
酒類販売媒介業免許ってなに?
コールセンターは酒類媒介業免許が必要?
コールセンター代行、オークション運営、企業間マッチングなど、形態はさまざまですが、これらすべてに共通するのは「他人間の酒類の売買取引を継続的に媒介」という点です。
結論から言えば、酒類取引の相手方の紹介、意思の伝達又は取引内容の折衝等その取引成立のためにする補助行為をする場合は酒類販売媒介業免許が必要です。(法令解釈通達第2編第9条)
一方、広告掲載や物流代行など周辺業務のみであれば免許は不要となります。
この記事では、酒類販売媒介業免許が必要な具体例や取得要件、申請の流れまでわかりやすく解説します。
\専門家が5分で必要な免許と取得可能性を診断/
▶酒類商許可ナビ代行のサポート詳細ページに遷移します。
この記事を書いた人
酒類販売媒介業免許とは?

酒類販売媒介業免許は、酒類の売り手と買い手の間に立ち、継続的に取引を仲介するために必要な免許です。
自社で酒類の在庫を持たず、取引の仲介だけを行う場合でも、継続的に業務として行うなら免許が必要です。
たとえば、コールセンターで顧客の注文を受け提携酒販店に取り次ぐ事業、オークション会場で競りを進行する事業、企業間の酒類取引をマッチングする事業などが該当します。
この免許の大きな特徴は、自らは売買の当事者とならない点です。あくまで売り手と買い手の間に立ち、契約の成立を後押しし、対価として手数料を得る形に適用されるものです。
酒類販売媒介業と「酒類販売業」「酒類代理業」の違い
| 酒類販売業 | 酒類代理業 | 酒類販売媒介業 | |
|---|---|---|---|
| 売買の当事者になるか | なる | ならない | ならない |
| 契約の名義 | 自社名義 | 依頼者名義 | 売り手・買い手の名義 |
| 契約の決定権 | 自社にある | 依頼者の意思に基づいて行う | 自分にはない |
| 在庫の保有 | 自社で保有 | 保有しない | 保有しない |
| 主な収益 | 商品の販売利益 | 代理手数料や販売手数料 | 仲介手数料 |
酒類販売業は、自社で商品を仕入れて販売するスタイルです。価格や販売条件も自分で決めることができ、売買契約の当事者になります。
酒類代理業は、特定のメーカーや卸売業者の代わりに契約を結ぶ業態です(法令解釈通達第2編第9条)。契約は依頼者の名義で成立し、法的な効果も依頼者に帰属します。
媒介業は、売り手と買い手の間をつなぐ仲介役です。契約の当事者にはならず、価格や条件も決められません。取引が成立した際に手数料を受け取るしくみです。
酒類販売媒介業免許が必要になる具体例4つ

自社でお酒を仕入れず、売り手と買い手をつなぐビジネスには、酒類販売媒介業免許が必要です。
酒税法では、お酒を自社で所有しなくても、継続的に売買の仲介をして報酬を得る行為を媒介と位置づけ、免許の取得を義務づけています。
具体的には、以下のようなビジネスを行う場合に、酒類販売媒介業免許が必要です。
コールセンターによる酒類受注代行業務
酒類メーカーや通販業者に代わって、電話やメールで消費者からの注文を受け付ける代行業務も、酒類販売媒介業免許が必要です。
注文を受ける行為は売買契約を結ぶ重要な部分であり、これを継続的に請け負うと媒介行為とみなされます。
例えば、テレビショッピングや新聞広告を見た顧客からの電話注文を、外部のコールセンター会社がメーカーの代理で受け付ける場合が該当します。
酒蔵同士の桶買い、桶売りを斡旋する事業者
製造者どうしで行われる仕込み用のお酒の取引や、卸売業者間の大規模な売買を仲介するブローカー業務にも、酒類販売媒介業免許が必要です。
媒介業免許は消費者向けの取引だけでなく、企業間の取引仲介も対象で、紹介料を受け取る場合は免許取得が求められます。
たとえば、原料酒が足りない酒蔵と在庫に余裕がある酒蔵をつなぎ、売買契約を成立させてコンサルティング料や紹介料をもらう業務が当てはまります。
酒類オークション会場の運営における媒介業
ヴィンテージウイスキーや希少ワインなどを扱うオークション会場を運営し、オークショニアが競りを進行して出品者と入札者を結びつけ、落札管理を行う事業には、酒類販売媒介業免許が必要です。
運営者がオークションの進行を通じて売買取引の成立を補助し、落札価格に応じた手数料を受け取る行為は、酒税法で定める媒介に該当します。
たとえば、コレクター向けのヴィンテージウイスキー専門オークション会場を運営し、出品者から委託を受けた酒類を競りにかけ、落札者とつなぐ事業などが当てはまります。
ふるさと納税ポータルサイトの運営・代行
自治体から依頼を受けてふるさと納税のサイトを運営し、返礼品のお酒を選んだり配送を手配したりする業務も、酒類販売媒介業免許が必要です。
売買ではないものの、寄附をする人と自治体や生産者の間に入って、実質的な取引を支援する仕組みは媒介に該当します。
たとえば、地方創生事業を行う企業が自治体と協力して地酒を返礼品としてサイトに載せ、注文の受付から発送の手配まで一括して担当する形態が当てはまります。
\まずはお気軽にご相談下さい/
▶酒類許可ナビ代行のサポート詳細ページに遷移します。
酒類販売媒介業免許が不要な具体例3つ

