酒類販売免許の種類

通信販売酒類小売業免許とは?|難易度や条件~取り方や費用まで解説

2025年1月19日

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通信販売酒類小売業免許って何?

通信販売酒類小売業免許の取得条件や難易度が知りたい!

ネットでお酒を販売する場合に必要となる「通信販売酒類小売業免許」。

ネットでお酒を販売する場合以外にも必要なケースや、販売できるお酒の種類が制限されている等、かなり複雑な免許となっています。

そこで、この記事では酒類販売免許の専門家が「通信販売酒類小売業免許とは?」や、通信販売酒類小売業免許の難易度や条件、取り方や費用までを徹底的に解説します。

この記事を書いた人

長島 雄太

NAGASHIMA行政書士事務所

NAGASHIMA行政書士代表。酒類免許専門の行政書士。酒類許可に関するメディアサイト「酒類許可ナビ」を運営しており、酒類免許の相談実績1000件以上。酒類許可の取得率100%。詳しいプロフィールはこちら → [運営者情報]

通信販売酒類小売業免許とは?

通信販売酒類小売業免許とは、わかりやすくいうと「ネットなどを利用して2都道府県以上の広範な地域の消費者に対してお酒を小売できる免許」のことです。

まず、酒類販売免許は「酒類小売業免許」と「酒類卸売業免許」の2つに分けられ、それぞれお酒を販売する相手が異なります。

  • 酒類小売業免許・・・飲食店や一般消費者にお酒を販売する免許
  • 酒類卸売業免許・・・酒屋や酒類卸売業者にお酒を販売する免許

そして、飲食店者や一般消費者に対してお酒を販売する酒類小売業免許の内、ネット等でお酒を販売する免許のことを通信販売酒類小売業免許といいます。

因みに、「通信販売」となっていますが、インターネットという販売方法を指すのではなく、2都道府県以上の広範囲な地域のお客さんにお酒を販売することを意味しています。

つまり、ネットを使わなくても、2都道府県以上の広範囲な地域のお客さんにお酒を販売する場合には「通信販売酒類小売業免許」が必要というわけです。

例えば、営業所が東京都にあり、東京都以外の都道府県にもお酒を販売する場合には、仮にカタログ郵便や電話、メールなどで注文を受けていても、2都道府県以上の地域に販売するので「通信販売酒類小売業免許」が必要です。

一方で、営業所が東京都にあり、東京都内のお客さんに対してしかお酒を販売しない場合には、仮にネットを使ってお酒を販売したとしても、「一般酒類小売業免許」が必要となります。

通信販売酒類小売業免許で販売できるお酒の種類は制限がある

国産酒輸入酒
大手メーカーのお酒販売できない全酒類のお酒が販売可能
中小メーカーのお酒課税移出数量が3,000キロリットル未満のお酒のみ販売可能全酒類のお酒が販売可能

通信販売酒類小売業免許でお酒を販売する場合、日本国内の大手メーカーお酒については販売できず、中小酒造メーカーのお酒しか販売できません。

中小酒造メーカーのお酒とは、具体的には、前年度に出荷したお酒の量が、製造しているお酒の全ての種類で3,000キロリットル未満の酒造メーカーが作るお酒しか販売できません。

なぜ、このような制限をもうけているのかというと、無制限にネットを通じてどんなお酒でも販売できてしまうと、地方の小規模な酒蔵が破綻してしまう可能性があります。

そのため、小規模な酒蔵を保護し、地域経済やお酒の多様性を守るためにネットで販売できるお酒に制限が設けられているというわけです。

一方、海外から輸入したお酒に関しては、特に制限はないのでどのようなお酒を販売しても問題ありません。

国内大手メーカーのお酒も販売できる旧酒類小売業免許(ゾンビ免許)

上記で解説したととおり、通信販売酒類小売業免許では国内の大手メーカーのお酒を販売することはできません。

しかし、ネット通販を見ていると、国内の大手メーカーのお酒を販売している業者を見かけたことはありませんか?

