りの場合も変更ではなく新しく免許を取得
  • 異動申告書の提出期限は「直ちに」