契約の成立に関与しない業務や、酒税法上の「媒介」に該当しない支援業務については、免許は必要ありません。
たとえば、価格や数量の交渉など、取引条件の決定に関与せず、広告や物流などの周辺作業にとどまる業務であれば、酒税法の規制対象外となります。
契約の当事者同士をつなぐのではなく、その周辺をサポートする業務が該当します。
酒類販売媒介業免許が不要な具体例は以下の3つです。
ただし、ビジネスモデルや税務署の管轄によっては酒類販売媒介業免許が必要になる可能性がある点は注意が必要です。
こうした判断は形式ではなく実態に基づいて行われるため、自社の業務が媒介に該当するか不安がある場合は、必ず事前に税務署や専門家へ相談するようにしましょう。
酒類販売媒介業免許を取得するための要件4つ

酒類販売媒介業免許の免許を取得するには、「人・場所・経営・需給」の4つすべての要件を満たす必要があります(酒税法第10条)。
また、酒類販売媒介業免許独自の要件も設けられており、それらすべての要件を満たさなければなりません(国税庁|お酒に関するQ&A)。
以下では、それぞれの要件について詳しく解説します。
人的要件
申請者が法令を守れる人物であるかどうかが、審査されます。
法人の場合は、代表者だけでなく、取締役全員がこの要件を満たす必要があります。
これらのいずれかに該当する場合、免許はおりません。
ちなみに、税金の滞納については、単に滞納があるだけで直ちに不許可になるわけではありません。
滞納がある場合でも、支払いを済ませれば問題にならないケースが多いため、申請前に納税状況を整理しておくようにしましょう。
場所的要件
酒類販売媒介業の事業を行う場所として適切かを確認します。
具体的には、以下のような点に注意してください。
特に、レンタルオフィスについては契約形態によっては認められないケースもあるので注意が必要です。
経営基礎要件
経営基礎要件では、事業を安定して継続できるだけの資金力と、酒類業界に関する実務経験があるかどうかが確認されます。
具体的には、以下の要件をクリアしている必要はあります。
実務経験の要件については、管轄の税務署によって若干取り扱いが異なるケースがあります。
そのため、実務経験の要件を満たしていない場合には、事前に管轄の税務署に相談してみることをおすすめします。
需給調整要件
需給調整要件では、「誰と誰を、どれくらい繋ぐのか」といった取引の内容が確認されます。
これは、無計画な媒介業者の参入によって酒類市場が混乱するのを防ぐための制度です。
単なる構想や抽象的なビジネスモデルではなく、実現可能性のある明確な取引計画を示す必要があります。
具体的には、申請前に以下の準備する必要があります。
特に、取扱数量については「年間100キロリットル以上」が一つの基準となっており、この数字を下回ると、媒介業としての必要性が認められない可能性があります。
ちなみに、取引数量の目安は口頭でのやりとりや将来的な可能性だけでは認められず、必ず書面で証明する必要があります。
酒類販売媒介業免許の申請の流れ

酒類販売媒介業免許は、営業所を管轄する税務署に申請書を提出し、4カ月審査期間の後に許可されることで取得できます。
取得までの具体的な流れは以下のとおりです。
- スキーム図を作成し、ビジネスモデルを明確にする
- 自社のビジネスモデルが媒介業に該当するか税務署に事前相談する
- 仲介先となる売り手・買い手を確保する
- 必要書類を揃える
- 申請書類を作成する
- 税務署へ申請書を提出する
- 登録免許税を支払う
- 免許証を受け取る
酒類販売媒介業免許は、自社がお酒を仕入れずに売買の仲介だけを行うビジネスが対象です。
しかし、実際のビジネスモデルが媒介業に該当するのか、それとも別の免許が必要なのかの判断は専門的で難しいケースも多いです。
そのため、まずは売り手と買い手の関係、お金や商品の流れ、契約の成立プロセスなどを図にまとめたスキーム図を作成してください。
口頭での説明だけでは誤解が生じやすいため、視覚的に理解できる資料を用意するようにしましょう。
スキーム図が完成したら、それを持参して管轄の税務署へ相談に行き、自社のビジネスが媒介業に該当するかどうかを確認します。
特に、酒類販売媒介業免許は申請者の年平均取扱見込数量が100キロリットル以上であることが必要です。
取引承諾書を準備する際には、仲介する取引量が基準を満たすかどうかにも注意してください。
\専門家が5分で必要な免許と取得可能性を診断/
▶酒類商許可ナビ代行のサポート詳細ページに遷移します。
酒類販売媒介業免許の申請に必要な書類