実は、国内大手メーカーのお酒も販売できる免許があります。

それが、1989年以前に取得された旧酒類販売業免許(通称:ゾンビ免許)です。

といのも、1989年の法律改正により「一般酒類小売業免許」、「通信販売酒類小売業免許」と分類されたのですが、1989年以前の免許にはそのような分類が存在しないため、今のような制約を受けることなくお酒を小売できるというわけです。

そのため、これから酒類販売事業を始める場合、旧酒類販売業免許を保有している会社を買収する以外に、ネット通販では国内大手メーカーのお酒を販売する手段はないというわけです。

因みに、通信販売酒類小売業免許で大手メーカーのお酒を販売すると、酒税法違反となるので注意してください。

通信販売酒類小売業免許の取得難易度は3.5/5点

酒類販売免許の取得難易度の中でも、通信販売酒類小売業免許の取得難易度は最も取得しやすいです。

ただし、国内のお酒を販売する場合には、酒造メーカーから証明書を取得する必要がでてくるので、少し難易度が上がります。

以下、それぞれの項目について難易度を簡単に解説していきます。

通信販売酒類小売業免許難易度(5点満点)
酒類販売の経験(3/5点)
事業経営の経験(3.5/5点)
仕入の確保(3.5/5点)
書類の作成(4/5点)
総合評価(3.5/5点)

酒類販売の経験(3/5点)

通信販売酒類小売業免許を取得するには、酒類販売経験が求められます。

ただし、一般酒類小売業免許のように「酒類販売の経験が3年以上必要」といった具体的な期間が示されていないので、一定程度の酒類販売経験があれば問題ありません。

また、仮に酒類販売経験が全くない場合でも、通信販売酒類小売業免許を取得できる可能性は十分にあります。

詳しくは後程解説する「通信販売酒類小売業免許は未経験でも取れる?」の部分をご確認ください。

事業経営の経験(3.5/5点)

通信販売酒類小売業免許の取得にはお酒を販売するに経営能力や販売能力が求められます。

ただし、こちらについても酒類販売の経験と同様に、そこまで厳格な基準があるわけではありません。

事業経験がなくても、これまでのビジネス経験だけで認められるケースも十分にあります。

仕入の確保(3.5/5点)

通信販売酒類小売業免許のを取得した場合には、酒類小売業免許を持つお店から仕入れることはできません。

例えば、近くのディスカウントストアやネットの激安通販サイトなどから仕入れはできず、酒類卸売業免許をや酒造メーカーからしか仕入はできません。

なぜなら、酒類小売業免許がお酒を販売できる相手は、飲食店や一般消費やに限定されているからです。

しかも、仕入れ先の情報については申請書に記載しなければならなので、事前に仕入先を開拓しておく必要があります。

また、国内の中小メーカーのお酒を販売する場合には、そのメーカーから課税移出数量証明書(3000kl未満の証明書)を取得して、申請書と併せて提出必要があります。

そのため、酒造メーカーとの関係構築なども必要になるので、より取得難易度は高くなります。

課税移出数量証明書とは?

課税移出数量証明書とは、酒造メーカーが自社のお酒は通信販売小売業免許で販売できるお酒であることを証明する書類のことです。

書類の作成(4/5点)

通信販売酒類小売業免許の申請書の作成は難易度が高いです。

なぜなら、通常の申請書の作成に加えて、通信サイトのレイアウトなども作成して提出する必要があるからです。

そして、通信サイトのレイアウトについては「特定商取引に関する法律の消費者保護関係規定」や「二十歳未満の者の飲酒防止に関する表示基準」を満たしたものでなければなりません。

例えば、特定商取引法に基づく表記や、未成年の飲酒禁止に関する文言の表記を全て正しく配置して作成しなければなりません。

そのためには、かなり専門的な知識も必要となるので、書類の作成については難易度が高いと言えます。

通信販売酒類小売業免許は個人や未経験者でも取れる?

通信販売酒類小売業免許の取得を検討している方の中には、個人で免許を取得できるのか知りたい方や、未経験でも取得が可能なのか知りたい方もいると思います。

そこで、以下ではそれぞれに解説します。

個人でも通信販売酒類小売業免許は取れる

通信販売酒類小売業免許は個人でも取得が可能です。

ただし、個人で通信小売業免許を取得した場合には、通販サイトに申請者の名前や自宅住所を記載しなければならない点は注意が必要です。

また、個人で申請する場合には、添付書類として求められている直近3年間の決算書コピーが提出できないため、代わりとなる書類を税務署に確認して提出する必要があります。

具体的には、直近3年分の確定申告書のコピーや源泉徴収票のコピーです。

とわいえ、個人で通信販売酒類小売業免許を申請するからといって、法人よりも免許を取りにくいというわけではないので安心してください。

未経験でも通信販売酒類小売業免許は取れる

酒類販売経験や事業経営経験がなくても通信販売酒類小売業免許は可能です。

なぜなら、通信販売酒類小売業免許の申請者に求められている要件は、「酒類の通信販売を適正に行うため、十分な知識や経営・販売能力がある」であり、具体的にどれぐらいの経験や能力が必要としめされていないからです。

