酒類販売免許の種類

店頭販売酒類卸売業免許とは?取り方・必要書類・費用を解説

2026年1月10日

店頭販売酒類卸売業免許ってどんな免許?

申請に必要な書類や費用はどのくらいかかる?

店頭販売酒類卸売業免許は、店舗において他の酒類販売業者に対して全品目のお酒を卸売りできる免許です。

通常の全酒類卸売業免許と異なり、免許枠の制限がなく、要件を満たせば取得できる点が大きな特徴です。

ただし、販売相手は会員登録した酒類販売業者に限定され、配送は一切認められず店頭での対面引渡しのみという条件があります。

この記事では、店頭販売酒類卸売業免許の特徴から取得要件、申請に必要な書類、費用・期間まで詳しく解説します。

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この記事を書いた人

長島 雄太

NAGASHIMA行政書士事務所

NAGASHIMA行政書士代表。酒類免許専門の行政書士。酒類許可に関するメディアサイト「酒類許可ナビ」を運営しており、酒類免許の相談実績1000件以上。酒類許可の取得率100%。詳しいプロフィールはこちら → [運営者情報]

店頭販売酒類卸売業免許の3つの特徴

店頭販売酒類卸売業免許は、あまり知られていない酒類販売免許のひとつですが、ビジネスモデルによっては非常に活用しやすい免許です。

店頭販売酒類卸売業免許には以下のような3つの特徴があります。

  • 販売相手は会員登録した酒類販売業者のみ
  • 商品は店頭で直接引き渡す対面販売のみ
  • 全ての品目の酒類(清酒・焼酎・ビール等)を卸売りできる

販売相手は会員登録した酒類販売業者のみ

店頭販売酒類卸売業免許で販売できる相手は、酒類販売業免許を持つ「酒類販売業者」に限ります。

さらに、事前の会員登録を行った酒類販売業者のみが対象です。

たとえば、近隣の酒屋やスーパーなどの酒類小売業者を会員として登録し、その登録業者にたいして酒類の卸売が可能です。

商品は店頭で直接引き渡す対面販売のみ

店頭販売酒類卸売業免許では、卸売であっても配送は一切認められません。

買い手である販売業者が店舗に来店し、その場で商品を持ち帰る必要があります。

免許の名称にある「店頭」が条件となっており、配送を伴う卸売を行いたい場合は「全酒類卸売業免許」が必要です。

実際の取引では、買い手の酒類小売店が軽トラックなどで来店し、店頭で商品の引渡しを行います。

電話やFAXで注文を受けて配達する形式は認められていません。

全ての品目の酒類(清酒・焼酎・ビール等)を卸売りできる

店頭販売酒類卸売業免許の最大のメリットは、清酒・焼酎・ビール等を含む全酒類の卸売りができる点です。

お酒の品目に関係なく酒類販売業者に卸す場合、通常であれば全酒類卸売業免許の取得が必要です。

しかし、全酒類卸売業免許には地域ごとに厳しい定数(枠)が設けられており、免許の取得難易度がかなり高いです。

一方、店頭販売酒類卸売業免許には取得件数の枠制限がありません。

そのため、要件を満たしていれば店頭販売酒類卸売業免許の取得は可能です。

店頭販売酒類卸売業免許と全酒類卸売業免許の違い

店頭販売酒類卸売業免許全酒類卸売業免許
販売方法店頭のみ制限なし
販売相手会員のみ制限なし
免許取得の難易度普通難しい
取扱可能なお酒全酒類全酒類

店頭販売酒類卸売業免許と全酒類卸売業免許の主な違いは、「販売方法」「販売相手」「取得のしやすさ」の3つに分けられます。

全酒類卸売業免許は、配送を含めた柔軟な販売が可能で、販売相手にも制限がありません。

幅広い酒類販売業者と取引できる点が大きなメリットです。

ただし、地域ごとに免許の発行枠が決まっており、すぐに取得できるとは限りません。

場合によっては、免許取得ができるまで数年かかることもあります。

一方、店頭販売酒類卸売業免許は、販売は店舗での対面販売に限られ、購入できるのもあらかじめ登録された会員のみです。

しかし、免許枠の制限がなく、要件を満たせば比較的スムーズに取得できます。

なお、どちらの免許でも全酒類を取り扱える点は同じです。

そのため、広範囲な顧客に販売したい場合は「全酒類卸売業免許」地域の酒販店向けに店頭販売を中心とした営業を行いたい場合は「店頭販売酒類卸売業免許」が適しています。

店頭販売酒類卸売業免許の取得に必要な4つの要件

