免許取得後の手続き

酒類販売免許の更新は必要?有効期限・手続き・注意点を徹底解説

酒類販売免許は更新手続が必要?

酒類販売免許の有効期限や必要な手続きを詳しく知りたい…

酒類販売免許を取得した後に気になるのが有効期限や更新についてだと思います。

結論から先にいうと、酒類販売免許には有効期限はないので、更新手続は必要ありません。

ただし、更新手続が不要だからと言って、取得後は何もしなくて良いというわけではなく、状況に応じて手続きしなければならないケースもあります。

そこで、この記事では酒類販売免許の更新や有効期限、必要な手続きや注意点についてわかりやすく解説します。

この記事を書いた人

長島 雄太

NAGASHIMA行政書士事務所

NAGASHIMA行政書士代表。酒類免許専門の行政書士。酒類許可に関するメディアサイト「酒類許可ナビ」を運営しており、酒類免許の相談実績1000件以上。酒類許可の取得率100%。詳しいプロフィールはこちら → [運営者情報]

酒類販売免許は期限はないので更新不要

酒類販売免許には、原則、有効期限はありません。

そのため、一度免許を取得すれば、更新手続は不要です。

ただし、免許の種類によっては有効期限があったり、免許の更新はないけど管理者講習の更新が必要な場合があります。

具体的には、以下のような場合に注意が必要です。

注意ポイント

  • 期限付き酒類小売業免許には有効期限がある
  • 一般小売業免許の管理者研修は更新が必要

期限付酒類小売業免許の場合は有効期限がある

酒類販売免許には、通信販売小売業免許洋酒卸売業免許輸出酒類卸売業免許輸入酒類卸売業免許など、いろいろな種類の免許がありますが、基本的にはほぼすべての免許に有効期限はありません。

しかし、期限付酒類小売業免許については、その名の通り、有効期限が設けられています。

期限付酒類小売業免許とは、展示会やイベントなどに期間限定で臨時的にお酒を販売するための免許のことです。

この免許に限っては有効期限を過ぎた場合には、期限付き酒類小売業免許を届け出た場所でお酒を販売することはできません。

そのため、期限付酒類小売業免許の販売期間を延長したい場合には「届出による期限付酒類小売業免許期限延長申出書」により、更新に似た手続きを取る必要があります。

一般小売業免許の管理者研修は更新が必要

一般酒類小売業免許には、有効期限がないので更新は不要なのですが、酒類販売管理者が受講しなければいけない酒類販売管理研修には有効期限があります。

酒類販売管理者とは、店頭でお酒を販売する際の販売責任者の事で、一般酒類小売業免許でお酒を販売する場合には、必ず店舗に1人は酒類販売管理者を置かなければなりません。

そして、この酒類販売管理者は3年に1度、酒類販売管理研修を受講するように義務づけられています。

しかも、その更新を怠った場合には、50 万円以下の罰金となる可能性があるので、酒類販売管理者講習の更新を忘れないように注意する必要があります。(酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律 第98条2の3)

酒類販売免許の更新以外に必要な手続きと注意点

上記では酒類販売免許には有効期限がないので更新手続が不要と解説しました。

確かに、免許を維持するための更新手続は不要なのですが、だからと言って免許を維持するために何もしなくて良いというわけではありません。

具体的には、以下のような場合には更新手続は不要ですが、別の手続きが必要となります。

手続が必要なケース

  • 個人から法人成りしたら新規申請手続き
  • 販売できるお酒や販売方法の変更は条件緩和手続き
  • 販売場所の変更は販売場移転手続き
  • 代表者や役員の変更は異動申告手続き
  • 管理者の変更は管理者選任(解任)届出手続き