つまり、一定の販売能力や酒類販売に関する知識を身に付けることができれば、要件をみたしていることになります。

例えば、販売能力についてはこれまでの仕事での経験であったり、酒類販売に関する知識については「酒類販売管理者研修」を受講することで認めれれるケースもあります。

もちろん、この点に関してはこれまでの職歴などで個人差がでますが、酒類販売経験や事業経営経験がないからといって免許が取れないわけではありません。

実際に、NAGASHIMA行政書士事務所でも、これまでにたくさんの未経験者の方から依頼を受けて、無事に通信販売酒類小売業免許を取得できています。

通信販売酒類小売業免許の取得にかかる費用は4万円

通信販売酒類小売業免許の取得にかかる費用は大体4万円前後です。

その内訳については以下となります。

個人法人
登録免許税30,000円30,000円
公的書類の取得費用4,000円前後5,000円前後
酒類販売管理研修4,500円前後4,500円前後
合計約39,000円約40,000円

詳しい費用の内訳や行政書士の代行費用の相場については「酒類販売免許の取得費用は?|個人・法人別や行政書士の代行料金の平均相場」をご確認ください。

行政書士の代行費用の相場は13万円前後

通信販売酒類小売業免許の申請は専門家である行政書士に依頼して取得するケースが多いです。

というのも、上記でも少し触れましたら、通信販売酒類小売業免許は通常の申請書に加えて通販サイトに関連する書類も提出しなければならないからです。

通販サイトに関連する書類とは、例えば、サイトのレイアウトだけではなく、申込確認メールや注文完了メール、入金確認メール、納品書などです。

そして、これらの全てが「特定商取引に関する法律の消費者保護関係規定」や「二十歳未満の者の飲酒防止に関する表示基準」を満たしていなければなりません。

そのため、行政書士に依頼して、税務署とのやり取りや申請書の作成を丸投げする方が多いというわけです。

因みに、通信販売酒類小売業免許の行政書士事務所の平均的な相場は13万円程度です。

一方で、『酒類許可ナビ』を運営しているNAGASHIMA行政書士事務所では11万円前後ですので、免許の取得を考えている方は是非弊所へのご依頼も検討下さい。

行政書士事務所
の平均相場
NAGASHIMA
行政書士事務所
登録免許税30,000円30,000円
公的書類の取得費用4,500円前後4,500円前後
酒類販売管理研修4,500円前後4,500円前後
行政書士の費用130,000円前後110,000円前後
合計約170,000円約150,000円

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通信販売酒類小売業免許の取得にかかる期間は4~6カ月

自分で通信販売酒類小売業免許申請をした場合、免許の取得までにかかる期間は約4~6カ月程度です。

取得までにかかる期間の内訳は以下のようになります。

自分で申請行政書士に依頼
必要書類の収集1~1.5か月0.5か月
書類の作成1~1.5か月0.5か月
税務署の審査2~3カ月2か月
合計4~6カ月3カ月

特に時間が掛かるのは税務署での審査です。

税務署では通信販売酒類小売業免許の標準審査期間を2カ月間と公表されています。

標準審査期間とは申請書が受理されてから許可がおりるまでの目安期間を意味します。

ただし、この2か月というのはあくまでもスムーズに審査が進んだ場合の目安期間であり、提出書類の不備や追加調査が必要な場合、期間が延長されることもあります。

そのため、申請書を提出する際には申請書の記入ミスや、添付書類の不足がないように提出するようにしましょう。

また、通信販売酒類小売業免許の申請には不動産所有者の承諾書や、3000kl未満の証明書の取得にもかなり時間がかかる可能性があるので、余裕を持ったタイムスケージュールで進めることをおすすめします。

酒類販売免許の取得期間について、詳しくは「酒類販売免許の準備~許可取得までにかかる期間は?最短何日で取れる?」で解説しています。

通信販売酒類小売業免許の取得条件は4つ

通信販売酒類小売業免許を取得するには、以下の4つの全てを満たす必要があります。

  • 酒類販売者として相応しいか?
  • 営業場所として相応しいか?
  • 酒屋を経営する能力があるか?
  • 販売するお酒の制限を守っているか?