店頭販売酒類卸売業免許を取得するには、人的要件、場所的要件、経営基礎要件、需給調整要件の4つをすべて満たす必要があります。

1つでも要件を満たさない場合には免許を取得できないため、事前に必ず確認しましょう。

人的要件

人的要件とは、申請者が法律を守り、適切に事業を行える人物であるかを確認するための要件です。

法人の場合は、代表者だけでなく役員全員が対象になります。

酒類は、酒税という重要な税金が関わる商品です。

そのため、過去に税金のトラブルや法律違反がある人に免許を与えると、税金の未納や不正につながるおそれがあります。

こうしたリスクを防ぐため、人物面についても厳しく審査されます。

具体的には、以下に該当した場合には要件を満たしません。

人的要件

  • 過去2年以内に税金の滞納がある
  • 禁錮刑以上の刑罰を受けている
  • 酒税法違反や未成年者飲酒禁止法違反などで罰金刑を受けている

法人の場合、役員のうち一人でもこれらに該当すると、会社全体として免許を取得することはできません。

場所的要件

場所的要件とは、酒類の店頭卸売を行うための事業スペース(営業所や保管場所)が適切に確保されていることを求める要件です。

これは、他の事業者や生活空間と混同せず、適切にお酒を管理できる環境が必要とされるためです。

製造工場や飲食店、他の酒販店と同じ場所では認められません。

また、以下のようなケースでも審査に引っかかるケースがあるので注意が必要です。

ポイント

  • 自宅を事務所にする場合
  • 賃貸物件でオーナーから承諾が得られていない
  • 他の事業と同じフロアで区分けが曖昧
  • 賃貸借契約や管理規約で第三者の出入りが制限されている
  • 会員が来店して購入するための十分な店舗スペースがない
  • 在庫を保管するための倉庫や棚などのスペースが確保されていない

店頭販売酒類卸売業免許は、会員である酒類販売業者が直接来店して購入する形態のため、顧客が出入りできる環境と、すぐに販売できる在庫を置くスペースの両方が必要です。

そのため、専用の事業スペースを確保し、物件選びの段階からオーナーの承諾を得ておくようにしましょう。

経営基礎要件

経営基礎要件とは、事業を継続できるだけの資金力と、酒類ビジネスの経験・知識があるかを審査する要件です。

これは、財務状況が不安定な企業にお酒の販売を任せると、税金の徴収が不安定になるおそれがあるためです。

具体的には、以下のような項目がチェックされます。

経営基礎要件

  • 過去3期連続赤字ではないか
  • 十分な資本金と運転資金があるか
  • 酒類の販売業務に3年以上従事した経験があるか

つまり、健全な財務状況と一定の業界経験が求められます。

ただし、ビール卸売業免許や全酒類卸売業免許と比較すると、年間取引量の要件がなく、経験年数も短いため、取得のハードルは比較的低いといえます。

需給調整要件

需給調整要件とは、酒類販売業免許を付与することが酒類の需要と供給の均衡を著しく害することがないかを審査する要件です。

具体的には、申請場所における酒類の需要や既存の酒類販売業者の状況などを考慮して判断されます。

店頭販売酒類卸売業免許にも需給調整要件は存在しますが、ビール卸売業免許や全酒類卸売業免許のような地域ごとの免許可能件数の制限(いわゆる「枠」)や抽選制度はありません。

ビール卸売業免許全酒類卸売業免許では、地域ごとに免許可能件数が制限されており、申し込みが枠の上限を超えた場合は抽選となります。

一方、店頭販売酒類卸売業免許は会員制かつ店頭販売のみという制約があり、市場への影響が限定的であるため、より緩やかな基準で審査されます。

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店頭販売酒類卸売業免許の申請から取得までの流れ

店頭販売酒類卸売業免許は、営業所の管轄となる税務署に申請書を提出し、審査の結果、許可されることで取得できます。

取得までの具体的な流れは以下のようになります。

  • 酒類販売免許の取得要件をチェックする
  • 営業所となる場所を選定する
  • 仕入先・販売先を確保する
  • 管轄税務署へ事前相談に訪れる
  • 必要書類を揃える
  • 申請書類を作成する
  • 税務署へ申請書を提出する
  • 登録免許税を支払う
  • 免許証を受け取る