酒類販売媒介業免許の申請に必要な書類は以下となります。
| 書類の種類 | 個人 | 法人 |
|---|---|---|
| 申請書 | 必要 | 必要 |
| 免許要件誓約書 | 必要 | 必要 |
| 履歴書 | 必要 | 必要 |
| 定款のコピー | 不要 | 必要 |
| 法人の登記簿謄本 | 不要 | △ |
| 直近3年の財務諸表のコピー | 3期分の確定申告書 | 必要 |
| 地方税の納税証明書(都道府県) | 必要 | 必要 |
| 地方税の納税証明書(市区町村) | 必要 | 必要 |
| 不動産登記事項証明書(土地) | 必要 | 必要 |
| 不動産登記事項証明書(建物) | 必要 | 必要 |
| 賃貸契約書のコピー | △ | △ |
| 不動産所有者の使用承諾書 | △ | △ |
| 取引先と媒介数量の証拠となる書類 | 必要 | 必要 |
| 媒介依頼書やビジネススキーム図 | 必要 | 必要 |
| 免許申請書チェック表 | 必要 | 必要 |
これらの書類についてはそれぞれ注意点があるので、もっと詳しく酒類販売免許の必要書類の記事を合わせてご確認ください。
酒類販売免許の申請に必要な書類は基本的に共通している書類が多いのですが、以下の2つ書類については酒類販売媒介業免許に特有の書類なので詳しく解説します。
取引先と媒介数量の証拠となる書類
年平均取扱見込数量が100キロリットル以上であることを示すには、数値を裏付ける客観的な資料を提出する必要があります。
具体的には、媒介先となる予定の酒造メーカーや販売店との間で取り交わした取引承諾書や契約書などが該当します。
取引先の数に決まりはありませんが、複数の取引先を合算した結果として、年平均で100キロリットル以上になることを書面上で確認できる状態にしなければなりません。
媒介依頼書やビジネススキーム図
審査の際に、取引内容を正しく理解してもらうため、取引の全体像を示したスキーム図と、媒介を依頼されている事実を示す媒介依頼書を提出します。
物流やお金の流れが不明確な場合、実態として卸売業や小売業に該当する行為と誤解されるおそれがあるからです。
そのため、税務署の審査官が見てすぐに理解できるよう、図解でわかりやすく説明する必要があります。
スキーム図では、メーカーから購入者へ商品がどのように流れるのか、購入者からメーカーへ代金がどのように支払われるのか、そしてメーカーから自社へ手数料が支払われる流れを明確に示す必要があります。
あわせて、自社が在庫を保有しないこと、売買契約の当事者にならない立場であることも分かるようにしておくといいです。
酒類販売媒介業免許が取れない場合の代替案

酒類販売媒介業免許には、「年平均取扱見込数量が100キロリットル以上」という厳しい条件があり、小規模な事業者にとっては取得のハードルが高めです。
取引規模が基準に届かない場合や、取引見込みを裏付ける書類の準備が難しい場合、酒類販売媒介業免許の取得はできません。
このようなケースでは、代替案として小売業免許や卸売業免許の取得を検討してみてください。
たとえば、自社で在庫を持ち、酒類の販売を自ら行う形にすれば、小売業免許の対象となります。
通信販売酒類小売業免許を取得すれば、インターネットを通じて消費者や法人に向けた販売が可能になります。
また、販売先が酒類販売業者である場合は、卸売業免許が必要です。卸売業には複数の区分があり、取引先や取り扱う酒類の種類に応じて、申請すべき免許が変わってきます。
このように、媒介業としての免許取得が難しい場合でも、事業の形を見直すことで他の免許で対応できる可能性があります。
酒類販売免許を取得するなら酒類許可ナビ代行

できるだけ早く免許を取得したい…
不安なことを色々相談しながら申請を進めたい…
そんな方は、酒類販売免許の専門家が事前相談から免許取得まで徹底的にサポートいたします。
\無料診断・無料相談はこちら/
※初回無料相談・全国対応。受付時間9:00~18:00(土日祝日も対応可!)
\1分でかんたん入力/
※初回相談無料・全国対応・土日OK!
まとめ
この記事のまとめ
- 酒類販売媒介業免許とは他人間の酒類の売買取引を継続的に媒介する免許
- コールセンターで酒類を受注代行する場合には酒類販売媒介業免許が必要
- ビジネスモデルや管轄税務署によっては酒類販売媒介業免許の要不要判断が異なることも
- 酒類販売媒介業免許が必要か不安な場合は税務署や専門家に相談
長島 雄太
NAGASHIMA行政書士事務所