酒類販売免許の要件については「酒類販売免許の要件」の記事で詳しく解説しているので、以下ではそれぞれについて簡潔に説明します。

酒類販売者として相応しいか?

通信販売酒類小売業免許を取得してお酒を販売するということは、国から正式に認められてお酒を販売する資格を得ることを意味します。

そのため、国がお酒を売るのに相応しくないと判断した人物に対してこの免許を交付することはありません。

具体的には以下のような人は酒類販売者として相応しくないと判断されます。

相応しくない人

  • 過去に酒類販売免許や酒類製造免許の取消処分を受けて3年が経過していない人
  • 申請前2年内において国税や地方税の滞納処分を受けた人
  • 国税や地方税に関する法令に違反して、罰金や申告処分を受けてらから3年が経過していない人
  • 未成年者飲酒禁止法や風営法、刑法などの法律違反で罰金を支払ってから3年が経過していない人
  • 禁固刑以上の刑に処されてから3年が経過していない人

上記のどれか1つでも該当する場合には、酒類販売者として相応しくないと判断され、免許の取得ができません。

また、法人の場合には、法人の全ての役員が上記に該当しない必要があります。

営業場所として相応しいか?

次に、営業場所が免許の要件を満たしているかが審査されます。

以下のような場所は通信販売酒類小売業の営業所として不適切な場所と判断される場合があります。

不適切な場所

  • 他の人がすでに酒類販売免許を取得している場所
  • 他の人が借りている場所を一部間借りしている場所

上記のような場所では、基本的には通信販売酒類小売業を取得することができません。

しかし、例外的に区画が明確に区分され、専属の従業員や独立した決済システムがある場合、営業場所として認められる可能性があります。

因みに、インターネットでのみでお酒を販売する場合でも、営業所は必ず必要となる点には注意が必要です。

詳しくは「酒類販売免許の販売場の要件」をご確認ください。

酒屋を経営する能力があるか?

経営能力が不足していると判断される場合、通信販売酒類小売業はできません。

具体的には、以下に該当する場合です。

経営能力が不足していると判断されるケース

  • 国税又は地方税を滞納している
  • 1年以内に銀行取引を停止されている
  • 法人が債務超過に陥っている
  • 法人が3年連続赤字で、その赤字が3年連続で資本等の額の20%以上
  • 酒税法違反で通告処分を受けて、不履行や告発されている
  • 営業所が建築基準法や都市計画法、その他の法律に違反し店舗の除去や移転を命じられている
  • お酒の適正な販売管理体制を整えられないことが明らか
  • 酒類の通信販売を適正に行うため、十分な知識や経営・販売能力を有さない
  • お酒を継続的に販売する資金がない

因みに、免許の取得要件として「酒類の通信販売を適正に行うため、十分な知識や経営・販売能力」が求められますが、「通信販売酒類小売業免許は個人や未経験者でも取れる?」のところでも解説したとおり、必ずしも酒類販売経験や経営経験が必要というではありません。

あくまでも、これまでの職歴や経験、酒類販売管理者研修の有無などから総合的に判断されます。

販売するお酒の制限を守っているか?

通信販売酒類小売業免許を取得する為には、販売するお酒の制限を守らなければなりません。

具体的には以下の2つ以外のお酒を販売する場合には、通信販売酒類小売業免許を取れません。

販売できるお酒の制限

  • 前年度に出荷したお酒の量が、製造しているお酒の全ての種類で3,000キロリットル未満の酒造メーカーが作るお酒
  • 輸入酒

因みに、「前年度に出荷したお酒の量が、製造しているお酒の全ての種類で3,000キロリットル未満の酒造メーカーが作るお酒」を販売する場合には、課税移出数量証明書(3000キロリットル未満の証明書)を税務署に提出しなければなりません。

この書類を提出することで、販売するお酒がネットで販売しても良いお酒であることを税務署に対して証明します。

通信販売酒類小売業免許を取得するには講習を受ける必要がある

通信販売酒類小売業免許を取得してお酒を販売する場合、必ず「酒類販売管理者」を選任しなければなりません。

酒類販売管理者とは、お酒販売において適正な業務を管理する責任者のことで、関連する法律に関する知識が求められる重要な役割です。

つまり、酒類販売管理者には一定の知識が必要ですが、関連する法律を学んで理解するのは難しいです。

そのため、酒類販売管理者を対象とした「酒類販売管理研修」という講習が行われています。

酒類販売管理者研修の概要

  • 受講必須・・・通信販売酒類小売業免許を取得する場合、酒類販売管理者になる人はこの講習を受講しなければなりません。
  • 受講料・・・約5,000円
  • 所要時間・・・1日(約3時間程度)
  • 実施場所・・・各都道府県で開催
  • 更新・・・酒類販売管理者は3年ごとにこの講習を再受講する必要があります。