店頭販売酒類卸売業免許を取得する場合、まずは自社が免許要件を満たしているかどうかを確認します。

とりわけ法人においては、決算が連続して赤字であったり、税金の未納や滞納がある場合、要件を満たさず審査に通らないことがあります。

申請前に財務状況について税理士などに確認しておきましょう。

さらに、仕入先や販売先が確保できていないければ、申請を進めることができません。できるだけ早めに取引先を探しておくことをおすすめします。

なお、取引先については正式に契約まで済ませる必要はなく、あくまでも取引承諾書を取得できれば問題ありません。

事前に仕入先や販売先へ連絡し、免許取得後の取引が可能かどうか、また取引承諾書への署名に応じてもらえるかを確認しておくとよいでしょう。

取引先の目途が立ったら、営業所を管轄する税務署に相談へ行き、必要書類の内容や申請書の記載方法について説明を受けてください。

その後は担当者からの案内に従って書類を準備し、申請手続きを完了させましょう。

店頭販売酒類卸売業免許の申請に必要な書類

店頭販売酒類卸売業免許の申請に必要な書類は以下となります。

書類の種類個人法人
申請書必要必要
免許要件誓約書必要必要
履歴書必要必要
定款のコピー不要必要
法人の登記簿謄本不要
直近3年の財務諸表のコピー3期分の確定申告書必要
地方税の納税証明書(都道府県)必要必要
地方税の納税証明書(市区町村)必要必要
不動産登記事項証明書(土地)必要必要
不動産登記事項証明書(建物)必要必要
賃貸契約書のコピー
不動産所有者の使用承諾書
取引承諾書必要必要
免許申請書チェック表必要必要

これらの書類についてはそれぞれ注意点があるので、もっと詳しく酒類販売免許の必要書類の記事を合わせてご確認ください。

酒類販売免許の申請に必要な書類は基本的に共通している書類が多いのですが、会員名簿や会員規約については店頭販売酒類卸売業免許に特有の書類なので詳しく解説します。

会員名簿や会員規約を準備する

店頭販売酒類卸売業免許の申請では、会員名簿や会員規約の提出は必須書類ではありません。

これらの書類は店頭販売酒類卸売業を実際に営む上で必ず準備しなければならないものです。

また、税務署によっては申請時にあわせて提出を求められることもあるため、申請書の作成と同時に準備しておきましょう。

会員名簿

会員名簿は、将来的に会員として取引を行う予定の酒類販売業者を記載したリストです。

主に以下の情報を記載します。

  • 名称または氏名
  • 住所
  • 会員の酒類販売免許

会員規約

会員規約とは、入会の条件や販売の流れ、守るべきルールなどを定めた文書です。提出を求められるケースもありますが、決まった形式はないため、自作のもので構いません。

一般的な内容に加えて、以下のようなポイントを盛り込んでおくとよいでしょう。

  • 購入には会員登録が必要であること
  • 登録できるのは酒類販売業者に限ること
  • 登録時には、免許通知書などを使って住所・氏名・販売業者であることの確認を行うこと
  • 酒類は店頭での販売とし、購入時には来店が必要であること
  • 購入した酒類は購入者が自ら持ち帰ること

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店頭販売酒類卸売業免許の取得にかかる期間

内容期間
事前準備0.5~1ヶ月
必要書類の収集~作成0.5~1ヶ月
審査期間2か月
合計3~4カ月

店頭販売酒類卸売業免許の取得には、通常3〜4カ月かかります。

これは、事前準備から審査完了までスムーズに進めることができた場合の目安期間です。

最も時間がかかるのは、税務署による審査期間です。

国税庁の標準処理期間は2ヶ月と設定されており、この審査期間は申請者側では短縮できません。

少しでも早く取得したい場合は、申請前の準備段階でいかにスムーズに進められるかが重要になります。

また、書類の不備があると、追加提出や修正が発生し、結果としてさらに時間がかかってしまうので注意してください。

店頭販売酒類卸売業免許の取得にかかる費用

内訳費用
登録免許税90,000円
公的書類取得費用5,000円前後
合計95,000円前後

店頭販売酒類卸売業免許の取得には、約9.5万円の費用がかかります。

この費用の大部分は「登録免許税」という国に納める税金です。

酒類販売業免許を取得する場合、小売業免許は3万円、卸売業免許は9万円を収めなければなりません。

また、履歴事項全部証明書や納税証明書など各種証明書の発行手数料として、5,000円前後が別途発生します。

自分で申請すれば費用は抑えられますが、書類作成の手間や不備によるやり直しリスクを考慮し、行政書士に依頼するケースが一般的です。

行政書士に依頼した場合の報酬は14万円前後

内訳費用
登録免許税90,000円
公的書類取得費用5,000円前後
行政書士報酬136,591円
合計230,000円前後

店頭販売酒類卸売業免許の申請を行政書士に依頼した場合、報酬は14万円前後が相場です。

令和2年度の日本行政書士会の報酬統計調査によると、酒類販売免許の申請代行の全国平均は136,591円となっています。

登録免許税と公的書類取得費用を合わせると、総額で約20万円前後になります。

時間と手間をかけずに確実に免許を取得したい場合は、行政書士への依頼をおすすめします。

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まとめ

この記事のまとめ

  • 店頭販売酒類卸売業免許は店頭で全酒類卸売できる免許
  • 店頭販売酒類卸売業免許は会員に向けてしか販売できない
  • 店頭販売酒類卸売業免許は近隣への配達が認められていない
  • 全酒類卸売業免許取れない場合は店頭販売酒類卸売業免許がおすすめ