上記は、それぞれ酒類販売免許の変更に関する手続きですが、変更内容によって必要な手続きが異なりややこしいです。

そのため、もし、どのような手続きが必要か分からない場合には、専門家に相談するのがおすすめです。

弊所では、酒類販売免許の新規申請だけではなく、各種変更手続きに関する申請も対応しておりますので、まずはお気軽にご相談下さい。

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個人から法人成りしたら新規申請手続き

個人から法人成りした場合、個人で取得した免許をそのまま法人で使う事はできません。

なぜなら、法律上、個人と法人は全く別の存在として扱われるからです。

例えば、山田さんが個人事業主で山田酒店を経営しており、法人化して株式会社YAMADAを設立し、代表取締役に就任したとします。

この場合、株式会社YAMADAの代表取締役は山田さんですが、山田さん個人の酒類販売免許を使って法人でお酒を販売することはできません。

そのため、法人でお酒を販売したいなら、法人で酒類販売免許を新たに取得する必要があります。

詳しくは「酒類販売免許を個人から法人化するには?法人成りの手続きと注意点」の記事をご確認ください。

注意ポイント

法人成したのに、個人の酒類販売免許を使ってお酒の販売を行った場合には、無免許販売として1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。(酒税法第56条)

販売できるお酒や販売方法の変更は条件緩和手続き

酒類販売免許は、免許の種類によって販売できるお酒や販売方法に制限が設けられています。

そのため、販売できるお酒や販売方法を増やしたい場合には、条件緩和手続きにより制限を解除しなければなりません。

例えば、一般酒類小売業免許では通信販売はできないので、通信販売をしたい場合には条件緩和により、今持っている一般小売業免許に追う新販売小売業免許を追加する必要があります。

酒類販売免許の条件緩和とは?通信販売で小売やお酒の種類を増やせる?」の記事で詳しく解説しているので、もっと詳しく知りたい方が是非チェックしてみてください。

注意ポイント

取得している免許で販売できるお酒や販売方法以外でお酒を販売した場合には、無免許販売として1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。(酒税法第56条)

販売場の変更は販売場移転手続き

酒類販売免許は、販売場所としての要件を満たした場所に与えられます。

そのため、販売場を移動する場合には、再度、場所の要件が審査される「販売場移転手続き」が必要になります。

一方で、酒類の販売場は異動せず、本社の住所だけを変更する場合には次に紹介する「異動申告手続き」が必要になります。

どちらの手続きが必要なのか詳しく知りたい場合には、「酒類販売免許の住所変更|販売場の移転手続きと許可申請書の記入例」の記事をご確認ください。

注意ポイント

酒類販売免許を取得した場所以外でお酒を販売した場合、無免許販売として1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。(酒税法第56条)

代表者や役員の変更は異動申告手続き

酒類販売免許を取得した法人の代表取締役や役員に変更があった場合には、異動申告手続きをしなければなりません。

また、酒類販売免許の要件には、法人の全ての役員が欠格事由に該当しないことが求められます。

そのため、新たに法人の役員を追加するような異動申告の場合には、事前に欠格事由に該当しないかを確認しておく必要があります。

一方で、代表取締役や役員の住所などに変更があった場合には手続き特に不要です。

代表者や役員の変更について詳しくは「酒類販売免許の代表者や役員の変更手続きガイド|必要書類や注意点も解説」の記事をご確認ください。

補足ポイント

変更後は「直ちに」異動申告手続きを行わなければならないが、特に罰則などの規定はない。

管理者の変更は管理者選任(解任)届出手続き

冒頭でも少し触れましたが、一般酒類小売業免許を取得し、店頭でお酒を販売する場合には、酒類販売管理者を1人選任しなければなりません。

そして、選任した管理者が変わった場合には、2週間以内に管理者選任(解任)届出手続きが必要となります。

もちろん、新たに酒類販売管理者となる人も、酒類販売管理研修を受講済みでなければならない点は注意が必要です。

酒類販売管理者の変更については「酒類販売管理者の変更手続き完全ガイド|氏名や住所変更の手続きは?」の記事で詳しく解説しています。

注意ポイント

管理者の変更届出を怠った場合には、10万円以下の過料に処される可能性があります。(酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律 第101条12項

まとめ

この記事のまとめ

  • 酒類販売免許には有効期限がなく原則的に更新不要
  • 期限付酒類小売業免許は例外的に有効期限がある
  • 小売店については酒類販売管理者研修の更新は必要
  • 変更事由があった場合には更新ではなく変更手続きが必要