因みに、この講習は酒類販売管理者を対象としたものですが、酒類販売経験がない人にも受講をおすすめします。

なぜなら、講習を受けることで酒類販売に関する基本的な知識を身につけたとみなされ、通信販売酒類小売業免許の取得要件である「酒類の通信販売を適正に行うための十分な知識」を身に付けたと判断される可能性が高いからです。

通信販売酒類小売業免許の取り方と取得までの流れ

ここからは、通信販売酒類小売業免許の取り方と流れについて解説します。

まず、通信販売酒類小売業免許の取り方についてですが、申請書と必要書類を管轄の税務署に提出し、審査の結果、許可された後に登録免許税3万円を支払うことで取得できます。

そして、通信販売酒類小売業免許の取得までの流れは以下となります。

  • 取得する酒類販売免許の要件を確認する
  • 免許を取得する営業所を決める
  • 営業所を管轄する税務署に相談に行く
  • 酒類販売管理者研修を受講する
  • 酒類販売免許の必要書類を収集する
  • 酒類販売免許の申請書を作成する
  • 申請書を税務署に提出する
  • 登録免許税を納める
  • 酒類販売免許の許可証を受取る

因みに、通信販売免許の場合には、特に通販サイトのレイアウトの作成が難しいです。

そのため、自分で申請書を作成する際には、レイアウトの作成時の注意点や、その他に作成が必要となる書類について税務署の担当者に確認しておくことをおすすめします。

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通信販売酒類小売業免許の必要書類一覧(個人・法人別)

通信販売酒類小売業免許の必要書類は以下となります。

書類の種類個人法人
申請書必要必要
免許要件誓約書必要必要
履歴書必要必要
定款の写し不要必要
法人の登記簿不要
直近3年の財務諸表のコピー3期分の確定申告書必要
地方税の納税証明書(都道府県)必要必要
地方税の納税証明書(市区町村)必要必要
土地の不動産登記簿必要必要
建物の不動産登記簿必要必要
賃貸契約書のコピー
不動産所有者の使用承諾書
課税移出数量証明書国産酒を販売する場合に必要国産酒を販売する場合に必要
ネット通販関連の書類必要必要
免許申請書チェック表必要必要

通信販売酒類小売業免許の必要で特に注意が必要な書類は、「ネット通販関連の書類」と「課税移出数量証明書(3000kl未満の証明書)」です。

ここでは以下の点について詳しく解説します。

ネット通販関連の提出書類

通信販売酒類小売業免許の申請をする際には、以下の書類を自分で作成し提出する必要があります。

  • 通販サイトのTOPページ
  • お酒の商品ページ
  • 買い物かごのページ
  • 購入者情報の入力ページ
  • 支払い方法選択ページ
  • 注文内容確認ページ
  • 購入完了ページ
  • 特定商取引法に基づく表記のページ

ネットでお酒を販売する場合には、通販サイトのTOPページから購入に至るまでや、特定商取引法に基づく表記が記載されたページを全て提出する必要があります。

また、それぞれのページには「未成年者飲酒禁止法」に基づき表記や、「特定商取引法」に基づく表記など、法律に則った表記をしなければなりません。

因みに、通販サイトは免許の申請の際に完成している必要はなく、あくまでもサイトのレイアウトができていれば問題ありません。

通販サイトのトップページ

通販サイトには以下の文言を必ず記載する必要があります。

必要な表記

  • 「20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されています。」
  • 「20歳未満の者に対しては酒類を販売しません」

そして、上記の文字フォントの大きさはお酒の価格表示で使用する文字よりも大きく表示する必要があります。

また、トップページには特定商取引法に基づく表記が記載されているページへのリンクも必要です。

お酒の商品ページ

お酒の商品ページについても、価格のフォントよりも大きい文字サイズで未成年者飲酒防止に関する文言を入れるようにしてください。

また、商品代金とは別に送料がかかる場合には、送料の表記も忘れないようにしてください。

買い物かごのページ

買い物かごのページも商品ページと同様に、未成年飲酒防止に関する文言と送料等を記載してください。

購入者情報の入力ページ

買い物かごのページも商品ページと同様に、未成年飲酒防止に関する文言と送料等を記載してください。

購入者情報の入力ページ

お酒のネットで販売する場合には年齢確認が必要となります。

そのため、年齢を記載する欄を設ける必要があります。

また、年齢記載欄を見た時に、同時に「20歳未満の者に対しては酒類を販売しません」が確認できるように記載してください。

支払い方法選択ページ

通販サイトで設けている決済方法選択画面です。

サイトの使用上、決済選択ページが独自に設けていない場合は提出は不要です。

注文内容確認ページ

注文確認ページでは商品の合計金額、送料がわかるように記載します。

こちらについても、価格のフォントよりも大きい文字サイズで未成年者飲酒防止に関する文言を入れるようにしましょう。

購入完了ページ

商品の購入が完了した際に表示されるページです。

このページについては特に記載方法等に決まりはありません。

特定商取引法に基づく表記のページ

まず、通信販売(インターネット通販を含む)を行う場合、購入者が取引条件や販売者情報を確認できるように、「特定商取引法に基づく表記」を明示する義務があります。

そのため、必ずサイトのどこかに「特定商取引法に基づく表記」を記載しなければなりません。

また、通販サイトでお酒を販売する場合には、特定商取引法に基づく表記に加え、酒類販売管理者標識も記載する必要があります。

ポイント

酒類販売管理者標識とは、お類を販売する業者が法律に基づいて店舗や販売サイトに掲示しなければならない標識のことです。

商品購入後のメール文章

通信サイトでお酒を販売した後に、購入者に送るメールにつても提出が必要です。

基本的には以下の2つのメールを準備すれば問題ありません。

注文確認メール

注文確認メールについても、未成年者飲酒禁止法に基づく文言を、価格表示で使用する文字よりも大きなサイズで表記するようにしてください。

入金確認メール

商品の購入代金をクレジットカードや銀行振込等で受け取る場合、必ず以下の内容を記載した通知(メールなど)を送らなければなりません。

必要な表記

  • 申込を承諾した旨
  • 事業者の住所・名前(会社名)・電話番号
  • 受領した金銭の額
  • 金銭を受け取った年月日
  • 商品名・数量
  • 商品の引渡し時期

上記のどれか1つでも記載が抜けている場合には、特定商取引法違反となりますので注意してください。

通販商品の納品書

納品書の様式には特に決まった様式はありませんが、こちらについても未成年者飲酒禁止法に関する文言を記載し、価格表示の文字よりも大きな文字サイズで表記する必要があります。

課税移出数量証明書

国産のお酒を通販で販売する場合には、課税移出数量証明書を提出しなければなりません。

課税移出数量証明書とは、その酒造メーカーで製造している全てのお酒の前年度の出荷量が、品目ごとに3000キロリットル未満であることを証明する書類です。

そして、この課税移出数量証明書は酒造メーカーから直接取得しなければなりません。

ただ、酒造メーカーから課税移出数量証明書を取得できれば、その酒造メーカーが製造するお酒はもちろん、その酒造メーカーが製造している品目に限り、他の酒造メーカーのお酒も販売することができます。

例えば、清酒と焼酎、果実酒を製造しているA酒造メーカーから課税移出数量証明書を取得できた場合、B酒造メーカーの清酒と焼酎、果実酒も販売が可能です。

ただし、注意点としてはあくまでもB酒造メーカーについても、製造している全てのお酒の前年度の出荷量が、品目ごとに3000キロリットル未満でなければなりません。

そのため、税務署への条件緩和申請(変更申請)は不要ですが、B酒造メーカーからも課税移出数量証明書を取得する必要があります。

なぜなら、B酒造メーカーで製造している全てのお酒の前年度の出荷量が、品目ごとに3000キロリットル未満であると第三者からは判断できないからです。

一方、A酒造メーカーから課税移出数量証明書を取得して通信販売酒類小売業免許を取得したとしても、A酒造メーカーで製造していない品目(清酒と焼酎、果実酒)以外は販売できません。

まとめ

この記事のまとめ

  • 酒類販売免許の中では通信販売酒類小売業免許の取得難易度は低い
  • 通信販売酒類小売業免許の販売できるお酒に制限がある
  • 通信販売酒類小売業免許は個人や未経験でも取得が可能
  • 通信販売酒類小売業免許の取得費用は4万円前後
  • 通信販売酒類小売業免許の取得期間は4~6カ月
  • 通販サイトでは法律に基づいた表記が必要

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